小説木幡記:2009/07/17(金)季節は夏
昨日の朝だったか、天気予報では夕方に雨とあったが、それでも午前六時過ぎの宇治や京都は夏の明るさと風の心地よさを味わえた。夏の音とか、匂い、風のそよぎ、春秋や冬とは違った「夏」だけの味がある。
余は四季が好きなのだ。どれがと考えても、四季折々に季節の匂いと風と音と、気温と湿度の複合した空気で、好きが決まる。そう、昨日の朝は「夏」が一番好ましかった。
余自身はあまり汗をかかない体質だから、夏が過ごしやすいのだろう。
弱いのは体温や湿度の激変だと、分かっている。それすらも、周りが牧歌的に動いているときは、なんともない。
というわけで、今さらながらの四季賛歌。
「夏」はよろしいなぁ。
1.今朝の早朝勤行
午前4時前から7時までの3時間、3週間ぶりに日曜作家を再開した。わずかに原稿用紙6枚程度だが、書けた。大体30分おきに消灯して横臥した。やはり脳を使っているようだ。一時間おきに冷たいお茶を飲んだ。疲れるようだ。
忙しくても、疲れても、本当の一番のストレスは書けないことだと気がついた。「6枚、よう書けた。今日はこれでよかろう」とキーボードから手を下ろしたとき、みるみる充実感が涌き出てきた。
預金通帳を眺める気分で(通帳は残高マイナスじゃがね)枚数をみたところ、405枚になっていた。ふう。塵も積もればなんとやら。あと300~400枚を書いたら、一旦忘れよう。
湖底宮。
一番しんどい作品になりそうだ。なかなかイメージ全体が湧かない。それでも、今日は昼下がりの百万遍大学・時計台の下で小泉佐保君が男四人に誘拐された場面を、わくわくしながら書き終えた(笑)。余自身が、はらはらしだした。一体、どうなるのやろか。心配だ。
2.芭蕉さん~
何時間か時間が空いた。デッドタイムという言葉は聞かぬから、無駄時間とでもいうのか。
気がついたら、KT2システムを動かし、用語とテキスト出現位置のクロス表を作っていた。
今回は概略をみるための一章に相当する部分なので、用語群を大分類項目のもとにグループ化して、グループとしての、テキスト内出現を地図化するわけだ。
うむ。
システム自体は、Delphi だから速い。マシンはもう耐用年数をすぎた黒マシンじゃが、それでも速い。遅いのは、用語をグループにする手技だった。どうしても迷いが生じる。たとえばある種の用語群を、大分類として俳諧用語と和歌用語に当初は分けていたが、これが保田のテキストでは分離することが難しいと分かった。結局やりなおして、あらたに「俳諧和歌」用語群を作って再編成したわけだ。
うむ、結果は悪くはなかった。
しかし、和歌としての、もののあわれとか寂寥感なんかは長い人生でそれなりに体感してきたが、俳諧の{にほひ、しをり、うつり、ひびき}などとくると、ようわからぬ(笑)。若い頃にもっと勉強しておくべきやったなぁ。
文学は難しいぃ。
気がつくと夕方になっていて、疲れたので横臥した。
3.テーブルサイズのNゲージレイアウト/諸星昭弘(NHK出版)
横臥して手を頭にのばすと、図書が引っかかった。
以前入手した図書だが、おいておいた。ここしばらくは大きいタイプ(HOゲージ)に気持が向いていたので、「N」と付く図書に手を出さなくなったからだ。
なんのきなしに読み出した。情景模型の考え方や、ストーリーについて丁寧に書いてあった。どんどん読み込んでしまった。現実世界の一部を切り出して、その特徴に注目して表現しなおすのが「レイアウト」(余の申すジオラマ)のデザインらしい。
ふむ、と納得した。
それと、基本的な、遠近感を出す手法。また、混沌とした風景に重心を定める手法。まるで入門、初心者対象のふりをして、ものすごく深遠な世界創造の極意がさらりと書いてあった。
とは言っても、木幡研の「島図書館」ジオラマは、もう直しようがない。困ったことじゃ。悪手を積み重ねてしもうたわい。
4.なにかと採点、校務あれこれ、他
メディア論の採点をようやく終えた。さっき眺めていたら、7篇ほどがとても面白くて、為になる内容なので、秀をつけた。最近は優(80点台)の上に秀(90点台)があるようなので、それに該当する結果があってよかった。
PC関係の部屋の利用で、他の先生に問い合わせして、結果を事務書類に反映した。もう一度チェックして送ろう。
近頃、南満州鉄道の「あじあ号」が気になってならぬ。1930年代の特急列車。ふむふむ。
(ついでに、マイクロエース社が、パシナ列車(あじあ号の代名詞)を今秋に製品化するようだ。困った)
あじあ号に図書室があったかどうか、まだ判然とせぬが、これはお楽しみ。
おお、日も暮れた。眠るとするか。また明日。
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