小説木幡記:2009/02/11(水)我が名はハルキ:通称・春ちゃん
承前:小説木幡記:2009/02/09(月)またりんの弟:我が名はまだない
またりん翁の弟に名前がついた。その名もハルキ、通称は「春ちゃん」と呼ぶことにした。名付け親はエドルン君らしい。
ハルキと申しても、角川ハルキさんや、伊井ハルキさん、あるいは永田ハルキさんのことではないし、もちろん村上ハルキさんとは関係がない、ようなぁ~。
一説に「ノルウェーの森猫:Norwegian Forest Cat 」と呼ばれていて、深いノルウェーの森からはるばる日本の木幡に来てくれたのだから、春がきたような気分でハルキとした、ようだ。委細は余にも分からぬ。
で、春君は実に遊び好きなので「遊(ゆう)」君とする案もあったようだが、由来を大切にして春君になった。余なら春太郎とか春之助とか、春雪と危うく名付けるところだが、江戸のコントロールが強力なのでからくも「ハルキ」と相成った。
余は春君とまだ三日目だが、実によく遊ぶ猫だと観察した。さっきも深夜一人居間のホットカーペットに座っていると、膝によってきて前足でよじ登りだした。手を差し出すとなめ回すではないか。さらに不思議な低音がするので耳をすますと、「ゴォー」と聞こえた。さらに聞き耳をたてると、身体全体から「ゴロゴロゴロー」とサウンドが聞こえた。明らかに全身で共鳴していたなぁ。
17~8年もまたりん翁と過ごした感覚からすると、まことにお茶目で遊び好きで人懐っこい。いや、それでまたりん君のイメージが変わるわけではなく、猫の多様性を今夜知ったということだ。それにまたりん君も幼い頃はふらふらと余にぶつかってきた。春君も成猫するにつれて生来のプライドが強くなると分かってはいるが、夏頃までは、余もじゃらじゃらと遊ぶ相手ができてうれしい。
ところでこの写真は猫背というよりも、春君の後脚の丈夫さに気がついたからだ。肉球は毛に隠れて見えないが、小さなぶにょぶにょが確かにある。先夜握手した左手は、毛に覆われて太く見えたが握ってみるとまだ肉も付いていなくて、やはり赤ちゃん手だった(笑)。
というわけで、ハルキ君と遊ぶ楽しみを見付けたが、それにしても小さいくせに家中を走り周り、踏み潰しそうになるので困った。知らぬ間に、今夜は首に鈴が付いていた。かすかに「りん」となると、後ろに隠れていた。そうそう、隠れ場所は亡き兄を思い出させるが如く、同じ場所に潜むのが面白い。猫の習性なのか、またりん君の匂いでものこっているのか、不思議な現象だった。そのうち、余の椅子に座って昼寝するのだろう。余が座ろうとすると、どこかに隠れていた春君が突然現れて席を占拠するような、そんな既視感がすでに表れだした。ふむ。
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コメント
ノルウエーの猫
昨年夏にノルウエーに行きましたが、森で猫は見なかったですね。
随分と寒いところなのに何故猫がいるのか?
暇人なので、ネットで調べると、11世紀頃にバイキングがビザンチン、トルコあたりから持ち込んだという話が紹介されており、納得しました。
猫は中東が原産でしたよね。確か日本には平城京の時代に輸入されたと聞いています。
毛が長く美しい猫ですね。
投稿: jo | 2009年2月12日 (木) 11時22分
君の名は
ハルキと聴くと、どうしても(ハルキ、マチコ)を連想する古い人間でございます。
数寄屋橋で会えそうで会えない二人・・・。
ノルウエーの森のネコだからハルキ。
まことに現代的なネーミングのようではあります。
ところでMu家には(エドルン君)というネコちゃんもいてはるんですか~?
最近、ある犬好きの友人に聴きましたが、家のワンちゃん大分お歳を召してきたらしいのです。
もしそのワンちゃんが天国へ行ったら、次はどうするか考える歳になっちゃいました・・・。
還暦を過ぎるとそんなことも考えるものなんですなあ、と話し合って二人で笑いました。
母の実家にいた叔父の昔の話ですが、ハルキくんくらいな子猫ちゃんを、寝返り打ったときに・・・。
大柄な叔父でしたが、老婆心ながら、貴兄におかれましても、寝相にはくれぐれもお気をつけあそばされますよう・・・。
投稿: ふうてん | 2009年2月12日 (木) 14時30分
Joさん
すまぬね、MuBlogが古代史論議をほっぽり出して、猫談義に入り浸るのは。
そしてまた猫族が中東原産とはしりませんでした。そういえば、みたこともないのに、私はペルシャ猫って知っていますね。あるいは、エジプトでは猫が大切にされていて、猫ミイラもたくさん残っておるようです。
今度の春君は、よい弟猫です。
木幡帰還時にとたとたと初見の私の側まで来たんですから、そりゃ気に入りますよ。今朝も、本当の実話ですが、朝まだき家人が熟睡しているころ家を出るのですが(真っ暗)、春君はなんと、玄関口まで追いかけてきて、そこでぺたんと座って、見送るんですよ。3日目にしてこうだから、いやはや、たまりませぬ。
ところで、お孫さんって、猫みたいなものですかぁ~。かわゆいでしょうね。
追伸
またりん翁とは別の反面の付き合いが生じそうです。
投稿: Mu→Jo | 2009年2月12日 (木) 17時51分
ふうてんさん
テクノ翁も猫のことは、お目に触れましたか。
まず、「君の名」は小学生の頃で、女湯が空になった伝説は身近に知りませんでした。しかし、歌、メロディーは今でも脳を流れますから、影響は強いと思います。たしかに、ハルキさんと看護師(当時は看護婦)マチコ巻きのマチコさんでしたね。
時代変わって、ノルウェーの森はビートルズで知っていました。そしてそのタイトルが小説になって一世風靡したのも覚えています。たしか上下2冊のハードカバーが書店に置くたびに売れきった時代でしたね。なにかしら、小説を読まない人を巻き込んだ、という言葉は、この某ハルキさんの時の話だったと記憶にあります。ですが、この某ハルキさんはラーメンや中華嫌いなので、ともに天をいただくわけには参りませぬ。食は私のリトマス試験紙です。
で、エドルン君とは江戸住まいしている猫族の人間です。兄のまたりん翁とはちょっと違ったところがあって、弟の春君タイプに近いです。しかし、根はやっぱりマタリンタイプが色濃いです(こういう文章を理解するのは木幡組と、ふうてんさんくらいしか世界にいないじゃろうね)
そうそう、ふうてんさんの大柄な叔父さんのことですね。木幡研では、夜間も裸電球をつけたままで注意し、各個室には入らぬようにしております。彼の居住空間は合計20畳くらいに限定していますが、山在り谷ありで、ときどきようとして姿をみせぬこともあります。大抵家具の裏とか、そういう箇所にいますが、まだ小こいので困ります。気をつけますよ。
後日、また麗姿をおみせします(もう、いらぬ、とはおっしゃらぬように。成長記)
投稿: Mu→ふうてんさん | 2009年2月12日 (木) 18時08分
愛らしく、聡明で、しかも男前!
こんな三拍子揃ったら、まわりはみんな「貴方の虜」ですね。
投稿: namiko | 2009年2月13日 (金) 08時56分
波兎さん、こんにちわ
以前うかがったところでは、猫族は幼少の頃に芦屋の豪邸自宅で引っかかれて、一種の精神的外傷が残ったと覚えております。
したが、今となっては韓国中国東南アジア全域をすいすいて旅行される「力強さ」もそなわって、猫のひっかきくらい、なんとも思わぬ心境になられたのだろうと、コメント読んで拝察いたしました。
ですが、文体から判定するに、ハルちゃんへの賛辞同意表明は、なにかしら韓流俳優を褒め称える文意がうかがえまして、笑えてきました。貴blogに登場する俳優達は「貴方の虜」的修辞に満ちておりました。
ハルちゃんのこと、今後ともよろしく。
投稿: Mu→NAMIKO | 2009年2月13日 (金) 09時50分