NHK龍馬伝(15)ふたりの京:京は人を変えるのか
承前:NHK龍馬伝(14)お尋ね者龍馬→休講
承前:NHK龍馬伝(13)さらば土佐よ:暗殺と脱藩の家族達
先週の龍馬伝(14)は事情で休講しました。
今週(15)の京都物はおもしろく見ました。特に最後にある龍馬伝紀行で京都の三条大橋や高瀬川、三条小橋が映った時は我知らずにやりとしました。単純なことで、そのあたりこそ私が散歩する場所だからです。これまでいくつも記事を書きましたが、その一つ「三条大橋の刀傷」を自己紹介しておきます。
さて今夜の見どころは二人に焦点を合わせました。京都で公家の三条家に四年間奉公している平井加尾と、武市半平太とともに上京した岡田以蔵です。二人とも、京都に住むことで人が変わったのかもしれない、と思ったからです。
1.平井加尾(広末涼子)
土佐にいた頃はまだ若かったのでしょう、幼ささえありました。4年間京都にいるだけで、相当に変化しました。もちろんそれは龍馬が呟いた「加尾が綺麗になりすぎたので、顔をまともに見られない」と、照れに照れた台詞にも現れていました。
京の町が加尾を変えたのも事実です。京は人を変える力を持ちます。都だからです。
兄や武市半平太との手紙などによる情報交換が、加尾を普通の女性から大人の女性に変えたと想像します。
2.岡田以蔵(佐藤健)
以蔵は京での武市の変化にしたがって、自分を変えたと言えます。
武市の変化は、土佐での吉田東洋暗殺以来、大きく変わったわけです。土佐の若い殿様と、土佐勤王党を引き連れて上京して以来、政治的になりました。単純に理想を語るだけではなくて、三条実美(さねとみ)の力で、徳川将軍を上京させて天皇の前で攘夷を誓わせるという計画を遂行します。そういう権謀術策を企画し遂行する武市半平太のもとで、岡田以蔵に何ができたのか?
それが「人斬り以蔵」の名を後世に残した顛末でした。
3.龍馬が変わった
龍馬は加尾から江戸の幕閣・勝麟太郎が軍艦を造っていることを聞き、江戸に行こうとします。加尾は龍馬が脱藩したことの真実を見た想いがしたことでしょう。つまり、その頃の坂本龍馬は女性と所帯を持つという気持ちはほとんどなくて、自分の人生をどのように全うするかに気持ちを込めていたわけです。おそらく、加尾としては、龍馬が武市の元に戻り、加尾の兄と和解し、遅れるとしても、龍馬と結婚することを期待したと思います。その期待は、脱藩による「龍馬の変身、目覚め」を再確認することで、完全に無効となったことを知ったと思います。
☆まとめ
龍馬が土佐を脱藩(1862)してから、京都の近江屋で暗殺(1867)されるまで、わずかに5年ほどしかなかったのです。暗殺された翌年に明治維新となります。
この短期間に一番変わったのは坂本龍馬だと思いました。
変化に陽の価値を持たせるつもりはありません。変わらなかった加尾(女心)や、以蔵(気持ちの優しい男)からみて、龍馬は手元に置ける男ではなくなっていたと言うことでしょうか。残された加尾や以蔵という人生も等しく重いと思いました。
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