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2009年2月 4日 (水)

小説葛野記:2009/02/04(水)朝霧の宇治からNetbook 28800円

 ブリ大根、シャケの焼いたの。味噌汁。林檎。余はブリ大根が好物なのだ。

朝霧
 宇治の朝霧は毎年経験してきたが、今朝はことのほか濃霧だった。起床時には気付かなかったが、朝シャワでもつかってゆったりしようと思ったとき、外を見た。自動車が殆ど走っていなくて、まれに小さな豆球がぽつんと地上を動いていた。一昨年のドラマ「風林火山」では、川中島の戦いで濃霧の戦法が話題になった。日本は河川が多く周りを海に囲まれているから濃霧には親しみがあるのかもしれない。船では霧笛(むてき)という言葉があるくらいだから、海の濃霧はライトの無い暗黒と同じだったんだろう。明治村に行ったときは品川燈台の近くに「霧砲」があった。そう言えば幼少時、真田十勇士の霧隠才蔵(きりがくれさいぞう)は猿飛佐助とならんで余の憧れだった。飛車角でいうと才蔵は角で猿飛佐助が飛車だった記憶がある。さらに、笛吹童子では「霧の小次郎」は人気がでた、役者は大友柳太朗さんだったか、……。松本清張さんには「霧の旗」とか「日本の黒い霧」とかあった。などと「霧」と日本の関わりを思い出そうとしたが、出てくるのは漫画講談映画の話に尽きる脳無。霧のロンドンはなんとなく煤煙まみれだが、宇治川の朝霧は日本の美質の一つだと思った。日本は山紫水明、霧や雨や川がよい。

28800円のNetBook
 NHKクローズアップ現代で、日本メーカにとって価格破壊に近い、超ミニノートPCというか、NetBook(インターネットとメルだけに用途品質限定)の話があった。メーカーは台湾でASUS(アスース)社。ネットで調べてみるとエーサーとか、他のメーカーもすでに10社くらいが競争しだしたようだ。

 ただ、日本の場合、当夜の番組に富士通の人が出ていろいろ申しておったが、これまで10~20万円で販売してきたノートPCとは品質や使い勝手の上で別の製品になり、販売するのが難しいようだった。たしかに別製品だった。しかしケータイもPCと思えば、極めて上等な携帯PCとも言える。世界企業の富士通だっていろいろな人がいるから、NHKに出た方が代表とも言えない。画面の中では品質を重視する技術者が古典的に扱われ、営業主体を主張する方が革新的に描かれていた。

 余は技術者系贔屓なので、品質を落としてまで安くするのは反対だった。技術者のプライドとして10年は持つパーツを使いたいと言い張っていた。NHK解説ではそれを、殻を破れない姿のように写していた。(司会のいつもの女性のことではない。)
 解説者のアスキー研究所の人も言っていたが、ASUSは余でも知っているマザーボードの本家本元。話では5000万点ものマザーボードを売ってきた実績と、多くのPCパーツ・メーカーが台湾に本拠を持つことから、パーツの仕入れ値が7割引き、6割引きのようだ。もちろんインテル社のATOM(CPU)も半値以下で大量購入するのだろう。そしてそういうASUS社へ日本や世界のPCメーカーがマザーボードを発注するのだから、話がかみ合わないし、勝負にならない。

 だから基本的に、ASUS社が日本で28800円(2009年2月4日付けのジョーシンのネット情報)のNetBookを販売していても、これは同じ土俵じゃないのだから、仕方なかろう。富士通やNECやSONYは別のPCを作って売らなければ、この競争には勝てない。かえって、パーツの品質を落として火災をだしたり、修理返品の山になるくらいないら旧来通りのA4判タイプの堅牢なデスク・ノートBOOKを販売している方が、今後稀少製品メーカーとして長生き出来ると思った。学生たちを見ていると、やはりデスクトップでは置き場所がなく、実際に卒論やレポートを書くには大きめのディスプレイやキーボードのある普通のノートPCの方が、眼精疲労も肩の凝りも小さくなって、使いよいようだ。

ASUSのEee PC 701 SD-X:28800円その諸元
 (http://joshinweb.jp/pc/115/0884840310082.html#reviewJump
 OSはWindowsXPの廉価版。SSD(シリコン記録媒体)を8GB搭載しそこにOS等が入れてある。大昔に使っていたSONYのVaioノートはHDDが8GBでいろいろなアプリケーションを動かしていた。8GBもあれば十分(笑)な上にこのNetBookは30GBの携帯型HDDが付属している。あっ、ディスプレイは7インチカラーで800x480画素。重量電池込み910gで、電池は3.7時間程度。メモリは512MBだが、これはまあWinXPだとギリギリかな。外部ディスプレイは2048x1536ドット対応だから十分だ。その上無線LAN付き。
 要するにディスプレイが小こくて見にくく、キーボードが狭苦しく、CPUの瞬発力がなくてとろくさいのに目をつむれば、一昔前の高級マシンだ。これが3万円切るとなると、余も欲しくなったぁ(笑)。

アプリケーション
 購入してすぐだと、エクセルもワードもないから困る人もおるだろう。外付けDVDとOffice2007を購入されてもよろしいが、NetBookというのだから、これはクラウドコンピュータのターミナルなんで、インターネットに接続して使うものだ。
 たとえばGoogleサイトのサービス一覧を御覧になれば、「ドキュメント」というのがあってこれはワープロソフトや表計算ソフトである。OpenOffice.orgにアクセスすれば、ワープロも表計算もデータベースもプレゼンテーションソフトも無料入手できる。一応MS社ファイルの読み書きが出来る。収入の低い若年者や高齢者には極楽世界になってきた。

まとめ
 28800円のノートPC、SSDが8GB内蔵とは洒落た商品だ。一台あってもよいだろう。これを技術立国日本が現在開発できない(巨大台湾パーツメーカーに勝てるかどうかの問題。技術力は当然ある)のは、仕方ない。昔の日本のPCは接触部分に金メッキをしたほど品質に拘っていた。しかし、以後10万円デスクトップが生まれた頃から、悩みだした。パーツもOSも知らぬ間に、ワープロソフトまで一太郎からWordという異国外注品になってしまっていた。資本主義世界だから、この上はASUS社を買い取るしかない。
 あるいは、PCなんて電卓と思えば、100均ショップで売られる運命なのだから、さっさと撤退して「おいしい、お米立国」になるのが本道かもしれない。
 畏友のふうてんさんや、Joさんは、今夜のクローズアップ現代をどんな気持で御覧だったろうか。わが日の本のPC黎明期に生きてきた風雪梅安一家にとって、悲しい話でもあった。うむ。

参考
 小型ノートPC、ついに3万円台に突入/平林 久和=ゲームアナリスト Mu注:読み応えのある記事でした。
 ジョーシンのカタログ:ASUSモバイルパソコン「Eee PC 701 SD-X」ブラック 

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