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2010年5月31日 (月)

鉄道模型のPC制御:(02)赤い箱・DP1と南福岡急行の話

承前:鉄道模型のPC制御:(01)DCCの現状

02-00 DCC列車とPCとの考え方
 鉄道模型をディジタルに制御することの意味はいろいろあると思う。わざわざDCC用の機器類を追加して別種のシステムを使うのだから、従来のアナログ制御方式とは違った面がないと意義が薄れる。このことの把握が人によって異なるから、原理的に将来の可能性が高いDCCであるにもかかわらず、なんとなく普及が遅れている。
 DCCが話題になる事例を列挙し、まだDCCの入り口をうろついている、私自身の気持ちをメモしておくことで、現状が見えるかもしれない。

☆音だし
 DCCはディジタル音源を自由に扱える。だから、列車毎の走行音や、停車場での作業音をリアルに再現できる。このためにDCCは最良の能力を発揮する。 ←しかし、音だしに興味を持てないと、そのための設備投資に踏み込めない。

☆大規模レイアウト(ジオラマ)対応
 数十台の列車ないし列車編成、数十のレールポイント、数人の運転手(模型利用者)がよりつどって鉄道模型を操作するのに、DCCは列車ごとに背番号を振るので使い勝手が良い。 ←しかし、大規模な模型・運転会や鉄道博物館でないと、そういう大規模多種多量列車編成の操作は必要としない。 

☆PC自動運転
 現代の一般的なDCC操作は、10数文字しか表示されない小さなディスプレイに向かって、数字をテンキーで入力したり、特定機能ボタンを押すことが主である。これだけPCが進んでいるのに、国産で大画面を使って列車システムを制御するソフトウェアは見あたらない。 ←世界も日本もPC制御は遅れていると一言で言えばすむことかもしれない。何故遅れているのだろうか?

 たとえば日本のKATO社が取り扱っている米国のデジトラックス社のDCCシステムをPCに接続するためのMS100は、RS232で通信をする。しかもピン数が25と大きい規格である。今頃、RS232Cの受け口を持つPCは古いマザーボードの自作デスクトップくらいではないだろうか。しかも9ピンのものが多い。つまり、一昔前の標準がまだ生きていて、そこから現代化がされていない。
 要するに、鉄道模型の本家である欧米でも、DCCは動きがゆっくりしているようだ。

 その理由は?
 憶測にしかすぎないが。
 ロボットのような自律タイプのものを求めていないからかもしれない。よく考えてみると、ラジコン飛行機も鉄道模型もラジコンカーも、人が即時的にコントローラーを介して制御することに人々の興味があったり、技を競う。
 二足歩行ロボットの動きから始まって自律システムを構築できるロボットとは、目的が異なるのかもしれない。

 しかし。
 鉄道模型こそ、レール網というフレームの中で自律的なシステムを組みやすく、またそうすることの意義も深いと考える。多種多量の列車が衝突せず、カーブで減速し、空いた支線で休憩し、ホームで自動停止し自動発進する、……。人があれこれ手を介さなくても、自律的に並行的に秩序を保って「動く」。これが鉄道模型の醍醐味だし、そのアナロジーに人間社会に還元できる未来を持つと期待できる。

02-01 PCから列車を動かしてみる
Muimg_3800 ←写真はソフトウェア「DP1 Command Station/南福岡急行鉄道」を起動した画面。左側上部に左右スライドバーが見える。このバーをマウスで右側に引きずっていくと、列車が動き出す。

 列車の名称はあらかじめ画面の右側で追加登録している(マウス右ボタン)。画面には「731系」機と表示されている。しかしそれは単なる名称であって、本当にこの画面で必要なのはアドレスと言われる数字で、単純に「731」としてある。このアドレス731という数字で、PCとレール上の731系電車とが結ばれている。

 DCCのシステムは、線路上の列車やポイントをすべて数字で一意に定義できる。もちろんPCは、その数字を列車毎に把握する能力が高い。たとえば、そのアドレスの横に列車の写真を付加したり、ポイントならどちらに線路がつながっているかを図示するようなソフトウェアを作ることもできる。

02-02 赤い箱:SNJPN DP1
Img_3799 ←写真右側の赤い小箱はDCCシステムの一つで、国産の制御装置「DP1」である。DCC全体を理解するのに、最初からDP1を持ち出すのは異例かもしれないが、DCCを使う目的が「PCによる鉄道模型の制御」なら、この方がわかりやすい。

 このシステムはなによりも小さい。だから小型のネットブックと組み合わせると、見た目や使い勝手の、全体的な相性がよい。私はこのDP1を制御するためにネットブック(ASUS Eee PC1001HA)を導入した。小さいという中には、もろもろの現実的な利便性も含まれる。たとえば、DP1は電源をPCのUSBから供給できるから、車両一台程度なら付属のAC電源を使わなくても列車が走る。また、接続はごく普通にUSBを使えるから、現代PCにとって違和感は全くない。

 以上のような、現代PCにとっては普通の状態の中でDP1は機能する。最初の写真にある「南福岡急行鉄道」では、このDP1を介して、鉄道模型をPCから自由に動かせるシステムをすでに作っているわけである。私はそういう先達の跡を踏みしめながら、自律(自動)運行タイプのジオラマを作っていきたい。

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