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2010年3月17日 (水)

小説木幡記:2010/03/17(水)帰郷の挨拶と柚子茶

 早朝から葛野研を掃除した。毎年この時期になると新学期のことや、人の出入りがあるので、書類をファイルに綴じたり、床を拭いたり、無駄な物を捨てたり始める。本当は、年度内の責務一切合切を終えてするのが気持ち良いのだが、今年はそうも言っておれない。来週は野暮用で3日間も家を空けるので、この新年に思い描いた算段が狂ってくる。三日間くらいで大げさなと思うだろうが、一科目あたり一日かけて入念な計画をたてるとしたら、3科目分の準備が宙に浮く。三日間あると、小さなジオラマなら叩きモデラー風にすると、丁度完成してしまう(笑)。

 掃除というても午前8時前から9時過ぎまでで終えた。終わったわけじゃなくて、疲れるから小一時間で止めた。その後、書類をつかんで事務所に行って、担当者と打ち合わせして、また戻ってメールを数通書いて送った。昼前頃にノックがあった。

 ご隠居さんが帰郷の挨拶に来てくれた。
 土産は柚子茶とかいうて、マーマレードみたいなもので、これを湯にとかしていただく。後で夕方に、説明されたように湯せんして硬い蓋をあけて、スプーンでマグカップに入れて、湯をいれて飲んだ。うまかった! orn。

 そうそう、帰郷の挨拶。
 仕事にも疲れたので辞して帰郷するとのことだった。お金もたまったようだ(笑)。最後の最後の日の棚卸しに立ち会って、サイナラするらしい。うむ。会社とは、今夜見たP.ドラッカー(NHKのクローズアップ現代)と違って、人を消耗品あつかいするようだ。なぜなら、数年つとめて慣れた状態でも、日々、餓死寸前栄養失調になるくらいに追われるのが常。つまり毎日、朝食を軽くとって出勤したとたん、昼休みもなくなり、残業が続き、帰宅したらご飯を食べられないほどに疲労困憊。これが何年も続けば、あほくさくなっても仕方ない。

 「君は若い頃、相当に我慢強い人だった。その君がそういうのだから、よい決断だと思います。お金もたまったようだし、自宅で数ヶ月ごろごろしたら、気力体力がもどるでしょう」と、はなむけの言葉を贈った。また別の道が見えてくるだろう。

 余は杖突きながら駅前近くに行って、ご隠居さんには二人前の昼食を、柚子茶のお礼返しに接待した。倶楽部でも名にし負う、「痩せの大食い」だったから、栄養失調も少しは補填されただろう。そのまま、電車を見送った。~、歴女じゃないはずだが、話したことはなんだか、……。「宮本武蔵の生誕地」だった。人間というのは、おもしろいと、自笑。

 再び舞台は葛野研。
 来週初めに、最後の会議があって、余もほんの少し関係している。その書類をメールで探して印刷して、チェックをいれて、背景を考えていた。
 知らぬ間に時間がきた。
 今日は会議が一つあった。出かけた。なかなかに問題はあったのだが、余が武蔵の生まれ故郷を想像している頃、別のメンバーによる事前専門委員会があって、そこで細かく論議したようだ、……。

 会議終了後、しばらく横臥した。早朝の掃除と、どたんば年度末仕事と、会議と、午後という時間帯が疲労を思い出させた。これで餓死すると言っても世間や同僚は許さぬだろうが、30分横になっていたら、また気力が戻ってきた。

 研究計画を思い浮かべた。
 期する所は年末にあったのだが、体力や気力は戻っても、知力はかすんでおった。しかたなく、脳を中断して屯所に入り、気になっていたレールの勾配を実験しなおした。一番の見所になる大ループなのだが、機関車をいれて四両編成にすると登らない。ストップする箇所で約2mm、レールを持ち上げた。上がった! そのまま発泡スチロールを削ってボンド付けした。再度試験した。また、スムーズに上がった。うむ。

 早々と屯所を後にして、研究室にもどり、この半年間書類や物の影に隠れていた専門図書(情報学のほうだ)を数冊発掘し、横になってページや図版を見た。脳には入らないのだが、風景としてはすっきり入ってきた。理由は、いつも考えていることだったので、夕方の疲れた脳でも、その著者の意図よりも、余の解釈を強く全面にだしたからであろう。図書内容はよう、分かった!(著者が知れば怒り出しそうな、珍解釈で了解したのかもな)

 そうこうするまに日が暮れた。
 無事木幡研に帰還し、夕食を食べた。今日も一日終わった。うむ、食事がうまい。 

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