小説木幡記:2009/05/19(火)一日の会話量
夕食後右膝が疼いたので鎮痛剤を飲んで横臥していた。2時間ほど経ったとき、痛みが取れていたのを忘れていた。
そういえば昨日木幡記を休んだので、睡眠儀式として今日の日々を記しておこう。
日記などだれも読む者はおらぬだろうから、赤裸々な真実を記しておこう。
ところで高校の国語の時間に、「平野」をまずタイラノと読み、くすくす笑いに焦って次に「ヒラノ」と読んでさらに哄笑がたかまり、ついにやっとヘイヤと読み切った話は以前、したかなぁ? 実は、赤裸々も、最初はずっとアカハダカ・ハダカと読んでおった。だから余はマスコミや世間の人のようには、今の宰相をおかしいとは思わぬ。そしてまた人名は100%に近く別名で呼んでおった。たとえば吉本隆明は、未来永劫リュウメイだな。川端康成はどうしてもコウゼイとなる。友達に正史(まさし)がいたが、常に「セイシ」としか呼ばなかった。そうだ、城とかいて「せい」と呼ぶようだが、余はいまだに「ジョー」としか読まない。
長い挿話となった。
今朝は四時に起きて、3時間日曜作家になった。先回は、百万遍中央図書館のレファレンスルームで、長田(おさだ)君と小泉佐保と小沢トモコがやっきになって琵琶湖の怪異をしらべておった。今朝は、佐保君が上司の柿元係長から無理難題、課題をいくつもふっかけられて青息吐息になっておった。その前は、Mofu君が決死の逃避行をしておった。まことに、物語世界はお金もかからず楽しいものだ。本代、映画代、交通費一切かからぬ。
と、ここらで日記のネタは終わってしまう。少し短い。
次に、
1.往き帰り警備のオジサンに挨拶した。「おはよう」「さようなら」あわせて3秒程度だな。
2.朝、秘書室で2名の秘書さんに挨拶した。「インフルエンザがいよいよですねぇ」
「お元気そうでなにより」
「……」あわせて1分か。
3.昼に屯所によって局長と副長の顔をみた。
「局長、おったのかぁ」「副長、またあったなぁ。毎日だぁ~」「屯所に客が少ないな」
「さっきまでおりましたよ」
あわせて5分か。
4.「局長、Lostの話でも聞かせてくれ」
「はい」
「男性では誰が好きだ?」「ええ、最近はソーヤー」「ほぉ、あの嘘つきイケメンがすきなんか」
「女性では?」「ジュリエット」「ああ、不妊研究者じゃな。余も好きじゃ」
「センセの好きな男性は?」「ベン、ベンジャミン、大嘘つきのベンじゃね」
「……、嫌いな女性は?」「ケイト」「同じです」
「……」Lostのネタバレなしで、あわせて10分。
5.秘書室は早く閉まるので、夕方郵便を見に行った。三人おった。
「大阪は蔓延。君は、高槻か? 茨木か?」「はあ」
「君は、安全、滋賀県かな?」「わかりませんよぉ、滋賀県も」
「君こそ、京都市内。まだ、大丈夫」「はい」
などとインフルエンザでもちきり。
あわせて4分か。
6.エレベータで女性教授。
「センセ、まだ痛いのですか?」「ぼちぼちです」
「授業もないのでしょう? お休みになったらよかったのに」「はあ。お互い死なぬ程度に働かないと」
「ええ? 長生きされたいのですか?」「はい、百まで」
これで、10秒。
7.エレベータで男性教授。
「お互いに」と、余は先輩教授に挨拶。
「いやぁ~、そのうちお話しましょう」「そうですね。パッと明るくなるような」
これも、10秒。
8.帰路バス停で女性教授。
「Mu先生は電車でお帰りですか?」
「いや。でも、はい、歩く練習、リハビリです」
「はやく、元気になってくださいな」
「いや、それほどでも(?)」
これも、20秒
9.帰路、後ろから自転車の学生。
「センセィ、お体!」
「君こそ、就活どうじゃね」
「三次面接で、落ちました」
「ほうかい。今年は倍して難しいよな。ま、よかろう」
「ええ、婚渇(活のまちがいか?)に走る手も残しておきまする」
これで2分かな。
10.この時、うしろに気配。
一人は教え子、ひとりは回り回って知らぬでもない学生。
「よお。よお。なにより」(会話って、ものすごい文脈場依存ですなぁ)
「はい」「ええ」と、同時発声を聞く。
これで10秒かな。
11.木幡研
「うまいなぁ、このトマト豚肉いため」
「……」「……」
これで30分か。
と、本日の発話というか会話は、合計で3173秒→53分。
一日を53分で過ごす低燃費男、だなんて。
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