« 小説木幡記:2009/04/11(土)春のハルキ君 | トップページ | 小説葛野記:2009/04/16(木)四月の墓碑銘、そして残酷な月 »

2009年4月12日 (日)

NHK天地人(15)御館落城の悲劇

承前:NHK天地人(14)上杉・武田、塩を送り黄金を贈る

 悲しすぎる物語でした。
 戦国時代も現代も、陰惨な事件は沢山ありますが、今夜は道満丸の死がまことに悲劇的でした。このことが、一旦は降伏した景虎と華姫の自害に直結してしまいました。
 その前には、景虎がたのみとしていた武将、北条高広(きたじょう・たかひろ)も雪の夜、八幡さんに戦勝祈願をしているとき、数名の者らに暗殺されました。

1.道満丸の死(景虎・華姫の一人息子)
 だれが小さな子供を暗殺したのでしょう。景虎は自分の息子を景勝に預けることで戦を終わらせることに同意したわけです。だから犯人は、戦を終わらせたくない者達と想像できます。

1.1 景勝・兼続謀略説
 これはどうでしょう。ドラマとしても、一般論としても、人質を殺すことは、相手が裏切らない限り、しないことです。
1.2 景勝側の諸将
 ありえます。総攻めして景虎関係の武将を殲滅しないかぎり、越後には「景勝に与した諸将」の平和はないという考えです。事実、御館乱は景虎自決のあとも越後全土で完全終結するのに、さらに2年間かかったわけですから。
1.3 景虎側の諸将
 肝心の北条高広が暗殺されたのですから、残るは北条(ほうじょう)家から付いてきた陰惨不気味とめどもない例の側近・遠山しか考えられません。北条氏政からの密命があるとしたなら、道満丸を殺害してでも景虎が景勝との争いを継続しなければなりません。越後が乱れるほど、北条に利があるわけですから。

1.* 道満丸謀殺の犯人
 景虎側近の遠山。殺害理由は、御館乱を継続させるために、景虎の降伏を阻止するため。
 別途最大の深読みは、兼続。
 理由は、道満丸の存在が後日の景勝跡目騒動を起こすことへの深慮遠謀。この問題は風林火山でも、諏訪の由布姫とその弟が、ややこしい問題を起こしました。ただし、そこまで深読みすると兼続の「愛」をテーマとするこの世界では、興を削ぎます。よってボツ。

2.北条高広(きたじょうたかひろ)の死
 主役級の人ではないのでここで深く詮索するのは不要かも知れませんが、高広あったればこそ景虎が景勝に戦を挑めてきたのですから、その死は深いと思います。しかるに、ドラマではヒントがありません(私は今夜多少ぼんやりしているので見過ごしたのかもしれません)。

2.1 側近遠山
 これは高広の猪武者振りが、北条氏政の密命をおびる遠山には邪魔になるからかも知れません。しかしドラマを観ている限り、可能性はすくないですね。
2.2 景虎
 景虎は景勝の意向を分かっていたので、それに猛反対するであろう高広を謀殺した。しかし26歳の景虎は感情の起伏など見ていて、そこまで謀議を計れるかどうかは疑問です。
2.3 兼続
 あり得ます。
 景虎の降伏を最後まで阻止するのは高広と考え、隠密部隊を繰り出したのでしょうか。しかし、若い兼続に特殊部隊を編成するほどの権限があったかどうか?
2.4 景勝
 あり得ます。しかし、これまでの彼の気性からみて、なんとなく謀略戦は好まないようですね。
2.* 北条高広暗殺の犯人
 景勝方だと思いますが、特定は難しいですね。お船の旦那さんの直江さんでしょうか?
 別途最大の深読みは、信長とクノイチ(笑)

まとめ
 今夜はやはり暗かったです。道満丸の死は本当に悲劇だと思います。そのことで景虎・華姫の自害があまりに自然な流れになってしまいました。無惨です。越後は上杉謙信公ですら手を焼くほどに同族間、諸将の争いが深くあったようです。だからこそ謙信公は「義」を打ち立てた気さえします。ところが「義」の後継者達が結果的に争い、幼い少年が今夜その巻き添えにあって殺害されました。
 そういう無惨さを乗り越えて、今後の直江兼続の義や愛は意義が明確になりふくらみをもってくるのでしょう。

|

« 小説木幡記:2009/04/11(土)春のハルキ君 | トップページ | 小説葛野記:2009/04/16(木)四月の墓碑銘、そして残酷な月 »

NHK天地人」カテゴリの記事

コメント

こんばんは
あまりのドラマチックな展開に、余韻に浸っています・・
お船の心を鬼にしての仙桃院への懇願。かっこよかったです。
降伏を・・そして道満丸が襲われ・・本当に大変な時代だったのですね・・
華姫は悲劇の最後ですが、家族のためにという信念が美しいです。

猫ちゃん可愛いですね!

先生ず-っとずっとお元気で京都の桜と大河の記事を書いてください!
楽しみにしている読者より。

投稿: yuyu | 2009年4月12日 (日) 23時29分

YuYuさん
 一寸先は闇とか、言葉の通りですね。
 (ところで、一寸とは約3.3cmほどでしょうね。この場合単に眼前を指すだけじゃなくて、距離を時間に変えて使っているようです。すぐ先のことは分からない、という意味を昔の人はおもしろくいうもんです)

 この頃は農業も戦もひとりでするのじゃなくて、グループでやっていたようなので、結束がないと総崩れになりますから、芯の強いひとはお船のような言葉がいつも心に流れているのだと思いました。

 猫ちゃんは大きくなるのが早すぎます!
 大河は続けますが、桜はあと記事一つで、次は来年です。

投稿: Mu→YuYu | 2009年4月13日 (月) 17時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: NHK天地人(15)御館落城の悲劇:

» 天地人 第15回「御館落城」 [あしたまにあーな]
長く続いた御館の乱も景勝の圧勝という形で終焉を迎えることになります。最後の戦い自体は非常にあっけなく終わったような感じがするのですが、この戦いだけで物語を3回も使った... [続きを読む]

受信: 2009年4月12日 (日) 23時00分

» NHK天地人(16)二代目達の世界:兼続家老となる [MuBlog]
承前:NHK天地人(15)御館落城の悲劇  今夜は事情で休講します。  22歳で上杉家家老となった兼続を祝います。息も付かず45分間を堪能しました。越後では雪割草が春の印、佳いですね。 [続きを読む]

受信: 2009年4月19日 (日) 20時53分

« 小説木幡記:2009/04/11(土)春のハルキ君 | トップページ | 小説葛野記:2009/04/16(木)四月の墓碑銘、そして残酷な月 »