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2009年10月24日 (土)

小説木幡記:2009/10/24(土)EF81:カシオペアの改造:急カーブ対応

 今夜は思い立って、久しぶりに鉄道模型の細かな記事をメモしてみた。数週間前に、手すさびにNゲージ模型電気機関車の台車を削って、半径14cmの急カーブ、急坂を無事走らせることができた。今後も応用可能なので記録した。

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↑客車:ソロネE27形 電気機関車:EF81形カシオペア (TOMIX)

 この「島図書館(未完成)」を登るカシオペアは、動力台車を改造するまでは、半径17cmの外周でも走行がギリギリで、この半径14cmループに入った途端に脱線していた。車体が長いのと、台車の稼働範囲が狭いことによって、まず絶対に無理なレールレイアウトだったからである。
 普通には、半径28cm以上の大きなジオラマで、長編成の走行を楽しむ列車だと思う。
 世間にも、おそらくEF81クラスをTOMIX のミニカーブレールで走らそうとする素っ頓狂な人は居ないだろう。しかし、余はなんとしても走らせたかった。
 その上、色違いのEF81:トワイライトエクスプレスも別に持っていたので、島図書館をこれらの寝台特急が走らないと、計画自体が中途半端なものになる。

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↑客車:スロネE27形、カハフE26形 (TOMIX)

 島図書館は、完成前に計画要点を記すのは躊躇するが、実は島が空洞になっていて、その中をループで港から頂上まで周遊する事になっている。しかも大きさは60x65㎝の小ぶりなジオラマである。
 写真は、空洞内での急カーブ(半径14cm)を連結するカシオペア客車の極端な走りを写したものである。これを見て顔をしかめる人は多くても(醜い走り! と)、余はあえてこういう設計をした。

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↑動力台車 0598 失敗例 

 まず失敗例を記しておく。改造箇所は、2つになる。
 一つは「失敗例」として示した動力台車が列車に接合される上部である。矢印部分が「ひっかけ」になって台車が車体にはめ込まれ、回転し、車輪をギヤで回す。この引っかけの切り込みを深くし過ぎて、台車と車体を接合させることが出来なくなった。慌てて削りかすをひろって瞬間接着剤で形を整えたが、おそらくコンマ数㎜の違いで、スポンと抜けてしまった。
 仕方なく余は、通信販売で台車を2つ注文した。予備を入れて送料送金代を合計すると2千円弱になり、高い買い物になった。
 もう一つの改造箇所は、台車の四隅を削ることだった。これはうまくいった。削ると言っても慎重にニッパーで約0.5mm程度ハツルに留めた。

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↑動力台車 0598 成功例 

 無事成功した方の動力台車(TOMIXの0598)である。カシオペアとトワイライトエクスプレスの2台のEF81で、合計4つの台車を改造し、そのうち一台は失敗した。しかし、二種の豪華寝台特急は無事「島図書館」の全線を走行するようになった。実に喜ばしい。

道具
 小型のニッパーだけ。ニッパーは、使い込むと、あらゆるプラスティックの車体を切断するのに最適の道具だと思った。もちろん、集電シューのような薄い金属なら、紙の様に良く切れる。ただし、こういうNゲージの台車部分を削るのは、慌ててはならない。1mm以下の塩梅で削らないと、機能しなくなる(笑)。

改造趣旨
 まず、なぜ20m級の電気機関車が半径14cmで走るのを可能と判断したか。
 第一にTOMIXの製品は、ミニカーブレールを製造販売しているせいか、比較的急な半径でも走る素質を持っている。だから、ほんの少し削るだけでスムーズに通過するようになる。
 第二に、EFのFとは車軸が6軸の意味だが、冒頭写真では4軸になっている。これは車体中央にある2軸台車を取り外したからだ。これがポイント通過時に脱線のもととなるので外した。つまり、急カーブ急坂には、遊輪は外した方がよい。極端な場合、小型のDE10なら、3軸台車の1軸を切り取った経験もある。車軸は少ない方が抵抗無く走る。

 これらの改造は、写実性を求める人には暴挙と思えようが、余には余の考えがある。つまり、走らないことには困るからだ。なんとしても、醜くなろうが、リアリティを損ねようが、自分の設計施工したジオラマで、必要な車両を走らせてみせる! という気持の前では、少々の暴挙は厭わない。

島図書館
 まだまだ未完成、発泡スチロールの素肌のままだ。
 しかし、走行については、3重・自動往復運転も含めて、ほぼ完了している。EH500、EF81という大きめの機関車が港から頂上まで往復できるので、これ以上他の列車をテストすることはない。KATO社の車両については、もともと急カーブに対応していないので、諦めている。最近は、マイクロエースの満鉄あじあ号(パシナ)をテストしたが、これは機関車も客車も脱線した。客車にいたっては3軸ボギー台車で25m級なのだから、これを半径14cmで走らせるのは、無理というものだ。

 島図書館という、一種の山岳列車ジオラマで、わざわざ豪華寝台特急を「図書館列車」としてモデル化する最大の理由は、実車台車の高性能に引かれてである。ゆれも振動も騒音も、一般車両に比べると低く、また二階建ても含めて設備が整っているので改造部分が少なくなる。
 もちろん他のジオラマを走るHOゲージの試行錯誤では、古い車掌車などを改造して、半分トロッコの様な図書館列車を模索しているが、それはそれとして別の用途を考えている。
 つまり、密室性の高い静音タイプの現代客車+開放性の高いトロッコ客車、このコンビネーションで図書館列車・概念上の壁を越えようと考えている。

 ということで、早く島図書館を完成したいと、心が焦る秋の夜長だった。

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