北九州・門司港を走るトロッコ列車「潮風号」
青いトロッコ列車・潮風号
2009年4月26(日)に北九州市門司港レトロ地区で、青いトロッコ列車が開業しました。
(門司港レトロ観光列車「潮風号」とは)
全長2キロの行程を片道10分ほどかけて、時速20キロ程度で走るようです。なによりも青い車体色とその小さな機関車の姿に驚きました。
(観光列車「潮風号」搬入 門司港レトロ地区:産経ニュース)
門司港レトロ地区は2006年の夏に、葛野図書倶楽部2001の人達と行ったことがあります。その後の倶楽部で2008年に行った愛知県の博物館明治村が明治ロマンなら、門司港地区は大正ロマンと言えます。大正ロマンの街並みにトロッコ列車が走る姿を想像し陶然としました。
あまりに機関車が可愛らしくみえたので、遠い将来わが「嵯峨野鉄道図書館列車ジオラマ」で走ることを願い、インターネットを少しさがしてみました。
DB10形ディーゼル機関車
それで分かったのですが、機関車はDB10形といって、車軸が2本しかない(だからB)ディーゼル(だからD)機関車だったわけです。しかも、それは平成18年までは「南阿蘇鉄道」で「ゆうすげ1号」トロッコ列車として活躍していました。
(南阿蘇鉄道DB10形)
そのDB10形2両を門司港レトロ観光列車が譲り受けたわけです。トラ70000という貨車をトロッコに変えた客車2両の前後にDB10を置き、非力さを補い、単線往復を簡単にできるように工夫しています(行きと帰りで、機関車が方向を変えなくてすみます)
さて、虎の子の小型ディーゼル機関車2両とトロッコを譲った南阿蘇鉄道はどうなったのでしょう? 実は一瞬心配になりました。ところが、なんと同社は「日本宝くじ協会」の助成を受けて、もう少し大きい新型のDB16を購入したらしいのです(笑)。安心しました!
(新型トロッコ登場)
予習復習
【門司港レトロ観光列車の諸元】を読んでいて気になる一節がありました。「普通鉄道としては全国初の観光に目的を特化した鉄道として申請しま した。 」
嵯峨野観光鉄道や南阿蘇鉄道の観光トロッコ列車がすでにあるのでは? と思ったわけです。実は、そこに私は意外な事実を知ったのです。「普通鉄道としては」というのが、門司港レトロさんの伝えたかったことなんでしょう。つまり、門司港レトロは<特定目的鉄道事業>として法律上からも「観光目的」を専門にする鉄道のようです。私の身近な「嵯峨野観光鉄道」は<第二種鉄道事業>になり、これは路線だけを借りて自前の施設や車両で、旅客や貨物の運送を行う事業者で、逆に観光特化鉄道ではないわけです。
(鉄道事業者:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
ただ、門司港レトロと嵯峨野観光のトロッコの違いを見るよりも(相互に離れているから、事業者区分を意識せずとも良いでしょう:)、門司港レトロ観光線が、小さな規模の車両と使われていなかった線路を再利用し、そしてそれを国土交通大臣ではなくて、地方運輸局長の権限によって裁可された事実に驚いたわけです。
「二階建てトロッコ図書館列車」は現在の法律<特定目的鉄道事業>の下で、観光と合わせることで、実現可能性が従来よりも高まったと思ったわけです。車両もJRサロ-124とか京阪ダブルデッカーなんかを譲ってもらって、見識のある銀行 (注:門司港レトロ観光線の場合は、山口銀行が支援したようです)の応援があれば、走りますなぁ~。
(DB10+トロッコでの採算は、年間10万人らしいです。)
参考
二階建て図書館列車 あたご2号(HO)
編集長敬白:DB10の制動装置
「門司港レトロ観光トロッコ列車」中で、以下の引用から示唆を得ました。
5.現在の成果・実績、今後の展開など
「観光に特化した鉄道」の開業は国内初のケースとなり、地元はもちろん全国的な注目を集めている。
九州の鉄道の拠点として栄えた門司の歴史を大切にしながら、多くの観光客や市民に愛される鉄道を、一日も早く開業させたいと考えている。
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