昭和の鉄道模型をつくる(39)樹木(グリーン4本)
39:ここまで完成(~38、39号)
これからしばらくは、ジオラマ自体に手を加えることはありません。毎号の付録には樹木などが数本ずつ、ついてくるだけで、44号あたりから工作を再開するようになっていました。ですからこの「ここまで完成」には、昭和風景ジオラマにどのような列車を走らせるとお似合いなのか、を想像しながら写真を残していきます。
↑今回はドーンデザイン研究所(水戸岡鋭治)が手がけたように見える(実はⅡ世からのようです)JR九州の「ゆふいんの森Ⅰ」(TOMIX)です。実車は20m級ですが、TOMIXの車両は無改造でも半径14cmのカーブを回り切ることが多く、この小さなレトロ世界を走ります。シュールといえばシュールですが、この車両の色合いは古き昭和に似合っていると、私は考えているのです(笑)。
39:部品と工作(樹木:グリーン4本)
というわけで、「39:部品と工作」は休載です。
39:鉄道模型の達人/小池令之(こいけ のりゆき)
名称は「サカマチ特殊軌道越舎線」となっていますが、サカマチは逆さになった町の意味でしょう。
特殊軌道というのは、なにしろ電車が逆さまになるのですから特殊でないと成り立ちません。レールに仕込んだ針金と車両に仕込んだ磁石で落ちないわけです。特殊軌道というのは、ただ車両が落ちないだけでは前進しませんから、レールの間にラックレールがあって、これをおそらく車両のモータについたピニオン・ギヤないし普通のギヤで噛みついて動くのだと思います。その構造を類推すると、次の写真に近似だと勝手に想像しておきます(笑)。

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さて最後の「越舎」ですが、最初この記事を見たときに、どう読むのか皆目分かりませんでした。意味は地名だと思って新潟出身の方かな? と想像していました。ところが、記事にはエッシャーをもじった名称だとありました。そのエッシャーさんは画家です。よくは知らないのですが、メビウスの輪的な絵を描く人のようです。
建築家にも変わった方がいて、階段を上るとはめ込みのドア(飾り)だけで、どこにも行き場が無い、そんな家があるようですし、ミステリでは『捻れ屋敷の利鈍』とかは雰囲気的に相似です。私はエッシャーのことは昔『ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環』という図書を買って眺めたくらいの知識情感しかありません。
おそらく、この越舎線は片道切符、乗車すると元に戻ってこられない怖い路線なのだろう、というのが私の印象でした。いやはや、小池さんというデザイナーの手にかかると、鉄道模型やジオラマもその色合いが大きく変わってしまいます。
39:車両の製作(2)車両キットを組み立てる 2
39:昭和の『鉄道模型』をつくる
1.京福電気鉄道
通称「嵐電(らんでん)」と呼ばれています。私は嵯峨幼稚園時代から20代前半までこの嵐電を頻用しましたから、記事の一文、一文が胸にしみこむような内容でした。「そうだった」「ああ、そうだったのか」と繰り返しながら読み終わりました。
今年2010年は開業100年です。これはなにかのひらめきでしょうか(笑)。
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この記事を読んで痛切に思ったのは、「嵯峨野鉄道図書館ジオラマ 二代目」を完全に別設計で造らねばならないという、天空の声がしたのです。初代はJRをイメージしたものでした。しかし嵯峨駅前には旧国鉄と嵐電とが徒歩5分で道が通っていたのです。嵯峨野は、天竜寺前に嵐電が到着しないと、話にならない。天竜寺図書館を中央図書館にして、嵐電を敷設しないと、私のライフワークも先細りです。
ともかく、この記事、読み応えがありました。
2.長浜駅舎
これは昨年記事を公開しましたので、興味の有る方はご覧下さい(長浜鉄道スクウェア(駅舎))。
今回雑誌を読み返しておさらいした気持ちになりました。要点を記すと、初代長浜駅は現存・日本最古の駅舎で、現在は資料館となっている。そして初代長浜駅は日本海の敦賀港まで線路が敷設され、長浜から南の大津には、太古(たいこ)汽船が連絡線としてあった。だから当時の長浜駅や長浜は、鉄道線の始発駅としてと同時に、船の連絡駅としても賑わっていた。
ところが明治22年には東海道本線と北陸本線とが米原駅で結合全通したので、船便は消えていき、長浜駅も途中駅のひとつとなった、となるわけです。
華やかさと哀愁は、鉄道につきまといますね。
しかし、京都駅からは直通一時間で行けるところですから、現代長浜の別の側面をお楽しみ下さい。私は以前から、長浜の町や雰囲気が好みなのです。
39:未来の図書館、過去の図書館
昨年見知りのblogで「Amazon Kindle」の記事を見かけました。読む限りでは色も出ないし、洋物だしで、なんとなく「?」だったのですが、そわそわと落ち着かなくなったのは事実でした。もし私なら躊躇して結局は入手しない「新物」を、軽々と手にする方の若さに嫉妬したのかもしれません。
しかしディジタル図書を普通に読む、これは魅力があります。
あるいは、この方とは別の見知りの「林檎の板に思う」というアップル社のiPad記事にも出くわし、ついにくるべき物がきたか! の感慨にふけった次第です。
実は、Kindleにしても、iPadにしても、その原型はすでに20世紀末に某情報工学・研究室で実際に見て触っていました。某コンピュータメーカの研究開発室レベルの試作品でした。もちろん重くて液晶の視認性は悪くて、「こんなもので本は読めないよう」と嘆息していましたが、私はやがてこのような時代になることまでは、否定していませんでした。
さて、iPad。
革命となるのでしょうか、それとも無用の長物と化して数ヶ月後にはapple社の倉庫に不良在庫品として山積みされるでしょうか。はたまた、2010年の春に本当に日本に上陸するのかどうか、……。本日のApple社記事では499ドルとなっていましたが、そういうことになるとムキになる私はきっとフルスペックで、あっというまに1000ドルで、まあ10万円を超えてしまい、「10万円の読書機?!」、やはり「止めたぁ~」になるのかどうか。春が楽しみです。
注:紙図書館兼務鉄道図書館・日曜評論家としては、商売道具だから、身を切り血を出してでもiPadを入手しないと、駄目なんでしょうね。今時、質屋さんは宇治市にあるのでしょうか。困り果てました。
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