小説木幡記:2009/09/03(木)お題のつけようもない平穏な一日
1.朝、昼、夜と合計30分間、電車を走らせた。そのうち昼の10分はHOゲージ車両に、サロ124図書館列車を引かせた。車両が重く、固定していないレールが湾曲していた。走るたんびに、下地に上乗せした5mm厚の固いスチロールがみしみしと音を立てていた。
2.食欲が朝から昼、まったくなくて、朝は5mm厚の薄いトーストにバターと蜂蜜をつけて、嘘珈琲に浸してふやかせて少し口にした。5ヶ入りのカステラを買って登校し、午前中に二つ、午後に一つ、屯所にきた幹部3人にプレゼントした。残りの1個は昼過ぎ、最後の1個は夕方に、余が食した。そうそう、遅い昼食はコンビニのソーメンにした。アーメン、ソーメン、冷やソーメンなどと幼児期の流行り文句でリズムをとって、大半食べた。ソーメンは食欲不振でも食べられると知った。
3.夏期論文は、上等に進んだ。特に夕方からの2時間は気合いが入った。それでも終日かけて、原稿枚数でいうと3枚程度だな。ものすごく時間がかかる。考えながらするのは、余程時間がないと無理だな。たとえば、{奥の細道、古今集}と、こういうクラスター(つまり、かたまり)があったとする。何故、両者が深い関係をもつのかは、古典に通暁した人でないと、分からない。分からないことを、なんとか分かろうとするから、またまた胃が痛くなって、ソファに横臥して目をつぶって、芭蕉さんになって、考える。む、むつかしいのう。
4.PCの前でクラスター図を操作していても、ときどき、読みかけの長編小説や、書きかけの長編小説のことが、頭を過(よ)ぎる。だが、この二週間ほどは、覚悟して諦めて、考えないように、想像しないようにしている。しかし気を許すと気持がそちらへ行ってしまう。人とは不安定で、勝手な者じゃ。
5.最後の最後、後始末をすべて終えて、帽子までかぶった上で、やおら発泡スチロールのままの邪馬台国周遊図書館ジオラマの前にすわった。EH500が引く20m級二階建ての3両編成を3回周遊させた。ポイントは操作しなかった。帰り際に急坂で脱線すると、気分が墜ちる。すっとして、消灯して部屋をでた。8時前に木幡に着いた。
6.もう夜の10時をすぎた。帰還してご飯をたべて、ずっと部屋を暗くして、瞑想していた。気持がよい。人は、軽く疲労したまま、ぼんやりしているのが、至福なんだとこのごろ思ってきた。2時間くらい、暗黒世界にたゆたうのだから、余は光の国の者ではなく、闇の住人なんだろう。それでよい。
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