小説木幡記(追伸):2009/05/16(土)五月の猫ハルキ
ハルキ君も随分大きくなった。最近は、来たときに比べてよく眠るようになった。おそらく木幡研の居心地のよさを味わい、所員達の人柄にもふれて、警戒感が薄れてきたのだろう。
そういえば、兄の故・またりん翁も十数年の間、ずっと寝てばかりおった。しかも、写真のソファと人形と熊と羊が彼の晩年の友だった。春ちゃんはそれをしってか知らずか、「羊」を特に愛好しておるようだ。猫族の継承は、あるのだろう。
メモとして。
彼がときどき押し込まれる、お仕置き部屋とか、拷問部屋とか、座敷牢という名称はこのごろ極力春ちゃんの前では使わないようにしておる。彼は、確実に人間語を理解している兆候がある。単に「お部屋」と、言い換えだした。
その座敷牢じゃが、春ちゃんは100%確実に電灯の消灯を自分で任意に操作しておる。恐るべきかな。気分によって、点いたり消えたりしておる。
で、余はこのごろ言葉を教え込むようにしておる。国語教育こそ知能ある万物の根源と考えておるのでな。これも「またりん翁」に似て、ときどき池をながめておるので、「鳥」とか「虫」とか、「池」と指さして教えだした。すべてにたいして、「にゃお」としか答えぬが、分かった目をしだした。
余は嫌われておるのか好かれておるのか、春ちゃんが気まぐれなのか、この頃分からぬ。所員達が部屋にいるときは、手をかざしただけで身をすくませる。抱き上げると、まるで拷問されているような深刻な目をし、身体を硬直させる。しかるに、だれもいないときは余の膝にぽんと載って、濡れた鼻先を余の手足や顔や鼻に押しつけてくる。
猫の気持は分からぬことも多い、のう。
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コメント
ノルウエーの森の猫
随分とくつろいでる猫ちゃんですね。先日、本棚を眺めていたら、娘が昔読んだ本で『ノルウエーの森の猫』小手鞠るい(こでまりるい)さんのエッセーがありました。
彼女は猫とハワイ生まれの旦那と暮らすアメリカ生活を描いていました。あれ、この猫はMuさんのハルキと同じ猫じゃないかと、興味があり読んでしまいました。
投稿: jo | 2009年5月19日 (火) 06時28分
おはようJoさん、ご無沙汰しています。
へろへろで毎日葛野へ行っております。
Joさんは元気いっぱいで早稲田ですかい?
さてうちのノルウェーの森猫(NFC!)ハルキ君は、このごろ咬みますね。甘咬みじゃなくて本咬みです。それも執拗に咬みます。まだ大丈夫だけど、来年10キロ近くになって、うしろから頸筋がぶりと想像すると、命がけになりまする。
まあ、季節柄とは思っています。普段は緊張感ゼロでお腹丸出しでねているのですから。
投稿: Mu→Jo | 2009年5月19日 (火) 07時42分
こんにちは こんな大人気のブログにコメントなんてほんとに自分でも傍若無人・・と恥ずかしいのですが、あまりにハルキ君がかわいいので書きます。
ご家族の皆様にとても可愛がられているのですね。とてもほのぼのしてしまいます。ぬいぐるみも可愛いですが、本がたくさんでびっくりしました。
Mu先生ファンからハルキ君ファンになりそうです。また楽しみにしています。村上春樹さんからお名前きてるのですか?
投稿: yuyu | 2009年5月22日 (金) 17時00分
YuYuさん
ものすごく遠い返事になりました。
1.ちらりと貴サイトを鑑賞しました。外国世界の雰囲気で、ロマンチックです。
2.ハルキ君は、相当に大きく重くなり、しっぽはずっしりしています。大型猫族と、再認識しています。
3.家にあるのは本とPCと実験用鉄道模型くらいです。つまり本が多いというよりも、本しかないというわけです。
4.名前の由来は、某春樹なのでしょうかねぇ? ハルキ猫君が「ノルウェーの森猫」という種であることは事実です(笑)
投稿: Mu→YuYu | 2009年5月27日 (水) 09時04分