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2009年1月11日 (日)

NHK天地人(02)直江兼続の幼少期:禅寺で修行中

承前:NHK天地人(01)直江兼続の幼少期

今夜の見せ場
 与六(直江兼続)や喜平次(上杉景勝)がとておもおもしろく可愛らしく思えました。少年期を個性的に表現するのは難しいと思っていますが、二人の子役には感心しました。与六のガンコというか頑迷さには笑えました。寡黙な喜平次の暗さや、何を考えているか分からない様子も良く出ていました。
 禅寺で小姓達が勉強や修行をするのは、戦国時代の風潮だったようです。これまで大河ドラマに出てきた武将たちも大抵少年期は寺で修行していました。また家督相続から外れた時期にも寺に入って時を待つ場面がいろいろ思い出されます。
 私も実は(笑)、幼稚園前には京都嵐山・天龍寺の塔頭に住んでいましたし、小学校や中学校時代には、天龍寺の若いぼんさんが指導してくれていた日曜仏教学校みたいなところへ、遊びに行っておりました。
 戦国時代は、後世江戸時代のような学校や寺子屋は無かったようですから、学僧のいる寺が幼年学校~大学校の役割を果たしていたのでしょう。

母と子
 私は小学校時代に、少年少女向けの読み物で、近江の儒学者中江藤樹(なかえ・とうじゅ)の物語を知り、「突き放す、突き放される」ことの原点を味わいました。つまり少年中江君が、祖父の家で学問に励んでいたとき、母親のことが心配になり家に戻るわけですが、母親は鬼のような顔で「学問を達成するまでは、家もない、母もない」と突き放したわけです。怖い話と覚えていますが、一方「そう言うこともあるんだ」と、納得していました。

 今夜の与六は五歳ながら寺ではだんだんガンコ少年になり、ついに出奔しました。気付いた主君の少年喜平次は和尚さんに問いかけます。「どうすれば、よいでしょうか」
 和尚さんは言います。「君が、与六を家臣にしたいのかどうか、それが問題だ」という答えでした。
 喜平次は、さっそく山中の雪をかきわけ、与六の後を追います。
 一方、与六の帰還を知った母親は、わずか五歳の彼に「私はあなたの母ではない。帰りなさい」と外へ追い出しました。そして与六は、追いついた喜平次に背負われて、また山寺へ帰っていきます。

主従関係
 今夜の見せ場は色々ありましたが、一点をまとめておきます。
 戦国時代の武将達は、後の主君と家臣団の結束を計るため、少年期から小姓として、学友として、幼馴染みとして育てられるようです。場所は寺で、訓話を聞き、文字から始めて学問を修めながら、一緒に成長していくわけです。
 もちろん成長とともに武芸その他を城内で学んだり、名ある武将が育て親として、武士としてのたしなみを仕込むのだと思います。
 少年期からの固い主従関係は、家臣団に独特の結束を生み出したのでしょう。

追伸
 上越市の上空から、海に面した春日山の姿が見えました。秀麗な神山に見えました。そこに春日山城があって、上杉謙信は洞窟に祀った毘沙門天を拝んでいたのでしょうか。なにやら、ワクワクしますね。

過去の話:NHK風林火山
 今夜は武田の智将、軍師でもあった高坂(風林火山では、香坂弾正)が顔を見せます。与六(兼続)が小姓仲間と川中島を偵察に来た場面でした。
 一昨年(2007)の風林火山では、今夜の十年前の、第4次「川中島の戦い」前夜、山本勘助と香坂は、上杉謙信との戦いが危険なものになることをお互いに察知していました。香坂弾正は軍師山本勘助を師とあおぐ30代の武田信玄直属の武将でした。勘助が養女リツを、弾正の嫁にしたいと焦るシーンを思い出します。 

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コメント

舎人の制度

 与六が5歳で主君の小姓となる番組をみていて、古代のヤマト王権の舎人の制度を考えていました。

 4世紀、5世紀の頃から地方の有力豪族は子弟を子供の頃からヤマト王権の皇子達の舎人として集団を形成していたようですね。

 戦国時代でもそのような、風習が残存していたと考えてしまいました。鉄の軍団を作る方法の一つなんでしょうかね。

 しかし、大人になっての主役さんの俳優さん、随分と男前やね~~、初めて見た役者さんやけど、驚きました。

投稿: jo | 2009年1月12日 (月) 08時40分

Joさん、博識
 舎人でした。そうだったんですね。
 (大人になってからは、采女でしたっけぇ~)あはは。

 昔、黒岩さんの「天の川の太陽」? つまり壬申の乱物語を読んだとき、印象に残ったのは、天武天皇さんの周りにいて、戦の諸事をきっちり果たしていったのは、舎人だったことを思い出しました。
 で、また別途、舎人親王という方がおられましたね。日本書紀の時代に。どういう由来でそういう名がついたのか、気になります。

 ところで、与六変じて兼続役ですが。どうにも同性のことはよくわかりませんなぁ。好みでいうと、謙信役の阿部寛さんが、ちょっとおもろいですね。兼続さんがどういう濃さをだしていくのか、あるいは爽やかに役をこなしていくのか、興味があります。

 まだ2回目ですから、今後の展開を期待しましょう(笑)

投稿: Mu→Jo | 2009年1月12日 (月) 09時07分

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承前:NHK天地人(02)直江兼続の幼少期:禅寺で修行中 今夜の見どころ  青年達のごく普通の甘酸っぱい青春を、ユーモラスに描いていて、いささかこそばゆい気分でした。  最初に、北条家から上杉謙信の養子になった上杉景虎が光をあびます。能を舞っている艶姿にうっとりしたお女中たちの雰囲気が笑えますね。面(おもて)をとった景虎に、お女中の一人が失神する様子なんか、私は現代のコンサートに熱狂する人にも、江... [続きを読む]

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