NHK篤姫(43)女達の徳川・男達の薩摩
和宮さんは夫の家茂がなくなると、髪もおろさず都に帰ると天璋院に伝えました。
しかし数日後、落飾されました。
これは本寿院の「身勝手なことです」とのセリフに、和宮さん、考えるところがあったのでしょうか。
京都から、兄の孝明天皇崩御の知らせを受け取ります。
夫を亡くし兄を亡くした和宮さんの辛さは容易に想像できます。
そうです。
天璋院篤姫も以前、夫の家定を亡くし、同時に養父であり最強の後ろ盾だった、島津斉彬を亡くしました。
天璋院には、和宮さんの気持が良く分かるのだと思いました。
また和宮さんは、天璋院が自分の帰京を喜んでいることに、「なぜ笑うのですか」と反発します。
天璋院は、あなたが自分の道をとることがうれしいのです、と応える。
和宮さんは、始めて天璋院に「母上さま」と語りかけます。
そして「母上はなぜお強いのか。それを学びたい」と、江戸にとどまることを伝えました。
この和宮さんや天璋院の心の動きは、短時間の間によく伝わりました。
それと、和宮さんには、都へもどっても自分の心の落ち着け場所が、以前は実母の死、そして今度は兄の死とともになくなっていたのではないでしょうか。家茂の想い出を江戸で噛みしめるつもりになられたのでしょう。
その間、薩摩の小松、西郷、大久保さんたちは、長州の罪を許す勅許をえようと、列侯会議を開く画策をします。小松さんは二条城の将軍慶喜(よしのぶ)への対応、西郷さんは薩摩藩家中、大久保さんは朝廷を説得する役を持ちますが、岩倉卿の予想の通り、慶喜さんは諸侯の言い分よりも、徳川主導の立場をつらぬき、兵庫開港、長州処理はそのままで、会議を終わらせます。
慶喜さんの表情をアップして、そのしたたかさを表現していました。
しかし、孝明天皇の崩御とともに、慶喜さんは後ろ盾を失います。他方、薩摩の三人組は、倒幕を決意します。列侯会議の失敗が、薩摩を倒幕に向かわせたと言えましょう。
役者として光っていたのは、篤姫と和宮さんの微妙な対決と融和だったと思います。
お二人とも、役柄そのままに、その雰囲気がまるで明治維新を数年後にひかえた大奥の、現実の情景に見えました。
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