高台の図書館:鉄道図書館(7)レールレイアウト仮設と試運転
承前:高台の図書館:鉄道図書館(6)前方後円墳・周濠(池)に水を張る
先回で塗装の基本や周濠(古墳の池)が形を見せてきましたので、今回はレールを仮設して試運転を繰り返しました。
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試運転は、ジオラマが完成した最後の最後にすればよい、と昨年の正月前後には思っていました。しかし此の一年間で、まったく考えが変わりました。ジオラマは後戻りしにくい世界です。場合によっては、壊さなければ後戻りが出来ないと考えた方がよいです。完成の後で、列車が壁を擦って転覆したり、決まった特定のカーブで脱線しても、調整が難しい世界です。昨日も実車の京阪電車ホームで観察しましたが、ホームと電車の隙間は5センチ程度しかなかったです。あの隙間を回送電車や特急電車が高速で通り抜けていくわけです。恐ろしいとも思いました。一方Nゲージだと、現実の5センチは、0.3mm相当になります。この精度で壁やホームをすり抜けさせるのは無理です。ただ、無理に無理をして細かく調整しなければ、この高台の図書館を、「二階建てトロッコ鉄道図書館列車」が走ることは出来ないわけです。
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この小さな写真では、仮設する前にレールを掃除しています。レールの掃除は毎日という人もいますし、私のように一週間とか二週間に一回する者もいます。一週間で走りが鈍くなり、動力車がカックンコックンし出します。レールを指で触ると、指に黒い線が付きます。現実世界だと、レールに泥やコールタールが塗りたくられた状態と同じだと想像できます。レールは常に清潔にしておきます。
改造トビー(トーマスの仲間)とED790(TOMIX):試運転
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ついでにトビーも走らせました。これはHOゲージという模型車両と同じ大きさです。以前にハーヴィーを改造して走らせた経験があるので、今回も幼児向け玩具のトビーにBトレインショーティー用の動力(KATO)を埋め込んで、試してみました。壁や天井のあるところはつかえて擦り無理でしたが、坂や外周はニコニコしながら走っていました。
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試運転には、まず単独で様々な動力車と書きました。ED790の次には、DE10(TOMIX)という小型のディーゼル車を走らせることにしています。これは小型ですが、2軸台車+3軸台車になっていて、この3軸台車の部分がミニカーブだと、勾配やレールの左右傾きによって脱線することが多いのです。今のところなんとかこなしています。
Cタイプ小型ディーゼル・黄色(TOMIX)と大歩危トロッコ号(マイクロエース):試運転
このあたりの小型ディーゼル車やトロッコ列車になると、ほぼテストが完了したとなります。ところが事実は、Cタイプの黄色車は、一見2軸台車+1軸台車というカーブに強い台車に見えますが、実は可動台車ではなくて、3軸が一体になった長い構造なのです。ですから小さい割りにはカーブに弱くて、ED790に比べるとレールの曲がりや起伏に神経質です。
また牽引されている大歩危トロッコ号も、車両が軽いものですから、ときどきカーブで車輪が浮き上がります。そこを勘案した上で、スムーズに何周も無理なく走りきったことを考えると、今期の試運転は大成功と言えるわけです。
改造未公開「展望読書列車」(諸元:不明):EH500との相性試運転
試運転の最後は、最初にお見せした出力4000KWのモンスター電気機関車EH500、金太郎です。なぜ8軸16動輪の大型車が、20m級の改造・展望読書列車を牽引して、これだけの急カーブ急坂を行き来するのか、実は私自身が不思議なのです。もちろん、これまでの途中経過で、たびたびEH500は登場してきましたが、何度試運転してもその驚きは消えません。
いまのところ、EH500+展望読書列車は、半径14センチのカーブレールとY字ポイントを何ら問題なく高速で通過します。しかも牽引力が大きいですから、超微速でも「高台の図書館」駅へゆるゆると登坂し到着します。
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説明ぬきの展望読書列車ですが、整形や原色の不具合、塗り分けの不具合などによって、改造失敗車と内心思っています。これは20m級の食堂車の屋根をくり抜き、そこに別のBトレインショーティー車を接合したわけです。本来は人前に出す物ではないのですが、「失敗は成功の母」という言葉に励まされて、記録したわけです。10テーブル40人分の食堂部分を閲覧室(読書室)とみなし、調理室を司書室と考えて、あと幾度かの調整は試みますが、気恥ずかしい粘りと言いましょうか、お笑いなんでしょうか、遺憾です(笑)。
附録:EH500(TOMIX)金太郎への執心
この前方後円墳公園を見下ろす「高台の図書館ジオラマ」で、どのような列車を運行し、図書館利用者の利便性を高めるかはまだ決まっておりません。それなりに、フィットした二階建てトロッコ鉄道図書館列車を別途作ることで、基地図書館と鉄道図書館列車が一体化した、近未来の「図書館像」を形作ると考えています。
それにしても、ここには似合わないJR貨物のEH500(金太郎)が頻出します。その執心の度合いを確かめ発散するために、附録としてモンスターマシン:8軸16動輪EH500の様々な姿を公開しておきます。
次回は、レールを固定し砂利をまき、また図書館や民家(図書館長官舎か自宅)をそれなりに大地に溶け込まし、廃墟感を少なくするために若干の植樹をします。今回は照明を組み込むことで、完成とするつもりです。
ただし、最後にならないと決定図は出ないわけですが、今一つ、目玉の大階段が白っぽく飛んでいるので、ウェザリングというか、若干グレー色で調整をする必要があるかもしれません。
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コメント
大分、でけましたね
トーマス号、金太郎号、トロッコ号、などなど。
多士済々、いよいよという感じがしてきましたね。
中でも、ブルーにイエローの(展望読書列車)は、これまでのこの物語の主役登場で、感無量であります。
一つだけ疑問があります。
前方後円墳(卑弥呼のお墓?)は何故コバルト・ブルーなのでしょうか。
こういう色の湖は火山のあるところに多くあります。
あるいは沖縄やハワイの海はこういう色をしています。
概して(水)や(空)の色のようです。
コバルト・ブルーの(小山)というのには違和感を覚えます。
いかがでしょうねえ。
投稿: ふうてん | 2009年1月11日 (日) 04時31分
色合いですが
1.自動補正を一度かけただけの写真ですが、この場合は展望読書列車の青に引きずられたのかもしれません。小山(前方後円墳)にはコバルトブルーを塗った覚えがないのですが、飛び散ったり、同じ筆先でこすったりして、滲みこんで、それが補正でくっきり出たのでしょう(笑)
2.最近ハワイをロケ地にしたLostという、無人島冒険オカルト・ドラマにはまっているのですが(すでにDVDで30巻も見ている)、その映画の海とか空とか、そして無人島の山々を遠望すると、まるっきりの「青」なんです。だから、この島図書館も、コバルトブルーじみてもあまり気にならないMuなのかもしれませんなぁ。
3.色塗りは、まだまだ色粉や、砂利や、樹木や点描で変化していきます。こんど葛野に来られたら、ふうてんさんが絵筆を手にして、好きなような色合いにしてください(本心ですよ)
投稿: Mu→ふうてんさん | 2009年1月11日 (日) 11時43分