小説木幡記:2008/08/16(土)こつこつと時が経つ
今夏の、採点や会議やOC(オープンキャンパス)やAsuka2008や納涼会や、もろもろが嘘のように消えて、毎日鬱の海の中にたゆたい、それでも呆然としながらも、読書し論をなし、工作し、MuBlogに筆を染めている。
どれも生きている限り、終わりはない。
何かをしようとしているのではなくて、息をするように、茶を飲むように、午前は論文、午後は工作、夜は読書と、まるで輪廻、永劫回帰の輪の中を、飽きもせずとぼとぼ歩いている。
気がつくと、夕方になり、夜になり、朝になる。
こうして余の人生も、気がついたら前方後円墳玄室の石棺の中で、ひたひたと水の落ちる音を聞きながら、横たわっているのだろうか。
あっというまの人生だなぁ。
今日は部屋の外にでて、もわっとする暑気に出合い、次に建物をでたとき、ひやりとする涼気を味わった。気がついたら、初秋にはいっていたのじゃなかろうか。そういえば、鏡を見ると白髪で、人にも会わずで髭にあたっていない。白い髭で顎が埋まりだした。年月はこつこつと絶え間なく、飽きもせで、重ねていく。
よいなぁ~、時空間に制約を受けた有機生命体の人生。
常に終わりがある。
活きても、屍同然でも、月日が経っていく。どちらも変わりはないだろうが、たまたま余は鬱の中にいつも光が見えていた。その細い鮮やかなレーザー光線のような輝きが好きで、それを見たくて、活きようとしてきた。
今もそれが見える、だから、活きようと思ったね。
今夕も、米のご飯がうまかった。
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