小説木幡記:2009/11/03(火)文化の日・寒色の秋
文化の日の朝の非文化的な心の綾錦
午前五時起床、気分よろし。「今日は休みだ」と思った途端、全身に力がみなぎってきた。振り返れば、毎日が日曜日の生活なんだから、休日とか日曜とか言っても少しも変わりはないのだが、今朝は違った。そうだ、昨夜「明日は休むぞ」と心に誓って床にはいったから、その余波で今朝の脳が滑らかに回転し出したのだろう。
四条河原町の書店に出向いたり、京都駅八条口でPCパーツを眺めたり、寺町通で「鉄道模型」を眺めたり、京阪電車に乗って近所の山寺を撮しにいったり、……。ともかく葛野近くに立ち寄らなければ「終日休日」の雰囲気に包まれる。
ああ。
もちろん、そんなことは夢想であって、結局木幡でゴロゴロして、読書したり島図書館に紙粘土を練り込んだりして、夕風呂入って休日終了となるのだろう。多分午後あたりからは、葛野が恋しくなって、「明日は葛野じゃ」と心に留め置くにちがいない。葛野にいないと仕事ができず、その葛野に休日午後になると出掛けたくなるのは、これは仕事依存症なんだろう。
実は、
明日は葛野で重い会議があって、昨日月曜日はそのために数時間も、あれこれと調べ物、まとめ、会議、リハーサルをしておった。それに疲れ果てて、「文化の日こそ休暇にするぞ」と、息巻いておったふしがある。
自作PC
秋が深まるとともに所持金が減ってきて、PCを自作するゆとりなどどこにもないのだが、「葛野黒マシン2005」がそろそろ危なくなってきた。2005年、このころのHD容量は大体60GBのものが4台セットしてあって、いずれも残量が10%程度になってきておる。撮り貯めたビデオが全体を圧迫し出した。
その上、紺屋の白袴、なにをどのドライブに入れたかを探すのに手間がかかり、気のせいではなくアクセススピードもとろくさくなり、起動ドライブのHDはパンク寸前で、……。要するにちまちまと手を掛けるよりもマザーボードごと、いやいやCPUごと換装しなくてはならなくなった。あれこれ考えているまに、今どきのHDはテラ単位だろうから、あっさり4台のHDデータを3台のテラ単位RAIDで処理した方が、よかろうと夢想し始めた。
ソロバンをはじくと、高価なアクリルケースは自作も購入もやめて、最低限の鉄板ものにしたとしても現代標準高速仕様だと10万円はかかる。化粧ケースを木製にして、アクリル水性塗料でカシオペアの牽引車EF81のように塗り分けても良いが、これは無理無理だから、RAIDやビデオボードを諦めて並のインテルCPUにすれば5万円くらいに押さえられるが、あこがれの超ドキュウ・ビデオボードを諦めるのはうむむのむ。
ここのところは宗旨替えして在庫一掃処分の2万円程度のネットPCを買った方が賢い買い物かな? などど、心にもない心に自らを欺き、夢想し始めた。
一番の問題はネット接続が実に不安定で、一旦電源を切ると、次に起動しても大抵数回は「ネットに接続できません」表示がでてくることだ。そういえば、近頃の無線LANは100MBPS程度の速度は出そうだから、まっさらでそうしてもよかろうが、また資金不足に直面する。
とつおいつよくよく考えると結局今秋は、自作PCを諦めた方がよいのだろうか。
あるいはPCもどきの携帯に変えた方が安く上がるのか。
あるいは、PC世界にサヨナラするのが人生か。
悩みは深まるばかり秋の朝。
マンガ話
数日前に、森薫さんのマンガ「乙嫁語り」の一巻目を読んだ。独特の異世界雰囲気に堪能。舞台はユーラシア、カスピ海近くの村、……。日本の漫画はよいねぇ。
同時に島田荘司さんの小説「龍臥亭幻想」上下も無事完読。死人が鎧兜で雪の中を歩き正義の一剣を振るうなんて、やっぱり岡山県・山人はすごいなぁ。いやいや作者の力業にも感心。
昨夕葛野で三番隊長と授業構成を相談していたら、初代三番隊長がきてくれた。手みやげに盛りだくさんのマンガを2冊ずつ5種類。
「なんで、2冊ずつなんだね?」
「いえいえ、先生にもお好みがあろうかと~」
で、余はさっそく読書順を言ってみたら、初代もまったく「そうなるでしょうね」と予測していたとのこと。やはり、こういう世界は以心伝心、理屈じゃないなぁ。
で、余のマンガ読み順番をメモしておく。
1.屍鬼
2.鋼の錬金術師
3.Dの魔王
4.チェーザレ(ボルジアだね。重いので葛野に置いてきた)
5.忘れた(重いので葛野大学に置いてきた)
余もお礼に、「アキラ」大型判の数冊、「沈黙の艦隊」を5冊、下げ渡した(とは言葉の綾で、返してもらう!)。
そうそう、いま手元においてぱらぱら眺めていて思った。作画からすると、Dの魔王がすっきりしていて読みやすそう。鋼はちょっと少年漫画的、屍鬼は少女漫画的。しかし読んでみないと分からぬ。あはは、当たり前か。
ところでTVドラマ。
日曜、Jin仁、またもみて感動の嵐。このドラマ、余程気に入る要素が多い。音楽だが、毎週だとそのうち飽きるかも知れないが、ものすご良い。また、望遠で遠くに主役級が映り、手前をぼけた映像で人が通り過ぎる。この人は一瞬飛脚かなと思った。飛脚だと、タイムパトロールと相場が決まっておるので、仁や龍馬を監視している者が時々画面を横切る趣向になり、もしそうなら、表現が上々。いや、もしかして龍馬が超未来から江戸に降り立った時間監視員なのか、……。
吉原の花魁(おいらん)が綺麗に見えた。ふむふむ。ドラマ中の話では、花魁はすべての男性がひれ伏す菩薩様扱いされていたようだ。花魁を調査している学生達の発表が先週あった。その時の話では、当時の花魁級とお付き合いすると(一応、祝言があるらしい)、あうたびに150万円くらいの出費らしい。それだけ貢いでも、あっけなく振られるとのこと。傾城(けいせい)という言葉があるが、城がかたむくほどの女性が、有史以来存在していた。もちろん傾城の意味には金がかかるというよりも、男性が魂を抜かれてしまって、国政も経営も立ちゆかなくなる世界を指す。いやはや、恐ろしい。
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