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2009年10月26日 (月)

小説木幡記:2009/10/26(月):仁Jin的点滴作法

 日曜の夜9時、宇治では4ch(毎日TV)で江戸の脳外科医をまた見た。面白かった。
 ただ、しょっちゅう泣き顔を見せるのが嫌だった。特に男子の泣き顔は全編全シリーズとおして最後に一回か最初に一回でよいだろう。
 なぜ泣き顔になるのは分かるようだ分からない(笑)。あっさりと、江戸に飛ばされた事実を把握して、その時代に住み着けばよいことだ。たとえ助けられなかった恋人を思い出しても、泣くことはない。

 もう一つ唐突だったのは、一度は馬に頭を蹴られて死にかけた女を治療し、治したわけだが、その息子のコレラを治療してほっとしたとたんに、女が「辻切り」にあって死亡したという唐突さだ。死んだはずの女を助けたが、その穴埋めを歴史はした。つまり、歴史は改変を正常に戻すために、また女を殺したと。

 外科医は「歴史を変えること」を最初極端に恐れていた。だから自分の持っている医学技術を素直に使おうともしなかった。死ぬべきものを助けると未来に影響を与え、まわりまわって自分すら存在しなくなる、そういう恐怖、あるいは未来への責任感からの態度だ。まして歴史をうごかした坂本龍馬とも知り合いになってしまった。大坂に洪庵塾をひらいた医師・緒方洪庵とも懇意になってしまった、……。

 このタイムパラドックス。
 自分の親を、昔にもどって殺したなら、自分は生まれないというパラドックスに脳外科医・仁は恐怖した。しかし心配しなくても、余程酷い歴史改変にはちゃんとタイムパトロールが巡回していて、止めたり、改変しようとする者を末梢したりしてくれるから、仁は心配しなくてもよいのにな(笑)。それと、仁が思ったように、歴史の強烈な自己補修機能によって、少々のことを過去でしでかしても、ちゃんと補正されるものだ。

 いや、こうして書いているとドラマの悪口じみてきたが、事実は全く異なる。一時間があっという間に過ぎてしまった。画面に食い付いていた。その前にNHK天地人をみているのに、ドラマの二本立てをあっさり見てしまうほど、今秋の余は強靱になっている。
 いやはや、Jin仁がおもしろいからだ。

 みどころは。
 蘭学によって長崎にもたらされたゴム管と、飾り職人の手になる注射針(中が空洞になった針)、適当な硝子容器を用意することで、江戸時代に点滴をもたらしたのは圧巻だった。まるでカラクリ世界だった。点滴の挿絵を描いただけで洪庵は原理を理解し、職人はそれを造ってくれた。江戸は文明国だったのだ。
 明日から余も点滴を使えるようになった気分。点滴の神様だなぁ。

 この夜も内野さんの龍馬には本当に感心した。まるで小汚い土佐っぽ脱藩浪人。肥桶を両天秤で肩にしたスタイルは圧倒的にお似合いだった。
 それから、手伝ってくれる綺麗な娘さんの母上が面白かった。武家の面目を一身に表した母親(義母・後妻の継母?風)の姿がよく現れていた。

 そうそう、仁さんは頭の後ろで髷を結ったが、なんとなく散切り頭にみえて、明治の壮志風になってきた。このまま幕末にいたり、明治に入って森鴎外や漱石と出くわしたら、おもしろいだろうに。ただ、原作マンガがあるので、その枠を越えることはないだろう。もちろん原作を読む気はしない。そりゃドラマのネタバレになってしまうから、興を削がれる脳。

 また来週も観てみよう。

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