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2008年9月28日 (日)

高台の図書館:鉄道図書館(2)試験走行→DD51+ED790(Nゲージ)

承前:高台の図書館:鉄道図書館(1)基盤
参考:国鉄時代のレールバス:キハ02形レールバス(TOMIX)

Nゲージ小型・机上ジオラマ
 小型ジオラマを机上で運用する利点は、持ち運びが可能なので、私のような教員にとっては一般教室に簡単に移動できることが第一にある。もともとベニヤ板と発泡スチロールが主体なので軽い。他には、スペースを気楽に使える。運転するのも、造るのも、かたづけるのも30X60センチ程度だと手軽に出来る。そして、制作費が安価になる。レールやポイントや塗料など、総合的にみると随分楽になる。
 
 しかし、ミニカーブレール(TOMIX)で列車を走行させるのは難しいことが多い。平面ならもう少したやすくなるが、高台の図書館のコンセプトは、高台に図書館を置き、そこに図書館列車を横付けすることにある。だから、短距離にもかかわらず急坂を設けざるをえなくなり、そのためにレールの至る所で凸凹が発生する。
 凸凹と言ってもレールの継ぎ目付近で一ミリ程度のことだが、これが実車だと1/150縮尺だから150ミリ、つまり15センチ程度の高低差が線路の継ぎ目で出来ることになり、不自然になる。

急坂急カーブ走行の条件
 こういう技術的な問題をうまくこなさないと、言葉の上での「図書館列車」コンセプトは、モデルレベルでも走行しない。だから、何度も何度も走行テストを繰り返す。繰り返す中で一定の条件が明確になってきた。

1.レールの半径
 レールの曲率は、動画のレベルではもう変えられない。このレールの場合、最小の半径10センチをさけて、その上の半径14センチを使っている。ミニカーブレールは、あと半径17センチのものもあるが、それは30X60センチの基盤におさまりきらなくなる。
 なお、「邪馬台国周遊図書館ジオラマ」の走行テストでは、この半径17センチ(177ミリ)のミニカーブだと、お召し列車の動力車や、蒸気機関車、新幹線レベルの車両でも、ほぼ通過する。いずれも車輪が多く、車体長が長い、つまりミニカーブレールを走らないタイプ車両である。

2.レールの勾配
 勾配を表すのには、実車とモデルではそれぞれ規格があるが、ここでは言及しない。
 実際のモデル製作では、発泡スチロールに溝を付けたり、薄いスチロールで高低を調整している。目で見てなんとなく「これくらいは坂がないと」とか「こんな急坂にするのは不自然」と、すなわち経験的に決定している。

3.走行機関車(動力車)
 走行する機関車の条件をまとめてみた。

3.1 カーブを回り切る必要がある
 TOMIXのミニカーブレールには先述の、半径10、14、17センチがある。ここで走行させるには、車輪の数、つまり台車や車軸の多さに影響を受ける。車体長は20m級以下がよい。さらに、動力車の場合は車軸が多いと可動部分が狭くなり、半径におさまりきらなくなる。
 非動力車の場合は、台車を一回転するくらいの修正が可能だが、動力部を含む車軸や台車周辺を調整するのは難しい。
 また一般に、KATO製の動力車は特殊な急カーブには向かない。TOMIX製品も「ミニカーブレール対応」と書いてない動力車は相当に調整が必要となる。

3.2 登坂力が必要
 平面なら問題はないが、私の設計するジオラマは、図書館の無いような秘境や田舎へ、移動図書館として「図書館列車」が走ることにあるから、急坂急カーブをスムーズに走る能力が必要である。
 MODEMO製の箱根登山鉄道タイプだと、半径10センチのループ急坂をじっくり上り詰める能力があるが、他社の高速設計された動力車は難しい。
 ただし、動画のTOMIX製、ED79-0タイプ(ないし、別のED79-100)は出色の力を見せる。これは発進停止も理想的な動きを見せる。

 動力車の調整事例として、動画のDD51ディーゼル車を注視するとわかる。真ん中にある非動力台車を取り外している。遊輪なのだが、急坂急カーブでは、この台車がレールと不都合な接触を見せた。精密模型を志向する人から見ると乱暴な方法ではある。

3.3 静音
 これはMODEMO製の急坂対応タイプや、上述のTOMIX製ED79系で考えたことだが、机上に乗る小型ジオラマの場合、静音は必要である。TOMIX製ED79タイプは、MODEMO製と遜色ない静音であった。

4.客車(非動力車)
 非動力車の場合、小型・急坂急カーブジオラマでの走行は、動力車よりも簡便になる。15m級までなら問題なく走る場合が多い。ただし、台車がなく車軸が左右に回転しないもの、たとえばトーマス号のような2軸が多い車体固定車軸は、問題が生じる。
 台車付きであっても、カプラーの形態によっては、台車回転に制限があって半径10センチのミニカーブレールは難しいことが多い。この場合は回転付近をカッターナイフで削ることで対応する。精密モデル志向の人には難しい決断となる。
 さらに20m級の車体だと、半径10センチのカーブは無理と考えた方が良い。

備考1
 動画では、最初に先頭車両として近江鉄道クハ1202(TOMYTEC製の鉄道コレクション第6弾内)が見えているが、途中で脱線し隠れてしまい、そのまま先頭にディーゼル車が現れた。先頭に車重の軽い車体を置き、後部から押すと、レールが複雑な場合脱線が多くなる。
 力持ち、静音タイプの動力車を重連にしたのは、多様なケースでも走行するかどうかを確かめたかったことが第一にある。
 しかし動画では、高台の図書館急坂へバックで入る場面で、動力車の難渋を感じる。これは非力さとか登坂力のなさではなく、実はポイント部分の接触が悪かったので、グリースをほんの少し注入したことが原因だった。つまり、ポイント周辺のレールが薄い油膜で覆われて、動輪がスリップし始めたわけである。さっそくクリーナーでレールを拭き、動輪、車輪を清掃したが、なかなか元に戻らない。初心者のミスと言える。

備考2
 YouTubeを今後活用していきたい。実際に走行する雰囲気を静止画で表現するには特殊な写真技術がいると分かってきた。動画は少し簡便に表現できる。

高台(1)←続く→高台(3)

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受信: 2008年10月17日 (金) 01時20分

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