昭和の鉄道模型をつくる(38)踏切・架線柱セット
38:部品と工作(踏切・架線柱セット→石畳道パーツ、柵パーツ)
架線柱や架線のないモデルを不完全と話されるベテランもおります。その方の図書・上下本を熱心に読んでいるときはそう思ったのですが、ジオラマを作っていると、なにかかんか引っかけたりぶつけたりすることが多い私には、そういう手間暇を掛けることが「無駄になるなぁ」と思う現実があります。
ところで、石畳も柵も大量なので、接着はすべて瞬間接着剤で済ませました。雑誌の説明では丁寧に両面テープで貼り付ける方法が書いてあったのですが、これも省略して、ぺたぺたと貼り付けた次第です。かれこれ1年前の付属品ですから、曲がっていたり、変色している石畳や柵が多くて、苦笑いしていました。なにかしら色合い、形、風情がでてきて「よかったなぁ」の気持でしたが。
38:鉄道模型の達人/関田克孝
私は小学生のころ、このOゲージ電車1両と電源と、半径1mくらいの小判形レールセットを持っていました。ジオラマという概念はなく、遊ぶ時は畳の上にレールをセットして、ブリキの電車を走らせていました。集電シューの形が、真鍮製で1㎝四方の四角いスプーンのような形状だったことも覚えています。三本目の集電レールに火花を散らして走る電関(電気機関車)の姿を、まざまざと思い出すことができます。
関田さんは、この昭和20年代の車両を数百両集められたようです。写真を見ると、当時のちょっと寸詰まりな、パンタグラフがヤケに大きな、色とりどりの車両がすぐに走り出しそうでした。記憶ではでっかいモータが付いていましたから、相当に重いはずです(Nゲージと比較して)。
記事紙面の車両の姿は、ナローに通じる可愛らしさが特徴的に見えました。特にカプラー(連結器)が精巧に出来ていると観察できました。実際に連結して走る姿を想像しましたが、コレクションが数百両もあると、完動・高速の車両もあるのだろうな、と写真に見入りました。
38:車両の製作(1)車両キットを組み立てる 1
一般の鉄道ファンには、列車に乗ったり、写したり、時刻表を見たり、音を採取したり、古い機関車を観察したりと様々な様式があり、乗り鉄とか撮り鉄とか言うようです。
また一般の鉄道模型ファンには、ただ走らせる、ジオラマ(レイアウト)を作る、車両を集める、車両を作る、ストラクチャ(家屋など構造物)を作る、……。と、様々な様式があるようです。
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私の場合はというと、「未来の鉄道図書館列車」というテーマのもとで、一定の地域の図書館群を面として扱うためにジオラマを作り、移動中読書、停車中読書を可能にするための「図書館列車」を、すでにあるモデルを改造して作る方法をとっております。特に「二階建てトロッコ図書館列車」に重点を置いています。
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そこで、車両を「改造」と「作る」とは似ているようですが、まるで異なることに気がついています。
今回の「車両キットを組み立てる 1」を読んでいると、「私にはできないなぁ」というため息ばかりが出ました。要するに非常に細かく丁寧な作業の連続なのです。「初心者にも簡単にできる」という雰囲気になっていますが、インレタ(インスタントレタリング:列車番号や行き先表示を、細密文字シールで貼り付ける手法)というのを以前試みたところ、ぐちゃぐちゃになってしまい、癇癪を起こしました(笑)。また、部品を切り出した後は色がはがれていますが、これを細筆で補修するという技術も、うまく行ったためしがありません。
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私の「改造」は屋根をひっぺがえしたり、色塗りもただ一色をスプレーでがしがし塗りつける、要するに叩きモデラーなので、今度の記事は、なかなか心身に染みいりませんでした。記事は分かりやすいです。ひとえに私に向かないこと、ということです。
38:昭和の『鉄道模型』をつくる
那覇~与那原、古波蔵~嘉手納、国場~糸満と、全長46.8kmに達した、ナローな鉄道だったわけです。資料は若干、与那原町立綱曳資料館に残っているとのこと。沖縄に鉄道があった! そういう想いを一杯にして記事を読みました。
参考:沖縄県営鉄道廃線跡を訪ねて
↑旧・沖縄県営鉄道・与那原駅舎のあったところ(現・JAおきなわ与那原支店)
38:未来の図書館、過去の図書館
過日TVの深夜(11時ころでした)で、国立国会図書館・長尾真館長が、二人の若いタレントに国会図書館の書庫を案内する番組を見ました。きっちりと自分のPCに保管したので、少なくとも私が存命中はいつでも自由にその番組を見ることができます。
長尾真館長の別の姿として、情報工学者としての長い研究歴を紹介した場面もありました。文字の自動認識が郵便番号読み取り装置につながったり、機械翻訳の研究が現代の自動翻訳の源流になっていることにあわせて、最後の総まとめとして「電子図書館」があげられていました。
さて、そこでいろいろなことを想像して、私は番組終了まで考え込んでいたのです。
厖大な地下書庫を案内しながら、背景で電子図書館のナレーションがながれ、長尾館長自身はディジタル情報を高速度で検索する話をされながら、書架の本を一冊一冊抜き取って、丁寧に眺めておられました。終始笑顔が絶えませんでした。
世相では、Googleなどが世界中の書籍をディジタル化し、巨大電子図書館を動かし始めています。このことは、日本の著作者達に波紋をもたらしました。長尾館長も国として、世界に散逸した日本の貴重な文献、書籍を集め、電子化する計画をもっていると話されていました。
国際的な情報工学者としての履歴と、国立国会図書館長という重責と、そして書架の図書を愛おしむように手に取ってを触れる姿と、そして若いタレント二人に笑顔を絶やさない姿と、……。
いま、鉄道図書館列車構想を考え、そのジオラマ・モデル作りに専念している私は、何らかの解をえることができました。実に単純なことです。
国立国会図書館は、米国の議会図書館(LC)と同じく、特殊な性質を持っています。
1.選書という概念が極めて少ない。
ポルノ、発禁本から、お笑い本、専門学術図書まで、およそこの日本に生まれた図書はすべて、悉皆収拾し、きっちりと未来永劫保管していく。日本の歴史の原典・資料データベースを日々構築していくのが、社会的使命。いや、人類史的使命なのです。
2.ディジタルか紙メディアなのかの二者択一はない。
図書が発行されるかぎり、その図書は博物館の史料と同じく、この世に姿をあらわした「物」なのです。それをディジタル化することは、また別の問題です。一般に、ディジタル化して中身をメディア変換したなら、元の「物」としての紙図書は廃棄するという考えがありますが、それには躊躇します。
3.ディジタル図書館と原典。
今後の未来の図書館では、個々図書館によっては紙図書を廃棄する方向もあり得るし、また最初からディジタルメディアとしての電子図書だけを扱う場合もあるでしょう。しかし、国立国会図書館が原典を廃棄する可能性はないでしょう。博物館が国宝をビデオに撮ったり、ディジタル映像として保管しても、その国宝を廃棄することが無いのと同じです。
4.紙図書・図書館。
この「二者択一はない」を、少し進めると、紙図書・図書館や、紙図書・鉄道図書館列車があってもおかしくはありません。いまどき、粘土板図書館や木簡図書館が復活する事はなくても、紙図書館が今後も存続することは充分あり得ます。紙メディアがすべて無くなった超未来なら、博物館的紙図書館が存在するでしょう。そして、その最大にして完全な図書館が、未来の国立国会図書館博物館の姿だと、想像しました。
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