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2008年9月24日 (水)

小説木幡記:2008/09/25(水)プルートゥ06とTruth25

 火曜日の休みの日に、浦沢直樹・プルートゥ06を読んだ。
 ずっと読んできたので、先回記事をMuBlogで捜したら、プルートウ:Pluto(3)が、2006.04.18に書かれた切りで、もう二年半も書いていない。
 ああ、そうなんだ04号で途切れたわけだ。つまらないから書かなかったんじゃなくて、壮絶な悲哀感に押しつぶされて、筆とるあたはず状態に陥ったのだ。
 おもいだした、アトム。

 感想文を書くとしたら、一旦04号までもどり、05、06と書かないと、ロボットMuのことだからまた失調する。そんなこんなで、今夜は一行メモ。
「プルートウの06号は、刑事ゲジヒトの物語です。ぐぅぐぅぐぅ~と来ましたね。言葉になりません」
 ↑これではいかにもそっけないので、豪華版附録について一言↓
「附録に別冊30ページの長さで『月に向かって投げろ!』がありました。再読になりますが、珠玉の短編小説=漫画の佳さがありました。」
 これでもそっけなさすぎるので、もう少し。

↓Pluto06/浦沢直樹.小学館 p7より引用
Pluto06p7 本題の、プルートウ6号。ゲジヒトの造形と、p7の花売り少年ロボとの出合場面は永遠に余の記憶にのこりそうだ。

 上右・傷病少年帰還兵ロボットの倒れ姿、花を守っている。
 上左・ゲジヒトが抱え上げる、少年ロボがゲジヒトを見上げた表情。
 下右・立ち上がった旧式ロボットの、がに股。
 セリフ・少年ロボ「戦争で壊れてから、バランスが悪くて……」
 セリフ・ゲジヒト「いや……」「そうか……」

 漫画というメディア表現の極致がある。「戦争で」が無くても、「壊れてから」で傷病少年帰還兵ロボットの過去がすべて現れる。そして少年ロボであることは、顔つき、その柔和な丸い眼で即座にわかる。どれほど旧式のロボットかは、そばの超高性能最強のゲジヒト・ロボット刑事と比較すると一目でわかる。
 次のページ8では、少年ロボの左手が単純な義手じゃなくて、……。つまり観光客とのやりとりに使われていることもわかる。
 ゲジヒトやアトムになると、ロボット識別装置が誤動作をおこす場合もある。人間と変わらない。それに比して、この少年ロボットは、痛々しいまでに旧式をさらけ出している。頭も半分無くなっている。

 このページに来て、突然現れた少年ロボットに、余は愕然とした。上右で「おや?」と思い、上左で「ちいさい、プチロボなのか?」と想像し、下右で「可愛らしいロボット」と、味わった。しかし、その背後で、余の心に強い印象が焼き付けられてしまった。それがこの6号に対する、余の感想文である。

 今日水曜日の夕方、葛野図書倶楽部2001屯所で、機関誌「Truth25」が隊員達の手によって完成した。余が会議会議の後にようやく屯所を覗いた時は、あらかたの隊員達が帰宅したあとで、副長(編集長)、局長(編集顧問)、そして経理局長が残っていた。
 研究室にもどりざっと眺め、木幡研に帰ってから精読した。火曜に読んだPluto06を思い出していた。
 感動的に「よい出来」だった。 

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