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2009年6月25日 (木)

小説木幡記:2009/06/25(木)瞑想と回復

 MuBlog読者の一部はすでにご承知のように、著者Muは相当に、名うての引き籠もり症で、会議や講義や講演など、人前に長時間滞在すると、神経がぼろぼろになって、俳人じゃなかった廃人同様になってしまう。これはもう幼児期いらいの筋金入りの質(たち)で治る見込みもないし、十代末からは「治してなんかやるものか」とうそぶくほどの神経過敏症であった。

 だから通常は、葛野に居るときは何か終わった後は必ずソファに倒れ込み、瞑想にふける。ただし電気を消すこともいとわしくそのまま目を閉じて(そうすると相対的に暗くなる、笑)30分ほど横臥して、元に戻る。で、一日終わった後(平均して12時間+2時間通勤時間)木幡にもどると、まずクーラーを付けて(初夏だから)、電気を消して(長い紐がつけてあるので寝たまま消灯できる)、約1時間真っ暗な部屋の中で眠るともなく半睡状態にまどろむ。それで外界の夕闇と脳内とが均質になったとき、やっと立ち上がる。

 さて、暗所横臥外界内界均質化以外に、ここ数ヶ月無意識に使ってきた回復療法を、今日は意識したので記しておく。
 葛野でも木幡でも最良の走行性能を見せる列車を単行ないしせいぜい二両編成で、ゆるゆると走らせる。最初は図書館列車や宇治川周遊図書館ジオラマや、あるいは模型の精密さに気が向いているが、20分ほど経過すると、ただただ見つめたままになる。いつのまにか脳内のスパークが衰えて、そのゆるゆると走る列車と同期を保っている。つまり、ここでもまた外界と内界とが相互に歩み寄り、外界内界の区別を消してくれる。

 余にとっては、図書館列車の走行を見つめるのは、実は、暗室安静状態と同じ作用をもたらしてくれるものと、意識して理解した。この理由は、実は良く分からない。しかし下手な信心や薬物療法やリクレーションや気晴らしや酩酊に比べると、実に効果が大きい。皆の衆もためしてみてはどうじゃろう()。

注記
 暗所安静については、温度調整の出来る部屋が効果は大きい。
 最良の走行性能とは、高速を意味しない。圧倒的なトルクで低速静音走行を確実に果たす車両で、Nゲージの場合なら、TOMIXのED79-100ないし同系列のED79-0が、そのフライホイール機能といい、静音高トルクといい、出色の電気機関車である。同社他社の幾つかの牽引車と比較しても、比較にならない。芸術的走行である。

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