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2008年9月26日 (金)

昭和の鉄道模型をつくる(33)木造平屋住宅

承前:昭和の鉄道模型をつくる(32)カワムラ理髪店

33:部品と工作(木造平屋住宅)

3301:木造平屋住宅(正面)
3303:木造平屋住宅(背面)

 この建物は昔の市営住宅とか、官舎とか、なにかしら国や地方の規格住宅という印象があります。全国一律の設計があったのでしょうか(調べればわかるでしょう)。平屋なのが記憶を刺激します。昔、父が言うには「平屋建ては贅沢なんだ」と話がありました。父親と息子達とで自宅を大半造った頃のことです。(設計から基礎打ち、その他、左官のまねごと(粗壁は私も塗りました))。完成した当時の実家は、当然二階建てで、私はその六畳一室をもらいました。

 京都市の岡崎を自動車通勤で通っていた頃、だれかお金持ちが長期間かけて家を造っていたのが印象深いです。ゆっくり造っていました。大きな敷地に、平屋建てということが、車窓から毎日眺められたのです。
 完成したとき、門からうかがうと、やはり平屋の上等な建物でした。
 (実は、後日に分かったのですが、今のパナソニック、つまりナショナル、故・松下幸之助さんが施主だったのです)

 今回の模型、二個一の平屋って、よくこんなにうまく造ったものですね。模型開発関係者は、図書館なんかへ行って、過去を調べて設計するのでしょうか。楽しそうです。

33:鉄道模型の達人/野月貴弘(のづきたかひろ)

331:野月貴弘
 野月貴弘さんは35歳で「鉄ミュージシャン」と書いてありました。車掌DJらしいです。ところが、鉄ミュージシャンも車掌DJも、一体どんなお仕事なのか、まるっきり想像を絶します。列車情景の音が音楽の中に組み込まれているのでしょうね。

 一番気になったのは、野月さんのスタジオの目線にあるNゲージレイアウト、その上のディスプレイ専用高架線でした。確かにディスプレイ専用だから、両端が切断されたままなのですが、それが機能的に見えて、この仕様に惹かれたのです。
 私の場合は、ジオラマ自体が小さくて、いくつかの列車編成を試すときとっかえひっかえするのですが、一々箱ケースからの出し入れなど、面倒なのです。数種類をさっと見渡して比較するときなど、いつも眼前の高架橋に並んでいると便利だろうな、と思いました。
 もう一つは野月さんが中学生の頃に、キハ58(古典的なJRディーゼル車)を基本にして、「アルファコンチネンタル(注)」という改造車を作ったことです。掲載写真は小さいのですが、キハ58系には見えない異国風の汽車が鎮座していました。私もやってみたいですね。題して「アルファコンチネンタル仕様の図書館列車(笑)」。

注:アルファコンチネンタルの大きい写真をネットで探していたら、「敷き布レイアウト」にありました。

33:ジオラマ/レイアウトの制作(21)路面軌道を作る 2

332:ジオラマ/レイアウトの制作(21)路面軌道を作る 2
 先回の続きですが、純粋の鉄道模型工作がどれほど繊細な工程を必要とするのか、目の当たりにして、少し凹んでいます。以前、建物の窓枠を作る記事でも鬱しました。
 要諦を二つ抽出しますと、一つは塗装です。レール全体にマスキングテープを貼って、「ニュートラルグレーのジェッソを刷毛で全面塗りする」。次に軌道部のプラスチックは、模型用塗装スプレーのニュートラルグレーを吹き付け、その上からダークイエローを薄めに吹き付ける、……。微妙ですね、手が震え、頭が痺れそうな細密仕事です。できませんなぁ(笑)

 次に仕上げですが、道路中央に白いICテープを貼りセンターライン。さらに車両進入禁止ラインには黄色のICテープを貼る。ICテープは以前ずいぶん気になったのですが、いまだに発見出来ません(お店のこと)。それにしても、細いICテープを貼っている我が身を想像すると、肩がこって眼精疲労をまねくような鉄道模型工作に、私は記事を読んでいるだけでいささか疲れました。
 やはりですね、叩きモデラーが性に合っていそうです。

33:昭和の『鉄道模型』をつくる

333:昭和の『鉄道模型』をつくる;33
 この号にはビートルズやジャイアント馬場のことなど興味深いものが多いのですが、巻頭「土讃線」をメモしておきます。ここ数回、巻頭シリーズ「昭和レトロ列車でなつかしい紀行」が気に入っているのだと思います。
 実車にはほとんど興味が無くて、写真を撮った経験は、これまで明治村の古代車と、嵯峨野トロッコ列車と、新幹線のジェット戦闘機のようなタイプと、京阪特急ダブルデッカーくらいでしょうか。だから、以前なら四国の土讃線をキハ58系ディーゼル車が走る、というような記事を見ても頭に入らなかったと思います。ところが、最近は「ああ、行ってみたい。風景を走る列車を写真やビデオに収めたい」と、思うようになったのです。将来、この冊子の巻頭シリーズを最初から読み直したくなりました。以下、惹句を引用しておきます。
土讃線 多度津~高知◎126.6km
香川県(讃岐)と高知県(土佐)を結ぶJR土讃線は、”四国縦断鉄道”とも呼ばれている。そこを走っているのは御年47歳のキハ58系。日本屈指の秘境、四国山地で奮闘するレトロ列車に会いたくなった--。


大きな地図で見る
(土讃線の大歩危駅)
 どんなところかを地図で見て、「あは!」と声を上げました。つまり愛用している「大歩危トロッコ号」が走っている線だったのです。どれほど私がこれまで実車軽視か分かるというものです。気がつかなかったのです。記事にはトロッコ号のことが書いてなかったのですが、これは「昭和レトロ列車」とは製造後30年以上の車両という規定に従っているようです。
 写真や記事の見所は、トラス橋上の「土佐北川駅」、そしてスイッチバック駅が二つ(坪尻駅と、新改駅)もあることでしょう。
 瀬戸内海の多度津駅を12:51発、途中坪尻駅で下車して50分程度散歩。「全国屈指の秘境駅」らしいです(笑)。次の列車に乗って、14:57阿波池田駅到着。ここで一泊。翌朝、阿波池田駅を5:33発か5:58発に乗車。土佐山田駅をすぎて、高知に着いたのはいつ頃でしょうか?
 阿波池田で午後に一泊し、翌早朝に乗ったのは、こだわりというのでしょうか、キハ58+28編成が早朝に二本しかなかったからのようです。いやはや、実車志向は窮屈ですねぇ()。

33:未来の図書館、過去の図書館
 迷ったときは初心に戻る、という単純な原則は大体いつでも有効です。その後のいろいろなことで状況は変化し自分も変わるものですが、最初の決心や印象は大切です。
 その初心をどこまで遡らせるかについては、いろいろ考えもあるでしょう。確実なことは、人間の記憶は幼少時、少年少女時代のものの方が末永く残ります。

 多数の中から「一人」を特定できる、あるいは本人が「私」といえる、その者の自我、人格とは、時間と成長にそって、外界情報をとりこんで消化し判断し行動してきたこと、つまり経験の記憶重層によって形成されているのだと思います。
 それならば総ての志が潰えたとき、現時点の人格にゆらぎが生じたとき、人はどこまで遡るのでしょう。多分、少年少女時代の経験の記憶だと思います。そこまでもどれば、現在の迷いを正すことができるはずです。

 ところで。初心に戻ること、もっと具体的に。
 未来の図書館を考えるとき、私はずっと初心「二階建てトロッコ鉄道図書館」を提唱してきました。
 しかし最近、夏期論文(『日本の美術史/保田與重郎』、の可視化)という責務を果たし終え、そして勤務先のさまざまな職務に没頭し、研究者とのお話や学生達との交流によって、時間的にも、この初心・図書館列車にゆらぎが生じてきました。その一番の現れは夏期中に内心「色塗りまでは」と思っていた「邪馬台国周遊図書館ジオラマ」をさっさと、天井にかたづけてしまったことです。すでに走行テストが大成功だったにもかかわらず(注)。

 事情は様々ですが、私が夏期論文の優先度を90%にあげたことが第一の原因でした。
 なぜなのか。
 その夏期論文の初心が20代まで確実に遡れる内容だったからです。わずか半年の「邪馬台国周遊図書館列車ジオラマ」や、そこを快走する「二階建てトロッコ鉄道図書館」は、製作展示部屋を学生達に明け渡す事情もあって、頭から消したのです。古い初心を優先し、新しい初心を隠したのです。

 今朝、このあたりの心理操作に、これまで無意識に書いてきた「未来の図書館、過去の図書館」というタイトルの意味が私自身に分かってきました。なぜ紙メディアに拘り、図書や雑誌を列車に乗せて、日本の深山幽谷・山岳鉄道を温泉列車付きで走らせたいのか。
 紙メディアも、鉄道も、温泉図書館列車を走らせるのも、田舎の無人駅を図書館列車の停車場とするのも、古い初心(図書館)です。そして未来への初心(図書館)とは、こうしたアナログなインターフェースをもって、これまでにない図書館を作ることなのです。

 さて。
 久しぶりに、京阪特急ダブルデッカー車と、大歩危トロッコ列車とを、古いディーゼル機関車DE10タイプに組み込んで、走らせてみます。そのことで、新しい初心を取り戻してみます。

注:相当に複雑なレイアウト(線路配置)だったので、設計した通り走るかどうかが最初の難題だったのです。それがうまく行ったのだから、一気呵成に山やら川やら神社まで、夏期中にやってやれないことはなかった、ということです。

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承前:昭和の鉄道模型をつくる(33)木造平屋住宅 34:部品と工作(洋館付き和風住宅)  この家も郷愁を誘う家です。小学生のころ、医師の息子と知り合いだったのですが(高校の頃も3人ほどいました)、その家に招かれた時、洋風の応接室だったのをはっきり覚えております。電蓄という、電気式音楽再生装置に直径30センチほどの黒いレコード盤を置いて、友人がかけてくれました。何かの行進曲だったはずです。母上が、紅... [続きを読む]

受信: 2008年11月17日 (月) 17時30分

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