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2010年5月29日 (土)

小説木幡記:2010/05/29(土)iPadと賢弟たち

 昨日早朝、義理の賢弟たち二人に某重大問題について相談した。
 回答は、各人二度にわたって速攻だった。
 某重大問題とは、異国Apple社のiPadを、余がそばに置くかどうかの瀬戸際問題だった。
 余は、知るごとく、圧倒的な尊皇攘夷思想で日々生きておる。
 和語に漢語が混じるのはいたしかたないが、カタカナを見ただけで嘔吐するくらいに異国嫌悪が激しい。
 ニュースで隣国の女子アナが麻薬的熱狂演説をふるうたびにブラウン管を壊したくなる。
 ましていわんや、北米の教育改革とか、林檎といえばよいものをアップルとか聞くたびに、悪寒する。当然中国海軍がどうしたと聞くだけで、怒髪冠を刺し貫き、新聞を破り捨てる。

 賢弟たち二人は余と専門分野は異なるが、同業である。というよりも、大学でしか生きにくい面も多少似通っておる。ともに余が30代後半、彼らが20代中盤に出会ったから、今の年齢は推して知るべし。
 仮に先に答えた方を「自転車男」、後に答えた弟を「鳥類男子」としておく。世間では「准教授」と言われる、ミステリーなら最初に死亡するような職業だが、ちゃんと生きて元気にこなしておるようなのでうれしい。

 余は二人に、こんな風な設問をした。

0.趣旨
 いろいろ考えて、林檎のiPadを手にしようと迷っておる。事情は、余が「電子図書館」とか「ハイパーメディア」「ディジタル情報革命」を、一応の本業というか、講義していると内外に自称しておるので、授業内容がそうそう羊頭狗肉もならんので、iPadでも子羊たちに見せて、数年間でも息継ぎしようとしておる。
 そこで、いまどきはやりのiPadにちょっぴり資本投下して、余も新世代に追いつこうとおもっておるが、どうじゃ老? 無駄遣いしても良かろうかな?
 
 自転車男:無言
 鳥類男子:無言
 解説: 余のかかげた趣旨を、 ~の冷や水と両賢弟とも感じたようだが、それを露骨にメル回答するほど、直情径行青年ではない。

1.そなたらは、いつ頃購入する気じゃ?
 自転車男:今日飼います(2010年5月28の午後2時に受領したとblog記事があった)。
 鳥類男子:次のモデルになったとき。
 解説: 余が義理であれ賢弟と心からおもうほど、両名は賢い若者(実態はもう、オジキ)やが、性格の現れ方が顕著に違う。自転車男は活動的だし、物欲情報欲に素直な自然男子なり。鳥類男子は石橋をたたきすぎて壊すほどに慎重である。ただし両者とも結論はやがて同期する。
 余は常にその中庸を行くなり。
 結論はこの記事を書いた後にでも。

2.機種選定
 仕様(外部記録容量)が16GB、32GB、64GBと違いがあって、価格差は1万円で、48800~68800となっておるが、どう考える? また、あんな林檎板に一体なにを格納するのかな? 本? 動画? アプリ?

 自転車男:16GBのにしました。~まずは授業の時のプレゼン用機器として使うつもりなので、16GBあれば十分です。これまではiPodをそれに充ててきたのですが、老眼が進み、画面が見えません、……。

 鳥類男子:一番大きいのを買います。次のモデルだと128GBでしょうか。格納するのは、アプリ・プレゼンの資料・本・写真・音楽・・・でしょうか。メール等で使うことはほぼないと思います。

 解説: 自転車男はすでにiPadの機能をiPodやiPhoneで済ませて体験してきたので、iPad自体になんでも詰め込む気は無いようだ。それに老眼の年代らしいな(邪笑)。
 鳥類男子は、多少余と似ておってな(笑)、もしもの時に容量不足で動画ファイルが溢れた時の心配をしておるの邪労。
 まあな、余はきっとまたぞろ「iPadでubuntu楽々」だなんて記事を書こうとしておるし、邪馬台国周遊図書館ジオラマを快走する二階建て図書館列車の動画をぶち込むには、テラバイト単位の容量が必要だな。このことはクラウド機能と関係してくるが、今の無線通信はまだ未熟だから、動画は実ファイルを格納してある方がよいなぁ。となると、鳥類男子と同じ性向から、その時期の最大容量かな。

3.余にとって、初期(今年)に必要かな?
 自転車男:何に使うか次第ではないでしょうか。さわっているだけでいろいろなアイディアが出てくるように思うのですが。私はプレゼン用アプリ「keynote」、電子書籍配信「iBooks」、電子書籍閲覧「i文庫HD」などをまずさわります。
 鳥類男子:不要です。

 解説: 初物を素早く判定し選び手にする自転車男、じっくり様子見をする鳥類男子。この違いは性格的なもので、どちらが正しいとか悪いとかは言えぬのう。余は一応中庸であると自覚しておるが、子細に過去を考えれば、極端に先物買いか、あるいは極端に無視というよりも「邪魔くさいから捨て置く」だろうな。
 SMC70でCP/Mに入れ込んだり、FM-TOWNSのTOWNS-Gearで物語を考えていたときは先物買い過ぎたような(苦笑)。しかし、最近のディジタル放送に対する冷淡さは、これは、「規格が邪魔くさいから、触らぬのがよい」だろうな。iPhoneなどのマイクロPCじみた携帯電話系・スマートフォーン全体に関しては、「老眼疲れる!」だな。
 さて、iPadは余にとって、何なのじゃろう?

4.無線装置の要不要?
 3G(ソフトバンクの第三世代移動通信)は必要かな? 約1.2万円高くなるが? <携帯電話契約のような>
 無料のwifiって、つながるのかな? <無線LAN契約のような>
 GPS機能は便利か?

 自転車男:いつでもどこでもネットを使うのでなければ、3G契約はいらないのではないかと思います。私はiPhoneがあるので、必要を感じません。

 鳥類男子: まず先行するiPhone ですが、これは今のところ、毎月の支払いが高いので遠慮しています。もし来春に息子が大学に入ったら、私の携帯を譲って私はiPhoneを買おうかと思っています。
 無線LanのWifiは職場ではもちろん使えますが、カフェとかで利用することが多くないのであれば、つながる場所がそれほど多いとは思えません。特にわれわれのように車で自宅と大学を往復している分には、あまり活躍できる場所がないのではないでしょうか。
 その意味では、全国どこでもつながる3Gということになるのですが、そうなると現状では携帯電話と重なって維持費が大変ですね。GPSも「どこでもネット」もすごーく便利だけど、職場と自宅以外にいる時間が短い私にとっては、便利なのはごくたまにだけということになるので、iPhoneをもし買えば、iPadはWifiモデルで十分かなという気がします。

 解説: これは両者ともに、高額の3G(携帯電話契約だな)契約なんか不要、と結論がでておる。日本の携帯電話はたぶん高額なのだろう。ときどきネットブックが無料とあるが、毎月最低6000円の契約を2年間強制されると、それだけで15万円も投資したことになる。そういうネットブックを最近別の目的で入手したが、マシンだけだと3万4千円ですんだ!
 というわけで、余もiPadを外でガンガン使う気力がないので、せいぜい自宅・構内Lanというか、喫茶店、駅Lanが無線無料に近い価格で使えればよろし~となる。
 よく観察すると、余も鳥類男子と同型で、職場と自宅しか居ない生活だ。

5.ディジタルコンテンツの供給
 和書関係、和新聞関係の動向はどうだろうな? 最近も、講談社で京極夏彦くんが、印刷小説の半値でディジタル小説全文を開示したが、今後iPad用のコンテンツは沢山出てくるかな?

 自転車男:昨日(2010年5月27?)、ソニーとKDDI、朝日新聞、凸版印刷が電子書籍配信の合同事業を立ち上げると発表していましたが、この組み合わせだときっと失敗するでしょう。独自企画にこだわるソニーとKDDIがいる限り、汎用性のあるものにはならないと思います。大手出版社がどう動くか、今のところわかりません。

 鳥類男子:予断を許しませんね。でも、私も朝日SONY陣営は失敗すると思います。そのうち大出版社が雪崩を打ってアップルにすり寄るのではないかという気もします。

 解説: 実はこのデルファイ神託が一番余にとって必要なことなのだ。しかしこういうことは、株価と同じで、何年か経たないと本当か嘘か分からぬ脳~。出版社が模索し出したのは、おそらく岩波書店が広辞苑をCD化したころ(20世紀終盤)を嚆矢とすればよかろうが。あるいは新潮社が名作百選をCD化した時代だなぁ。そのご、遅遅として、今に至った。完全なリーディング・マシン(読書機)がなかったのも原因なんじゃろう。
 さて、両人とも、いろいろな規格の乱立構想劇をみてきたせいか、半ば期待、半ばあきらめがあって、判断を保留しておるな。ただ、このあたりに賢弟のゆえんがある。賢弟ゆえに「今度こそ、もう、出版世界は後戻りできない」と、確信が行間から立ち上っておる(笑)。

☆まとめ:余にとって、買い時か? 数年保留か?
 自転車男:続きはwebで(笑)
 鳥類男子:数年は長すぎると思いますが、1~2年留保、ではないでしょうか。ただ、私のように、常に時代から2~3年取り残されている・・・というのに我慢できればですが(笑)
 解説: 賢弟達を、この20年間以上見てきたが、あるときは余の考えに冷淡無視もあったが、結果的にはいつも余の判断決断に関して「兄者のなされることが、正統な正答です」という雰囲気があった。
 よって、両者のデルファイ神託を受けて余も決断する時期になったと、思った。

 さて、以上が昨日の正午ごろの経緯だったが、昨夕になって、両者とも追伸をよこしてきた。
 鳥類男子:ご承知かもしれませんが、さっき見たニュース。
  「キンドル向け書籍、iPadでも アマゾンが無料ソフト」
  http://www.asahi.com/business/update/0528/TKY201005280401.html
 (Mu注:概要は、アマゾン社の読書機キンドル用のディジタル図書を、iPadでも読めるような仕組みを、アマゾン社がを無料提供するとのこと。なおキンドルには、iPadのような日本仕様が現在はない。)
  だそうです。今のところ、ほとんど英語版だけだと思いますが、たとえば鳥の図鑑が安く買えるなら、iPadが欲しくなります(笑) やはり、結局、雪崩を打ってiPadへ行くと予想します。アップルの株価時価総額がマイクロソフトを越えましたし・・・。

 自転車男:こんなのもありますよ。
 「電子書籍1万点、iPad向けに販売 秋から業界団体」
 http://www.asahi.com/national/update/0528/TKY201005280207.html
 (Mu注:概要は、日本電子書籍出版社協会(国内出版関係30数社、現代表は講談社)や角川書店が今秋からiPadで自由に読めるような電子書籍を500円程度で売り出すとのこと)
 これが始まったら、やっぱりiPadに雪崩になると思います。

 総合解説:ということで、賢弟二人の暗黙のというか、最後には圧倒的な教唆にのって、余は先ほど林檎社にiPadを発注しておいた。まだ、銀行送金をしていないが、気持ちでは来週にはiPad を開封していることじゃろう。
 64GBタイプで、非3G。
 目的は、第一に葛野の子らに、一応の「ハイパーメディア専門家」であることのポーズをとるため。(現状では、余は模型屋さんとか、わかりにくい杖突高齢者思われておる)
 第二に、選書の上で、旧作・旧図書を自らiPad に仕込み直し、狭隘な書斎、研究室をすっきりさせる。
 第三に、余の1990年来の電子図書館研究に関する「革命的」読書機論について、一応の決着をつける。
 第四に、鉄道図書館列車用正式リーディングマシンとして、iPadの採用可否を計る。

長くなった。続きは、後日に。

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コメント

決断までの揺らぎを拝読。
私は、初期ロットは見送りました。
夏には手にしていると思います。

投稿: genjiito | 2010年5月29日 (土) 12時38分

天網恢々
 ローカルな、僻地でMuBlogをあきなっておるのに、仙人の目にとまりましたか。

 たしかに仙人の手にかかると、機械相性の善し悪しなのか、……。枯れたマシンなのに連続でハードディスク・クラッシュにあったり、安定十分の自動車でも高速でタイヤが外れたり、想像するだけで冷や汗のでる日々になりがちなので、ましてやいわんや初期ロットおや! なのでしょうなぁ。

 しかし。
 こたびだけは、おそらく百科事典に定番化するような2010年春5月。米国が4月で一ヶ月遅れのこの春の日本初期ロットiPadこそ、人類史に残るマシンとなりましょうぞ。

 日頃のapple初期ロットなら歩留まり?%の未完成マシンとなじられてもおかしくはないでしょうが、こたびこそ、その初期ロットこそが大英博物館、東博、京博、奈良博、九博に文化遺産として永久保存されるかもしれませんで。

 と、そういうわけで、3G抜きのフルスペックというか、アクセサリー総出満艦飾のiPadを、来週にでもMuBlogにて開陳いたします。こうご期待のほど。
 ただし、「iPad でウブンツ楽々、上海麻雀ゴーゴー」は、ちょっと遅れます。 

投稿: Mu→GENJIITO | 2010年5月29日 (土) 14時46分

 (本文中にフィクションがあるようですが、それには目をつぶらせていただきます・・・)
 あーあ、やってしまいましたね(笑) おめでとうございます。
 しかし、昨日注文して来週に届くのでしょうか? 今アップルストアを見ると、出荷は「6月」となっていました。これは、「6月末までに届けば御の字」と読むべきなのでは・・・

投稿: 鳥類男子 | 2010年5月29日 (土) 23時56分

鳥類男子くん
 MuBlog自体がフィクションなのだし、さらに「小説木幡記」なんだから、フィクションの中のフィクション構成は、ノンフィクションなんだよ、君。
 しかし事実として、「まったく違うタイプの賢弟を2人お持ちになっている先生は幸せ者です(笑)」こういう文飾をそのまま使うのも、世間の手前、いかがなものかと思い、カットしたよ。

 発注はしたが、銀行送金はまだだ。土曜日に送っても銀行は寝ておるじゃ老。カードはあとで請求が来るから心臓に悪い。いつもニコニコ現金払い! だね。週初めに送金しておく。

 コメントの「あーあ、やってしまいましたね」、これはぴったりだね。
 初期モデル初代、初期ロット、~。
 数十年も経験してきた際物業界(昔のソフトは特に、バグ付き正常!)なのに、まだ懲りずに初物買いに、手を出してしまう。林檎社だと以前なら、完動歩留まり数割じゃなかったか? 機械と相性の悪い某鉄っちゃんの場合だと「まず、動かない」世界だった。
 ~まあ、よかろう。
 自転車男のblogでは、iPadは写真を入れてみんなに見せる道具らしいなぁ~
 ~それで、到着のこと。
 そうですか。6月到着は7月と自動変換するわけですか、AppleStoreでは。えらい訛りのきつい方言だね。まあ、ローカルな林檎社のそこが良いところと言うか、ぐずぐずしたところがあってこその新機軸じゃ。一種の発達障害をともなった天才肌だね。アスペくんだよなぁ、林檎社は。
 
 ところで。
 逆に、賢弟・鳥類男子よ、君こそ財をなした青年なんだから、iPadくらい数台予備に買っても良かろう。鳥類図鑑専用、仕事専用、古典専用、外語専用、……。と、マシンごとに専用にしておけば、使い勝手も良くなる(充電が大変だな)

投稿: Mu→鳥類男子 | 2010年5月30日 (日) 05時59分

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受信: 2010年6月20日 (日) 12時19分

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