小説木幡記:2009/12/26(土)高い高いの猫ハルキ:満一歳
猫ハルキ君が木幡に来て10ヶ月くらいになろうか。彼は昨年の今頃、12月上旬に誕生した。満一歳の誕生日に近所の犬猫医院に連れて行って健康診断をした。
猫ハルキ君はまだ若いから、鼻から胃カメラとかCTスキャンにMRI、諸々の治療薬など不要だった。
そういえば、余は夏には鼻から胃カメラ、冬にはCTスキャンと医療世界を騒がせておる。20年間くらいろくに医院通いもしたことがないので、最近は華々しい。主治医の先生は、余の性向・体質・遺伝質あれこれ観察しておるようだ。
それで、話は飛ぶが、一昨日近所の車屋さんからの帰り、キャンパスを歩いていて思わず自笑しまくった。
「余は40年間、自動車の点検だけは、うまずたゆまず飽きもせず、年に2回必ずディーラーに診てもらってきた。しかるに、余自身は中学校の時に虫垂炎(盲腸炎というておる)で一週間手術入院した以外、入院体験がない。ましてこの20年間、まともに医院へ足を運んだ覚えがない(歯科は別だな)。一体、自分の身体と自動車と、どっちが大事なんだぁ~それに猫ハルキ君、これから誕生日に必ず健康診断とは、豪華だなぁ、……」
「先生、つかぬことをうかがいますが、いつも患者さんが沢山来られますね。みなさん、病気が多いのでしょうか?」
「うふふ~」と、彼は不思議な笑みを浮かべた。
「あれだけ大勢の人が、薬をのまないとマズイというのが、信じられない。日本は病んでおるんでしょうか」
「いやいや、そうでもないです。ナイショですが、普通の腹くだしなら絶食。普通の風邪なんて、水飲んで寝ていたら治りますよ~」と、笑った。
「おお、やっぱり」
~
と、話しているうちに、両親の死亡時のことや、兄弟の遺伝体質について、話していた。最近の「先生」は、四方山話をしていても、ちゃんとキーボードで打ち込んでいた(まめだぁ)。
しまった!
猫ハルキ君の健康診断の話だった。
それが、「異常ありませんよ」ですんだ。体重や身長。ひとしきり猫ハルキ君を触診したり、耳穴を覗いたり、歯(牙)ぐきをひんむいたり、喉の奥にライトをあてたり。聴診器を使ったり。それはそれは特殊技能が満載だった。傍で見ていて堪能した。猫ちゃんは一般にプライドが高いから、マズイ扱いをすると引っかかれたり、肉球パンチをくらう。
先代のマタリン翁は、別の「動物のお医者さん」で若い女医さんに噛みついて血だらけにした。誤解されては困る、マタリン翁は実におとなしい猫君だった。彼が激怒憎悪して攻撃したのは、その女医さんが「猫の気持」を無視したからである。
で、今度猫ハルキ君は別のお医者さんにした。中年のオジサン医師で、手慣れていた。予防接種に最初行って以来、まるで猫玉演技のような診察だった。
それで。診察代。
おお。
国民猫健康保険無し、こんな額で、このお医者さん、やっていけるのだろうか。と、思うくらいに楽な出費だった。これなら、毎週通っても困らない~。
で、冒頭の写真は、実は知らない間に天井近くの高台に登って、探し回る余を上からじっと俯瞰していた時のものだ。狭い家だが、先代もハルキ君も、すぐに姿を見せなくなる。もちろん、十ヶ月にもなるのだから、大体はどこに隠れるかが分かってきたが、時々、本当に途方にくれることがある。「まさか、逃亡か?」と、胃が痛むほどだ。いつぞやは、テーブルの下に収めた椅子に寝ころんでいた。これが見つからないものなのだ。今度は、天井だった。
さて。
次はどこに隠れるのか? 猫ごっこも楽しみなものだ。
追伸
以前、倶楽部ご隠居さんの猫ちゃんが永眠したと耳にした。人間でいうと100歳くらいのはずだが、これからしばらく、そのご隠居さんの前では、猫ハルキ君の話を出来なくなる。合掌。
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コメント
先生こんばんは^^
はるき君お誕生日おめでとうございます♪ ずいぶん高いところにかくれんぼするのですね~
坂の上の雲はまだ余韻が残っています。先生の記事を拝見してまたすごいと思いました。先生の頭脳はどうなっているのですか。
本当に何度もお邪魔してお騒がせしました。申し訳ありません。
でも丁寧なお返事を書いてくださり感激しておりました。ありがとうございました。来年もまたお邪魔して良いでしょうか・・
投稿: yuyu | 2009年12月29日 (火) 01時01分
YuYuさん、お早う御座います。
京都、宇治でもそろそろ大晦日が近づいてきました。ものすご、寒いです。
さて、猫ハルキ君ですが、最初から家族として一緒にやっていけると感じましたが、一年近くたって、「当たり前」ともいうような、安心感に包まれています。先代もそうでしたが、猫運は良いようです。
おっしゃるように、猫ハルキ君は高所すきです。ハラハラすることも多いです。
坂の上の雲、第一部が終了してほっとしています。重い内容ですから、気になっていました。話のすべてが当時の国の命運に関わることですから、どれだけの皆さんが、そういうことをリアルに感じられたのか、つかみようが無かったのです。原作とドラマとは、人々の受け取る気持が違う物ですからね。
秋山兄弟、正岡兄妹と、よい役者が全五回、うまく見せてくれました。
……
MuBlogへのコメントは、どうぞお気持ち気楽にお越しください。人影もない寂れた庵ですが、来られると、ぱっと花が咲きまする~。
投稿: Mu→YuYu | 2009年12月29日 (火) 04時46分