高台の図書館:鉄道図書館(6)前方後円墳・周濠(池)に水を張る
今回の工作は、前方後円墳・周濠(池)に水を満たす作業です。水は、樹脂を使いました。私には、水作りが好ましい作業に思えました。ただし、波や飛沫を仕立て上げるほどには、工作力がありません。それは後日のこととしましょう。
樹脂を流し込む前の池(古墳周濠)
↑いわゆる使用前の写真です。濃緑、青、白の三色で池底に水の色を作り、乾かした状態です。ここで注意したことは、池面にすでにパウダーが飛び散っていますが、工程の前後関係として上部は先に済ませた方がよいということです。
この場合だと、前方後円墳を後回しにすると、せっかく池水表現がうまくいったとしても、古墳の色やパウダーが、ボンド水に混じって、どんどん下部の池に流れ込むことになります。パウダーが飛び散っているのは、パウダーだけを後で追加して振りかけたからです。これは写真を撮った後、すぐに拭き取っておきます。正確にいうと、ボンド水はかかっていないので、吹き飛ばしました。
以前、嵯峨野鉄道図書館ジオラマでは徹底的にセメダインを使いましたが、今度は樹脂に変えました。セメダインで不都合を感じたのではなくて、新しい手法に慣れるためそうしました。
なお二枚目の小写真は、樹脂が流れ出ないように、テープで池をせき止めた所です。簡単なことですが、樹脂を流し込む時になって手当するのは大変です。慣れれば自然にできると思いますが、作業が前後するとうまくいかないことも多いと思います。
古墳周濠の水
↑下記の小写真にある溶けた樹脂を流し込んだ直後の姿です。現在は固まって、泡立つ様子は大方消えたのですが、気泡がたくさん出ております。説明書には、流し込んだ後もドライヤーで熱風を吹かせれば気泡も消えると書いてありました。塗装にドライヤーはつきもののようですが、あいにく葛野屯所には用意がないので、そのままにしてあります。いずれ上塗りの気持ちで、ドライヤーをかけるつもりです。
それよりも、下地が発泡スチロールの場合は、高温になった樹脂が不適切だとも説明書にありました。このジオラマでは、下から、ベニヤ板、発泡スチロール基盤、その上に、プラスタークロス(KATO)の下張り、石膏固め、アクリル塗料で層が出来ているのですが、やはり高温樹脂を流し込んだときは、まるで温泉のように泡をふいておりました(笑)。気泡はそれが原因と分かりましたが、それはそれなりに、固まった現在では、ガスの吹き出る古沼のような、えも言えぬ味わいになっているので、満足しています。
当たり前ですが、発泡スチロールに直接流し込んだなら、穴があいて貫通し、完璧な失敗どころか危険です(葛野シンドロームですね)。下地に石膏なんかを塗りたくっているから、それなりの雰囲気になった次第です。
最初の小写真は粒状の素材を、袋から半分取り出して、アルミ深皿に入れた所です。袋が450mlと表示されていたので、このジオラマの池程度なら、一袋全部溶かせば十分ですが、私はケチなので200ml程度にしておきました。よって、水の値段は600円程度になりましょうか(笑)。その分、ほんの僅かですが、足りなくなりました。そこをどうしたかは、後述の「クリアボンドで整形」をご覧下さい。
溶かすのは、電熱器でなくても良いのですが、葛野の熱源にガスはないので、古風な電気コンロにのせて約15分で完全に溶けました。持ち運びは当然素手では無理です。ラジオペンチを使いましたが、安全面からは台所用の耐熱手袋がよいと思いました。
クリアボンドで整形
↑樹脂をすべて流し込んだ後、そこここで「水なし」箇所がでてきました。勿論、残りの樹脂を熱して溶かして追加すれば話は簡単なのですが、手元にあったクリアボンドで後始末をすることにしたのです。
岩の隙間などは、クリアボンドの先に細い注ぎ口を付けて、静かに丁寧に「水」を入れることができました。池の一部分では、裏側なのですが、まるっきり樹脂が行き渡らない所もあったので、そこはクリアボンドを大量に流し込みました。
樹脂とボンドとの境界が、今回はうまく行きませんでした。水面に段差ができたのです。次回試すときは、もう少し慎重に工作するつもりです。ただし、岩の隙間は正解でした。細かな部分は熱い樹脂を流し込むよりも、クリアボンドを丁寧に充填した方が、作業も楽ですし、仕上がりも良かったです。
先回は「多用途セメダイン」を使い、今回は低温融解樹脂(EZウォーター)とクリアボンドで処理しました。水の色は濃緑、青や白を選びました。こういうことは、教科書にもいろいろ載っていますが、実際に工作して経験を積む必要があります。もちろんセンスは必須でしょうが、ごらんのように「センス無し」でも、それらしい前方後円墳・周濠が出来ました。
樹脂の使い心地は非常に良かったです。多少割高ですし、高熱なので危険も伴いますが、それは料理にくらべて違いはありません。なんとなく、大学芋に水飴をかけたり、コーヒーゼリーを作っている感が残りました。さらに、細部をクリアボンドで仕上げるのも、以前のセメダイン製の「空也滝」を作った経験を応用したものです。ジオラマ製作は、「基礎」自体も自らの手や目や匂いの中で、体験し確認していくのが大切で一番楽しく、また思った物を作る早道と思いました。
というわけで、微調整は後日のこととして、次回はレールを敷いて試運転をするつもりです。
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