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2010年2月24日 (水)

邪馬台国周遊図書館ジオラマ(4)プラスタークロスと石膏塗り

承前:邪馬台国周遊図書館ジオラマ(3)基盤の完成

4.1 工法の違い:レールの撤去と地形成型
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↑線路を取り去ったジオラマ

 一般にレール・レイアウト(ジオラマ)を設定する場合、フレキシブル(自由変形)レールを先に基盤に釘などで固定し、そのレール面をマスキングテープで覆い、地形の成型や塗装を行う。これはフレキシブルレールの方がレイアウトに適合した路線を敷設しやすいことと、それを使う限りにおいて、地形の成型と一体化した工程となるから先に固定すると考えられる。
 しかし当ジオラマでは、レール・レイアウトの自由度は下がるが、扱いの容易さや、勾配、曲線の不安定な地形でも簡便にテストを繰り返すことができる組みあわせレール(メーカー毎のレール・システム)を用いている。このことでレール・レイアウト全体の撤去や再敷設が容易になるので、塗装のような大規模工程においては、総てを一旦撤去する工法を用いた。
 以上は単純な前後関係と誤認されがちだが、ジオラマ製作においての工程管理は、遡及性つまりやり直しが困難なので、レール敷設(完全固定化)をできるだけ後に回す方法として、これを選んだ。

4.2 プラスタークロスによる地形成型
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↑プラスタークロス(石膏布)で整形したあと

 このジオラマでは地形を発泡スチロールやその断片、及び紙粘土、板などで作っている。この全体を自然な形にするために、プラスタークロス(KATO製:布に石膏を塗布したもの)を用いた。水に浸しそのまま手で貼り付けていく手法である。他には、ティッシュペーパーやペーパータオルをボンド水溶液に浸し、それを同様に貼り付ける手法もある。

 このジオラマは90x120cmの大きさだが、4m強のKATO製プラスタークロスを3本使った。やや大量使用といえる。これは滑らかな成型の目的もあるが、素材が発泡スチロールなので欠けやすく破損の恐れがあり、布と石膏による保護の意味が強い。 乾燥後は、地盤が石膏と布とで覆われ、全体が堅牢なものになる。
 この一連の工程については、写真1を参照されたい。

4.3 石膏塗装
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↑石膏で塗装したジオラマ(おおよそ青は岩盤、茶色は地面他)

 石膏には30分ほどで固まる速乾性の「焼石膏」と、石膏を加工した模型用プラスターがある。後者は乾燥に一昼夜かかる。模型用プラスターは塗った後に手を加える時間があるので使いやすい。しかし多少高価で、かつ一般のホームセンターでは見かけることが少ない。このジオラマでは、一般的な速乾性の石膏を主に使い、模型用のプラスターはザラメ状態(つぶつぶ感)を作るために、混合して使った。

 また石膏の利用は、水と石膏粉を等量使用し、粘土状にして使う事例が多い。速乾性粘土扱いによって、地形を様々に変形し、意図的な傷を付けることで自然な形を作るためである。しかしこのジオラマでは、石膏を塗料の一種として、そこに顔料(適当な色の水性アクリル塗料)を混ぜて、刷毛で塗る手法をとった。このために、石膏の量は約800グラム程度であった(一袋2kgの物を入手した)。粉の量加減によって、状態はどろりとした液状である。

 ここで上記の手法をとった事情を記しておく。
 まず、石膏を粘土状にして地形をより自然で複雑な起伏にすることを、何故避けたのか。
 この理由は、地形自体を総て発泡スチロールや紙粘土で成型済みとしたことにある。比較的レール・レイアウトに起伏が多く複雑な高低差と曲率を持っているのと、石段などの幾何学的な構成を本旨としているので、これ以上の地形変化を不要と見なしたからである。すなわち、プラスタークロスの貼り付けで形を定着した、という設計手法による。

 それならば何故石膏液をプラスタークロスの上から塗ったのか。
 この理由は、まず、プラスタークロスの布目、布地がどうしても後から目立つことによる。丁寧に手でクロスを押さえつけて、石膏粉などを振りかけていけば避けられることでもあるが、経験的に面積が広くなると乾いた後で布目が目立つ。もちろん、その模様におもしろさもあるが、避けたい。よって、石膏塗布によって下地をしっかり隠すために用いた。

 次に、多重塗りによって堅牢さを増すための理由もあった。発泡スチロールは柔らかく変形しやすいので、塗り重ねることによって剛性を高めた。

 最後に、石膏液に塗料を混ぜることで、次の「塗装工程」の下塗りとする目的があった。写真の通り、地面は薄い茶色、岩盤は薄い青にすることで下地に色を付けた。副産物として、白いプラスタークロスの上に白い石膏液を塗る際の、塗り残しを避けることができた。
 以上の石膏塗りに関する一連の工程は、写真2にまとめておいた。

写真1:プラスタークロス貼り付け

石膏01:材料
石膏02:シート状のプラスタークロス
石膏03:線路撤去(北東向き)
石膏04:線路撤去(南東向き)
石膏05:別置した線路
石膏06:バケツの水
石膏07:プラスタークロスの貼り付け
石膏08:ループ線の成形
石膏09:細部の貼り付け
石膏10:貼り込み完了

写真2:速乾性の(焼)石膏塗装

石膏11:石膏塗りの材料
石膏12:水に石膏粉をいれ、色をつける
石膏13:石膏塗り完了(東向き)
石膏14:石膏塗り完了(北向き)
石膏15:石膏塗り完了(北西向き)
石膏16:石膏塗り完了(南向き)

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承前:邪馬台国周遊図書館ジオラマ(4)プラスタークロスと石膏塗り 5.1 下地色を噴霧する  先回は紙粘土とプラスタークロス(石膏布)で成形し、保護の意味もかねて石膏を塗って地形を完成した。今回は、地面らしい雰囲気を出すために下塗りをした。ただし、第6回に予定している「上塗り」が仕上げ塗りとは言えない面もある。つまり、この下塗りの終了とともに気持ちの上では「塗り」が完成したと考えている。もちろんこ... [続きを読む]

受信: 2010年3月14日 (日) 11時41分

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