NHK龍馬伝(10)引き裂かれた愛:密偵
今夜は感動を伴いながらも感想を記しにくい日曜の夜でした。
加尾(広末さん)の雰囲気は、土佐弁と若いしなやかな女性らしい口調とが相まって、ドラマに実に溶け込んでいたのですが、兄を選ぶか龍馬を選ぶかの岐路に立たされて、兄を選んだわけです。あの情景では、しかたないと思いました。
だから書きようがないのです。
めちゃくちゃな話ですからね。
他方、江戸の千葉佐那(貫地谷さん)の気持ちも悲痛でした。好きな殿御が完全に地元に籠もるというのですから、さすがの鬼小町も涙を浮かべておりました。問題は、龍馬が故郷に許嫁のいることを佐那に伝えたことでしょうか。佐那ほどの気性なら、龍馬を追いかけて土佐まで行くのも自然ですが、地場で根をはると硬い決心の龍馬を追いかけることは、好きな殿御の意志、気持ちを踏みにじることになります。辛い立場でした。
ところで見所(みどころ)ですが。
吉田東洋の敵ともいえる上士の屋敷に、加尾と兄と、武市半平太がうちそろっています。加尾が山内家から三条家に嫁いだ姫(山内容堂の妹)の世話係として、上京し三条家にはいる話をしているときでした。龍馬が加尾、加尾と叫びつつ押し入ろうとします。もちろん家士たちに止められます。龍馬は北辰一刀流目録の腕をもって、真剣のつばに手をかけます。そのとき、「抜くな、龍馬」と、武市半平太が止めに入ります。
この武市の動き、表情、台詞がよかったです。
この場合、武市が止めたのは自分たちの計画(反吉田勢力の結集と、加尾の上京、三条家を通しての情報収集)が壊れるから、という意味にはとれませんでした。龍馬が抜刀すれば、龍馬もその兄の坂本家も死罪となり、家が取り潰しに遭うのを止めた、と感じるのが妥当だと思ったのです。
ところで。
まだ来週も土佐藩の中での権力闘争が描かれ、そこで龍馬も武市も、あるいは岩崎弥太郎ももみくちゃにされます。武市は土佐勤王党の盟主として、主体的ではありましょうが、それでも下士という制約からの脱出と藩内抗争の板挟みの感が深いです。できれば、龍馬は早く土佐脱藩までワープしてほしいです。見ていて辛いのです、土佐での龍馬が(笑)。
それと。
人斬以蔵の伏線が今夜もありました。武市は、「大事な話があるから、おまえは下で見張って、だれも近づけるな」と以蔵に言います。以蔵は不服そうな顔をしました。つまり、以蔵はずっと下っ端扱いされるわけです。これがどんな風な影響を後日もたらすのか~。
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