小説木幡記:2009/04/07(火)図書館の中に街を/伊東豊雄(建築家)の場合
先程NHKで「プロフェッショナル」を見ていた。今夜は建築家の伊東豊雄さんだった。気になった言葉があったのでメモしておく。
<図書館の中に街を>という意味の言葉だった。オスロの図書館建築コンペに出された作品を構想している場面だった。多面体ユニットを使った、いろいろな空間を内部に持った図書館だった。その作業中に、伊東さんが漏らしたように記憶している。
昔、余はキャンパスの中の大学図書館ではなく、大学図書館の中のキャンパスという言葉を好んで使っていた。最近は地域・全域としての鉄道図書館列車構想を寝ても覚めても考えている。つまり街全体が図書館という考えだ。街や村や地域全体を図書館として成り立たせるシステムを「基地図書館&二階建てトロッコ鉄道図書館列車」と構想した。だから、伊東さんの言葉を聞いた時、ショックを受けた。どういうことかというと、現実にそれに似た(相似かどうかは問題ではなく、発想としてのアナロジー)考えがあって、さらに斬新な図書館や博物館が現実化し「もう、始まっている」という衝撃に打たれたわけだ。
伊東豊雄さんの設計で、国内の図書館や博物館関係で著名なものをリストしておく。
せんだいメディテーク(仙台市)
八代市立博物館「未来の森ミュージアム」(熊本県八代市)
多摩美術大学図書館(東京都八王子市)
<図書館の中に街を>は模型によって余も一目で理解できた。しかし地域全域図書館の中に街を、その媒介が二階建てトロッコ鉄道図書館と言っても、なかなか理解を得られない。今夜の「プロフェッショナル」では伊東建築設計事務所のメンバーの人達が、熱心に構造物の模型を自作していた。
しばらく余は考え込んだ。
コンセプトをモデルで表現するには、慣れないと相当な時間がかかること。
しかし専門家達だとどんどん出来上がっていく。
建築に素人の余でも、オスロのコンペに提出した模型を一目みて、伊東さん達の考えが理解できた。
余は、また考え込んだ。
なぜ大学図書館の中の大学なのか。なぜ図書館の中の街なのか。さらに、なぜ面としての地域・全域図書館の中の街や村なのか。そこをもうすこしもみほぐしてまとめていかないと、余の「嵯峨野鉄道図書館ジオラマ」や「邪馬台国周遊図書館列車ジオラマ」だけでは、意義を説明したことにはならない。
ともかく、もっと大きく分かりやすい特急タイプの二階建て図書館列車を今月中に作ってしまおう。
なかなかに、先の道のりは長い。
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