« 小説葛野記:2009/05/02(土)無人キャンパス仕事三昧(苦笑) | トップページ | 小説木幡記:2009/05/04(月)松尾芭蕉、読書記 »

2009年5月 3日 (日)

NHK天地人(18)魚津城の攻防

承前:NHK天地人(17)直江兼続は戦国婿養子


大きな地図で見る
地図:魚津城跡

1.今夜の見どころ
 魚津城での攻防戦、俯瞰で撮したのが良かったです。CGとは思いますが、全体が見えると分かりやすかったです。これまで(私の昔からのドラマ、小説歴)は大抵、京都から北にむかっての戦いばかりをみてきたので、つまり殆どのドラマでは織田軍の柴田側からみていたので、越後から見た攻防戦が分からなかったわけです。

2.リアルに思えたこと
 与板の妻・お船から、兼続に直江家伝来の短刀とお船の髪一握りが送られてきました。で、その時運んできた武者のセリフで、騎馬が35、徒(かち)が30を<奥方様からつけられた>というセリフでした。直江家のしかるべき家臣が一族郎党を引き連れてきたわけですが、その数があわせて60~70名というところに、当時戦国の実情を知りました。
 上杉景勝にももちろん親衛隊がいたわけですが、各武将が一族と家来たちをよりあつめてきて、戦が行われたことがよく分かりました。

3.意外な魚津城への潜入
 二千程度の城兵を、織田軍1萬5千が取り巻いていたわけです。兼続が春日山城で<降伏勧告使者には私が行く>と言ったとき、その潜入方法を怪しみましたが、やはり海でした。そして先程地図を見て愕然。城は海から現在でも300mほどの所だったのです(富山湾が動いていない限り)。景勝らが春日山城からたどりついた天神山は、その海岸から東(やや北より)4km地点です。間に北陸自動車道が走っていました。
 この潜入は、地の利を活かしているので、現実的に思えました。

4.家老・直江兼続の作戦
 景勝が軍を魚津に進軍させ、一旦春日山城を空にして魚津城を助けるとみせかけ、織田軍の信濃からの侵入をおびき寄せ、間髪を入れず引き返しこれを叩く。

 この間、魚津城落城は必定。捨て石とする。
 関東からの侵入は三国峠、山岳地帯の地の利で時を稼ぐ。
 油断した信濃からの侵入者(滝川一益)を叩くことで、戦局を一挙に挽回する。
 ~
 と、セリフからだけの情報で聞き間違いがあるかも知れませんが、おおよそ以上だったと思います。
 (注記:NHKの解説では「関東からは滝川一益、信濃からは森長可(もりながよし)の軍勢が春日山城をねらっている。そんな中、信長は柴田勝家ら有力な武将を配して越中の魚津城攻めを開始した。」とあったので、私の<信濃からの侵入者(滝川一益)>は、誤りのようです。古い時代のことは難しいですね)

 さて。
 本能寺の変が来週なかったなら、この作戦は成功したかどうか。考えてみました。
 信濃からの侵入をうち叩いても、魚津城を陥落させた柴田勝家が血に酔って北陸道を進軍してくることでしょう。すると兼続らは戻って春日山城に籠城せざるをえません。

 もしも謙信公以来、越後に水軍があったなら、春日山城から海岸までに防波堤(人垣も)で退路を確保し、海にでる。景勝一人なら蝦夷とか西国に逃亡する策もありますが、それよりも一挙に敦賀へ水軍を進め、そこから琵琶湖を南下してついには安土城を落とす策が残っています。
 しかし、上杉謙信公は大規模な水軍を作った形跡がないので、これはボツ。
 来週を楽しみに見てみましょう。

5.不満
 直江兼続さんの泣き顔はみたくないですね。泣き虫キャラを現代に活かそうとしているのかも知れませんが、戦を描く限り、智将としてのイメージなら、戦いが総て終わって回想したとき号泣するくらいでよいのですが。あいにく、私は演出を任されていませんので、あはは。

|

« 小説葛野記:2009/05/02(土)無人キャンパス仕事三昧(苦笑) | トップページ | 小説木幡記:2009/05/04(月)松尾芭蕉、読書記 »

NHK天地人」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: NHK天地人(18)魚津城の攻防:

» NHK天地人(19)敵は本能寺、是非もなし [MuBlog]
承前:NHK天地人(18)魚津城の攻防 決めセリフ Ⅰ.明智光秀の<敵は本能寺にあり>  このセリフはあらゆるドラマ「本能寺の変」で私が意識してきた言葉です。今夜の鶴見辰吾さんの光秀は重みがあって良かったです。光秀がこう言ったかどうかの信憑性は、おそらく亀岡か桂あたりで麾下の将兵にゲチしたとき、沢山の人達が耳にしたことでしょうから、で、なんとなく本当らしく思えます。  後世この言葉を発する時は、謀... [続きを読む]

受信: 2009年5月10日 (日) 21時49分

« 小説葛野記:2009/05/02(土)無人キャンパス仕事三昧(苦笑) | トップページ | 小説木幡記:2009/05/04(月)松尾芭蕉、読書記 »