« 小説木幡記:2008/10/24(金)君は小林秀雄を知っているか | トップページ | 小説木幡記:2008/10/25(土)土曜の日曜作家 »

2008年10月25日 (土)

小説木幡記:2008/10/25(土)爺爺放談(じじほうだん)

★老けはりましたなぁ
 家路につくとき近所の親父と数分一緒になった。親しくはないが30年来の近所の人だ。開口一番「Mu先生も、老けはりましたなぁ」。内心、ガックリした。生物学的年令は意識しておるが、気持の上では十代と変わらないというのに、なんたること、サンタルチア。

 しかたなかろう、髪も真っ白、しわだらけ、背中丸めてとぼとぼ歩いている姿はただの爺にすぎない。「先生」と呼ばれたのは意外だが、昔なにかの都合で新聞に顔がでたこともあったから、余が先生してると知れたようだ。なんの先生かは、知られていないじゃろう。N屋大人(うし)と、そのうち呼ばれてみたいもんや。

 しかし余よりずっと年長の麻生太郎総理は、わかわかしいというか、貧乏くさくない。一国の代表として、世間を歩いても恥ずかしくない。ほっと一安心しておる。資産公開があったが、課税標準額で4億5千万円の資産というから、時価だと10億円はくだらない。たいしたものだ、これこそ我が祖国日本の代表として、内閣総理大臣の資格が十分ある。やはり、末は博士か大臣か、の値うちがある。

★ミステリー作家麻生太郎の日常
 ニュースや新聞写真でみたが、東京のお屋敷など、「館モノ」密室ミステリーが何作でも出来るような風情ではないか。総理は密かに書いているかもしれない。深夜になると、廊下を真っ暗にして、メジャーやストップウオッチや懐中電灯を手に、地下から三階まで、20秒で走り抜けてスーツからパジャマに着替えられるか、などなどリアルな考証をされているかも知れない。あるいは窓からロープを下ろして68歳の体力でスムーズに降りて、別棟の茶室(あるだろう~)に1分以内に駆けつけて、警視庁警部が来たら悠然と茶を点てているなんて、できるかどうか、総理は絶対にやっておられる。

 あるいは窓から、隣の敷地に移ってきた某野党代表をサイレンサー付きライフル、しかも氷で作った弾丸で、見事打ち倒せるかどうか、クレー射撃とは異なるが、素人から見れば区別のつかない同じ鉄砲技。これは麻生君の腕前がオリンピック級だから、十分ありそうだ(笑)。しかし氷の弾丸は、考えないと、実現不可能かな。いや、国際法違反ではあるがこの際クラスター方式をとって、何層にも零下100度C程の氷玉を組み合わせたら、的に届いたとき中核氷玉だけが氷弾になるかもしれない。

★麻生太郎君の豪遊
 ああ、前置きが長すぎた。じじい放談じゃった。
 その麻生総理が高級ホテルで千円のビールを飲んだり、数千円のチーズやキャビアを食べながら、秘密会議したり談笑したりするのが、著しく庶民感覚からずれているから、身を慎めと、野党あたりから非難がでたらしい。政治家は焼き鳥屋で砂肝たべて安い冷や酒をのむくらいの、清貧が必要だという、なんちゅうか大昔の節約令を聞かされたようで、何とも言えない気持になったのう。

 と、それを見聞きした余の内心、飾らぬ言葉をメモしておこう。
 その野党の人達への偽らざる感覚とは。
 「やっぱり、この豊かな資本主義を潰して、原始共産制にするつもりやな!」 
 そのうちMuにも、「貧乏教授は、高級湯豆腐なんか行かずに、伏見の鳥せいで松の雫でも飲んでおれ、ちゅうつもりやな!」
 「東京行っても、高層ホテルなんか登ったらあかん言うのやろぉ。入り口にバリケード貼る気やな。親友隊にそうさせるつもりやな!」(と、ここは「20世紀少年」やMuBlogの過去記事を知らないと意味が通じない)

★遙かなり、小学校のクラス会
 一国の宰相が、ガード下の焼き鳥屋で、毎日ホームレスのおっさんに混じって、安酒飲んだら、わが日本はうまく行くと、言いたいのか?
 いつも思う。もう、そんな貧乏くさいことで人の揚げ足をとるなよ。
 いまどき、ジョッキ飲んだら伏見の黄桜でも千円前後する。発泡酒のんでたら、庶民感覚ちゅうのか?
 ガキと変わらない論法やで。
 昔の、小学校のクラス会をすぐ思い出す。「○◎ちゃんは、御手洗いの後、手を洗いませんでした。悪いひとです」「○◎君は、修学旅行のお小遣いが30円と決まったのに、こっそり100円持っていました」……。

★贅沢は年金支給停止か
 内閣総理大臣麻生太郎君、毎夜一杯5000円の珈琲を飲んで、都内と石原君を眼下に睥睨し、総理大臣の威厳をわれら庶民に見せなされ。そうして下されば、将来、「RSみたいな、リッターで10キロしか走らない贅沢な自動車に乗る高齢者には、年金を支給しない! とか、一台1万円もするNゲージ機関車を年に3本も買う高齢者には、支給停止する」なんて、悪法をだれも通さなくなることでしょう。
 でないと将来は、産経新聞みたいな高いものを毎日購読するのは贅沢じゃ、となりそうな予感。朝日なら許すとかな(笑)

◎余は善人であった
 本当は、一本千円のビールが高いというのが庶民感覚からずれているのかも知れない。京都の庶民の小料理屋「めなみ」でも、松茸土瓶蒸しをいただくと、2千円はするなぁ。毎夜とは言わないが毎週は行ってみたい身分になりたいのう。だから、毎日仕事ができる。
 総理大臣になったら、貧乏のふりしないといけないなら、そんな仕事は厭だね。
 そうか、我が国では貧乏人が善人で、高位高官政治家閣僚達はみんな悪人という式が、昔も今も野党の正論なんじゃ。余は、ここにいたって、善人だと判明した
 やっと、分かった。

|

« 小説木幡記:2008/10/24(金)君は小林秀雄を知っているか | トップページ | 小説木幡記:2008/10/25(土)土曜の日曜作家 »

小説木幡記」カテゴリの記事

コメント

Muの旦那はん 今晩わ

 ご機嫌如何でせうか?早いものでもう今年も終りに近くなりましたね。

 今日は朝早くから鶴見川の堤防に出かけて藪蚊に仰山さされました。

 爺爺放談に関連した記事を書きました。http://akatonbo-jo.cocolog-nifty.com/jo/2008/10/post-0f92.html

 そうかトラックバックすればいいのかな~~。

 ホテルのバーは手ごろですよね、銀座のお姉さまのおられる所に比べれば格安です。オークラのバーは昔はジャズが流れていて、私もよく誘われました。

投稿: jo | 2008年10月25日 (土) 18時36分

Joさん、放談とまでは行きませんが、諸外国でも日本でも、歴史でも、なりふり構わず政敵にケチをつけるのは、見苦しいものと考えます。

政治の世界では、すぐに衆愚政治に落ち込みます。

私はもうガキの年じゃないから、ガキのセリフを新聞やTVで見るとげっそりします。

まあ、しいて申せば、人のふり見て我がふり直せ、という美風が日本にはありましたから、東京の高級ホテル・バーラウンジで談笑したり密談するのが、腹立たしいなら、これからの政治は、路上とか公園でコップ酒のみながら、話せばすむことです。

しかし、みんな清貧になると、日本経済も年金も内需拡大も全部チャラになりそうですね(笑)
金は天下の回りもの、持つ人がさっさと使わないと、ホテル従業員が路頭に迷います。

私は分に応じて、五百円の珈琲とか、一皿千円の焼肉で十分です。

投稿: Mu→JO | 2008年10月25日 (土) 20時38分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 小説木幡記:2008/10/25(土)爺爺放談(じじほうだん):

« 小説木幡記:2008/10/24(金)君は小林秀雄を知っているか | トップページ | 小説木幡記:2008/10/25(土)土曜の日曜作家 »