小説木幡記:2008/09/03(水)気分は戦場・夏期論文
1.燃える第三ステージ:夏期論文
余は感想文は自然にいくらでも、どれだけでも書けるのである。MuBlogの累々たる1500以上の記事をみればそれはよく分かる。なれど、こと「論文」とかになると、時速300キロのスーパー・スピードが一挙にガス欠寸前の徒歩レベルになる。理由を今朝考えてみた。論文は一定の形式を持つ。他分野の人が読んでも「うん、なるほど」と、思うように書かないとクズ論文になる。それが難しいのだ。
だからカタツムリになってしまう。
昨日は寝食わすれて夏期論文に打ち込んでいた。まるで、大人買いした漫画本20冊を一日でまとめ読みするような物だ。MuBlog記事を書くのを忘れてしまった。
しんどいことだったが、すべてのデータは完成完了したので、結論はでた。あとは延々と書くだけになった。しばらく不眠不休になるのじゃろう。
2.燃える読書三昧:相変わらずのミステリー
この8月も、合間をぬって読書三昧に沈み込んでいた。と書くと、なにやら上記の1と矛盾を来すよう邪が、人とは矛盾したものであると深く認識するのが大人のあかし。
ちょっと気に入った物を列挙して、メモとする。平成20年の夏、Muはかくのごとき素晴らしい読書環境にめぐまれて、知育(爆)にはげんでおった。難読症の方には、申し訳ないことだが、他に特技がないのでよろしかろう。
ボーン・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー (文春文庫、上下)
石の猿/ジェフリー・ディーヴァー (文春文庫、上下)
異邦人/パトリシア・コーンウェル (講談社文庫、上下)
珍妃の井戸(ちんぴのいど)/浅田次郎 (講談社文庫)
*読書継続中図書 眩人(げんじん)/松本清張 (中央公論社)
この9月はもう読めなくなるので、上記の「眩人」を再読できればそれで満足。眩人は昔に、どこかの図書館で借りて読んだが、再読していて実におもしろい。余は脳がしっかりしていないので、再読しても新品の読書に感じられる。経済的にできておる脳。
3.燃える読書感想文:書こうとすると書けないもんじゃね( ̄ー ̄)ニヤリ
最近(ああ、数日前かぁ)コピペ問題で読書感想文に言及したが、そのとたんに書くのが煩わしくなった。で、メモを残しておこう。
ボーン・コレクターはね、映画でみるよりも緻密でよろしいな。人差し指一本しか動かせない、かつて優秀な鑑識部長が犯罪捜査に関わる設定がおもしろいね。助手役の、モデルをしていた若い女性警察官が、だんだん成長していく過程が気に入った。どれほど美しく恵まれた頭脳をもっていても、心にかかえる深い問題が、爪かみなどの自傷に現れ、関節炎で痛む足を引きずりながら、捜査にのめり込んでいく。ふむふむ、新たな教養小説なんだ。これは映画よりも上等だね。
石の猿は、ちょっとした名作だ。ボーン・コレクターの登場人物がそのまま出てくるのだが、チャイナタウンの様子がおもしろかった。中国公安刑事のキャラ造りが、実によいね。読みごたえがあったぞ。秀作。
異邦人はね、このシリーズは1~15まで読んだことになる。うむ。男女の簡単じゃない△□関係が前面にでてきて、Muの性格からすると避けたい作品になっていたのじゃが、この15作目はそうでありながらもだいぶ一新した。これは一種の社会派(笑)ミステリーなんじゃね。それと50歳前後の超キャリア女性が、どんな風に悩むのか、作者が女性であるだけに興味深かった。女性の中には、余よりもずっと繊細、こまかな人の心で、病気になるほど悩むんじゃ~、ということが実感できた。
余の工作悩みや論文悩みとは相当に異なる。男は、というよりも余は単純なんじゃと、痛切に思った。
珍妃の井戸はね、その前作・長編文庫5冊かな「蒼穹の昴」を読んでいると趣がさらに深まる。
読書中の眩人は、重厚さというものが身にしみてくる。
4.というわけで本日定食、今週来週定食
またしても、12時間くらい夏期論文に熱中して、第三ステージの80%くらいまで疾走する。
今週も来週も来客があって、校務責務があって、脳が切り替わるので、かえって夏期論文はよい成果を出すじゃろう。
そろそろ授業準備にもはいりましょう。ふむ。
ああ! 掃除を忘れていた。
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