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2010年1月10日 (日)

NHK龍馬伝(02)大器晩成:泥と告白と江戸へ、江戸へ~

承前:NHK龍馬伝(01)上士と下士:カーストのような

今夜の見所
 村の堤防造成の現場監督(差配人)になったことと、幼なじみの平井加尾(広末涼子)の告白と、江戸へ江戸へ心がはせる龍馬青年期の一コマでした。

辛口一つ
 一回目の、三菱(郵便汽船~)の創立記念パーティで岩崎弥太郎が、世間に忘れられた龍馬のことを聞かれ、悪口たたきながらも涙ににじんだ横顔のプロローグは秀逸でした。「さあ、ムーサよ、語ろう、龍馬伝を」の雰囲気があって、私は一気に引き込まれました。

 しかし二回目の今夜は、雰囲気が低調になりました。
 一番の原因は、時間配分だと思いました。NHK大河ドラマは長い行程ですから、いくつかの伏線がちりばめられて、それが徐々に開かれて、小爆発を起こし、やがて一気に天にまで火炎が登る、そういう「時間芸術」だと思ってきました。
 今夜のように45分間の中で、準備もなく差配役になり、村人たちの争乱に巻き込まれ、最後に雨中にどろんこになって「わしゃ、なにもわかっておらんぜよ。わしにはむりじゃ」とのたうち回り土嚢を一人で運び、気がついたら諍いをしていた農民たちが戻ってきて、「龍馬さんのためにもどったのじゃない。命がかかっている仕事じゃけん~」と、農民合奏・農労演的芝居になるのですから、いや、ちょっと(笑)。それに輪をかけてサウンドトラック的テーマが朗々と流れる、こりゃないぜよ!

 基本的に、わかっていても泣かせる場面(義理人情とか、復讐)なら、わずかな時間で盛り上げて、切り上げることも可能ですが、昨日まで次男坊カラスの居候が、「江戸へ行きたい」と言ったとたんに、兄上、父上さまから「堤防を作る差配役」をせよと迫られて、その訓練指導もないままに、あっという間に泥の中での土下座ですから、みている私は「定番カットをこなしているのかな」、と感じてしまいました。
 ただ。
 私は龍馬伝の主題は別にあり(それがなにかは、徐々にでてくることでしょう)、こういった青年期の出来事は、どんな大河ドラマでも辛くみてしまうので、やがて僻事言った本人も忘れてしまうことでしょう。

 龍馬が大きすぎて、分けのわからない青年だった、という印象はあまり残らなかったというのが、本音です。いまのところ福山龍馬さんは、ノリはよいですが、狂気は見せていませんね。
 父親が息子のことを、剣術師範に聞きますが、この答える師範の台詞がよかったです。なにかしら対話にずれがあって、「坂本龍馬は、いままでみたこともない弟子だ」という部分だけが明瞭に残りました。それにしても、龍馬の変さ加減は今ひとつ浅いです

甘口いくつか
 導入部のCGはよいですね。
 なによりも、主題歌がいいです。気に入りました。押井守監督のイノセンスを思い出しました。
 上士と百姓に挟まれた郷士・下士は、犬の糞と同じで役立たずという罵声が百姓から飛び出しました。リアルです。元・愛知県人(上士)は、土着・土佐侍を出来損ないの士分(下士)として温存し、百姓の怨嗟をかわしたのでしょうか? この上士下士対立構造は、先回に続きよくわかりました。

 福山雅治さんの着物が、雨と泥とでなめし革のように見えたのが「おお」と思いました。新しい上等なカメラを使っているようですが、私は主に遠景画面で、今までにないTVドラマを味わいました。つまり「映画」ですね。ということは、これまで私はTVドラマも映画も一緒くたに見てきた軽さに気づきました。たしかに「映画」は画面に奥行きがあります。そして「龍馬伝」も、ぐーんと奥行きのある映像です。これはすばらしい。

期待しましょう
 龍馬は結果だけを見ていると、信じられないほどの天才肌だしヒーローだし、超人です。
 しかしなぜ龍馬がそういう結果を今後もいろいろ出すのかという点で、今回の大河ドラマに期待が大きいです。
 龍馬は江戸千葉道場で、北辰一刀流の免許皆伝でした。彼がなぜそれほどの腕を上げたのかを、ドラマで納得できればよいのですが。転じて、ピストルを懐に忍ばせていたと聞きます。ピストルという飛び道具に対して、どういう考えで、剣からピストルに変えたのか、知りたいです。

 細部としてもっとも知りたいのは、一介の脱藩浪人が、幕末の諸侯や有名人(西郷さんとか、桂さん)とどうやって意志を疎通させていったのかです。
 ……
 器が大きく見えたのは事実でしょうが、それがどうやって如何に『龍馬』に変身していったのか? 小さな伏線がやがて爆発して、タツノオトシゴが昇竜に変じる、その積み重ねを今年の大河ドラマに期待したいです。 

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受信: 2010年1月11日 (月) 05時15分

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承前:NHK龍馬伝(02)大器晩成:泥と告白と江戸へ、江戸へ~ 気にして観ると  カメラですね。  光や埃や加尾の着物の柄も含めて、普通のTVドラマでは見られない映像美を味わいました。武知半平太が、(後の人斬り)以蔵をほめるのに「精進すれば龍馬を超える」と言った後、半平太が歩いているとカメラが斜めになって半平太の屈折した心境を表現しますね。龍馬が江戸へ昇竜したことへの、鬱勃とした心理、羨望と嫉妬を... [続きを読む]

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