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2010年5月23日 (日)

NHK龍馬伝(21)故郷の友よ:粛清無残

承前:NHK龍馬伝(20)収二郎、無念:視点の交差

 見どころは、攘夷派が世間の流れから外れたことで、芥子粒(けしつぶ)のような個人に降りかかってきた悲劇に、おのおのがどのように対応していくかでした。

 饅頭屋長次郎が龍馬に「私は土佐も商売もすてて武士になった。だから土佐には帰らない」といい、龍馬は幼なじみの武市半平太が窮地に墜ち、岡田以蔵が追われるのに耐えきれず、勝海舟に「土佐に帰りたい」「帰って、何ができる!」といわれ、武市半平太が妻の富に、長い間信念を貫くために一人にしておいたことを詫びたこと、……。

 そして冒頭では七郷落ち。
 政変ということを考えさせられました。
 攘夷派が朝廷での勢力を失ったのは、薩摩の押す公卿が天子の気持ちを変えたからなのでしょう。このために三条実美ら七人の公卿が都落ちして長州に隠れざるをえませんでした。もちろん、これを知った土佐藩・山内容堂は「攘夷派(長州)の朝廷での失墜」を知り、土佐勤王党への帰国命令を出しました。武市半平太らを粛清するためでした、……。

 新選組が数名出演しましたが、どの役者がだれかは分かりませんでした。
 私自身、ここ最近ずっと「龍馬伝」への感想が少なくなりましたが、自分自身の心の動きと言うよりも、有史以来の政争、史的唯物論以来の共産主義や社会主義でのシステマティックな「粛清」、近隣諸国の政変革命クーデター単位での、前政権訴追劇、……。そういうもろもろが、疎ましいわけです。みんな寿命がくれば土に帰るのに、わざわざ血を流して溜飲を下げたり、寝付きがよくなったり、本当に馬鹿馬鹿しいことをずっと繰り返してきた人間の、猿のような所行を、まざまざと眼前で見ることに疲れがあるのでしょう。なくならないのでしょう、ほら今でも党、あそこの会社、ここの組織、どこでもあって、ああ見苦しい。

 というわけで、45分間、しっかり見ました。
 どれをドラマとしてとるかについては、龍馬と勝海舟の掛け合いです。「俺が見込んだ弟子(龍馬)を、むざむざと死なせてたまるかぁ!」。すっきりしますね。
 武市夫婦の別れは、辛いです。
 また、来週。

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承前:NHK龍馬伝(21)故郷の友よ:粛清無残  今夜の見どころは「龍」という若い女性の登場となりましょうか。  また新選組の、近藤さん、土方さん、沖田さんの名乗りもしない登場でしょうか。(先回も出ましたが、今回は区別が付きました)  あるいは、土佐のアルコール依存症・容堂さんの、ちょっとうつろな表情でしょうか。  岡田以蔵は熱演でしたが、龍馬さんとの絡みはすこし過剰に思えました。  いつもの武市... [続きを読む]

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