NHK龍馬伝(21)故郷の友よ:粛清無残
見どころは、攘夷派が世間の流れから外れたことで、芥子粒(けしつぶ)のような個人に降りかかってきた悲劇に、おのおのがどのように対応していくかでした。
饅頭屋長次郎が龍馬に「私は土佐も商売もすてて武士になった。だから土佐には帰らない」といい、龍馬は幼なじみの武市半平太が窮地に墜ち、岡田以蔵が追われるのに耐えきれず、勝海舟に「土佐に帰りたい」「帰って、何ができる!」といわれ、武市半平太が妻の富に、長い間信念を貫くために一人にしておいたことを詫びたこと、……。
そして冒頭では七郷落ち。
政変ということを考えさせられました。
攘夷派が朝廷での勢力を失ったのは、薩摩の押す公卿が天子の気持ちを変えたからなのでしょう。このために三条実美ら七人の公卿が都落ちして長州に隠れざるをえませんでした。もちろん、これを知った土佐藩・山内容堂は「攘夷派(長州)の朝廷での失墜」を知り、土佐勤王党への帰国命令を出しました。武市半平太らを粛清するためでした、……。
新選組が数名出演しましたが、どの役者がだれかは分かりませんでした。
私自身、ここ最近ずっと「龍馬伝」への感想が少なくなりましたが、自分自身の心の動きと言うよりも、有史以来の政争、史的唯物論以来の共産主義や社会主義でのシステマティックな「粛清」、近隣諸国の政変革命クーデター単位での、前政権訴追劇、……。そういうもろもろが、疎ましいわけです。みんな寿命がくれば土に帰るのに、わざわざ血を流して溜飲を下げたり、寝付きがよくなったり、本当に馬鹿馬鹿しいことをずっと繰り返してきた人間の、猿のような所行を、まざまざと眼前で見ることに疲れがあるのでしょう。なくならないのでしょう、ほら今でも党、あそこの会社、ここの組織、どこでもあって、ああ見苦しい。
というわけで、45分間、しっかり見ました。
どれをドラマとしてとるかについては、龍馬と勝海舟の掛け合いです。「俺が見込んだ弟子(龍馬)を、むざむざと死なせてたまるかぁ!」。すっきりしますね。
武市夫婦の別れは、辛いです。
また、来週。
| 固定リンク
「NHK龍馬伝」カテゴリの記事
- NHK龍馬伝(48)龍の魂:坂本龍馬の死(2010.11.28)
- NHK龍馬伝(47)大政奉還:タイムマシンに乗った龍馬(2010.11.21)
- NHK龍馬伝(46)土佐の大勝負:象二郎・容堂・龍馬(2010.11.14)
- NHK龍馬伝(45)龍馬の休日:現実の紆余曲折(2010.11.07)
- NHK龍馬伝(44)雨の逃亡者:本日休講(2010.10.31)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント