空間に伸びる枝垂れ桜:2009/04/03(金)広沢池畔・京都平安郷
承前:(2009年桜シリーズ)墨絵のような佐野桜2009:2009/04/03(金)佐野藤右衛門邸
佐野桜2009をじっくり見終わったあと、さて広沢池はどうだろう? と西へ数分足を向けました。やはり東岸の広沢桜はまだでした。ふと見ると池畔に大きな門が開いていて人が次々と入っていきます。奥を見ると奥が見えないくらいに深いです。警備の人にたずねたら、
「今日は、一般の方も入れますよ」と教えてくれました。
「駐車場は使って良いですか?」
「ええ、そこの黒い門の奥が広い駐車場になっています」と、道の反対側を指さしてくれました。
車を入れて敷地に入る直前、門の側の立て看板に気がつきました。「京都平安郷・観桜会(参考1)」と記してありました。読んでみると4月の数日と、秋の名月には施設が一般に開放されるようです。
この「平安郷」ですが、この施設は私が幼年期からあったはずです(名称は思い出せません)。インターネットで見ると古い教団施設のようです。施設の経緯までは分かりませんが、ある時期から東岸水ぎわの小道にも入れなくなっていました。しかし今日はそこにも人が行き来していました。
実は、私はこの施設を南岸や西岸から遠望するたびに羨ましく思っておりました。本当に私が理想とする風景なのです(笑)。私がカリスマなら、まずこの地域を使いたいです()。かといってあらゆる政治・宗教・その他組織に属するのが苦手な質でしたから、世間の霊威ある人達には近づかないようにしてきました。
それで、今日のような一般開放日に出会わせたことが本当に嬉しかったです。私はただの衆生として誠心もって結界に足を踏み入れたわけです。
知人に宗教社会学者がいて、以前に話を聞いたことがあります。この教団のもともとは綾部、亀岡にある教団の関係者らしいです。そして意外にも私が折々に行くミホミュージアムも遠縁のようです。宗教界は難しいのでこれくらいにしておきますが、ただ私は、美観とか美術や芸術への感性をもって宗教世界を判断する一つの視点にしております。私が年がら年中訪ね歩く寺社仏閣は、芸術をなそうとか美術史に残る作品を造ろうというような意図から、今の景観や仏像を造ったとは思いません。しかるべき信仰心が日本の風土に合致したとき、日本あるいは世界的な普遍性を持った建築物や祭祀が生まれたのでしょう。
世界三大宗教のうち、二つまでが日本に根付かなかったのは、この美観が日本に合わなかったのだと確信しています。仏教は中国を経由していますから、山紫水明ことごとく昔の中国が理想とした美観を、奈良時代以来の古い宗教者達が日本に溶け込ませた成果だと思っています。そして神道は、これは言うまでもないことです。近頃は、三輪の狭井神社(参考2)に深い美を味わいました。
というわけで、遍照寺山・広沢池畔を借景とする平安郷、そしてそこの桜、始めて目にした内部の庭園結構、素晴らしい経験をしました。
↓初めて目にしたところでしたから、山のように写真を撮って、選別が出来なくなりました。以下はほぼ順路に従って撮した内容です。それぞれが気に入りました。
↓人間の目は視界が広いですし自由に無意識に動きますから、平安郷の桜景観全体を写真で表すのは、どれほど沢山撮しても無理だと感じました。その中でも特に印象深い桜を大きく載せておきます。
写真の解説はまた来年機会があればじっくり書きますので、今年は並べて眺めるだけにしておきます。本当に思いがけない経験でした。
この地を選んだ遠祖(とおつおや)さんに乾杯したいです!
参考1:(インターネット)京都平安郷
参考2:(MuBlog)卑弥呼の墓(010)
| 固定リンク
「桜2009」カテゴリの記事
- 自薦・Mu桜2009年(京都の桜)(2009.04.22)
- 桜のおわり:2009/04/11(土)伏見港・弁財天長建寺桜と御香宮桜(2009.04.18)
- 今年の桜海と塔:2009/04/07(火)天神川(北)桜(2009.04.10)
- 大沢池(大覚寺)2009/04/06(月)大沢池の桜・塔と堂(2009.04.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント