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2008年7月 4日 (金)

昭和の鉄道模型をつくる(30) 音羽書店

承前:昭和の鉄道模型をつくる(29) 米山写真館

30:ここまで完成(~30)

3000:ここまで完成(~30)1
3000:ここまで完成(~30)2
 ほんの少し空き地がありますが、この30号でおおよその家屋密集状態がはっきりと分かってきました。実は、建物はあと五軒ほど残っています。そのあとで、本格的なジオラマ風の作業が待っております。
 写真に見える二両編成の電車は、この週刊誌とは全く無関係の、MODEMO「箱根登山鉄道」(モハ2形、緑塗装。ハセガワ製)です。じっくりじわじわと静かに走ります。ミニポイント部分もあっけなく通過して駅舎に入りますから、もともとある超高速フリーランス(自由形式)電車が煩いときは、代車として最適ですね。静かな走行です。ただし、最高速度はとても低いです(笑)。
 ところで、写真には写していませんが、週刊誌(講談社)が何度も「走らない車両があります」と、注意書きしなくても、このジオラマには多様な列車が走ります。たとえば、JR系の小田急ロマンス特急(独特の二階建て連車)が4~6両編成で走るのです。他にもいろいろ確かめているのですが、25m級のディーゼル車とか電気機関車は、車輪が多すぎるのでしょうか、走れません。普通の電車タイプですと、大抵うまくいきます。場合によっては、台車の引っかかり部分を0.5~1ミリ程度削る場合もありますが、順調ですね。ただし、周回線路の7割も列車で埋め尽くすのは、まるでお笑いです。それを醜態と見る真面目なマニアだと、多分吐き捨てるか、怒るでしょう

30:部品と工作(音羽書店)

3001:書店「音羽書店」正面
3002:「音羽書店」の背面
 写真の解説部分にも記しましたが、「音羽」という名辞がクセモノですね。この週刊誌発行元の講談社の住所は「音羽」なのです。
 屋根近くの丸時計が本当にリアルです。9時8分をさしています。町の書店はこんなに早く開店するでしょうか? いろいろ想像が湧いてきます。
 そうそう、店舗内部の様子はどうなんでしょう? 外を写すのに気をとられて、内部を確認していませんでした。書棚や図書があったら、我が嵯峨野鉄道図書館ジオラマで、その造りを応用したいです。~。

30:鉄道模型の達人/小泉美紀(みのる)

301:小泉美紀(みのる)
 今週の鉄人も驚くような作品でした。直径13、高さ20センチの透明アクリルケースにすっぽり入る円柱ジオラマなのです。作者の小泉(58歳)さんは鉄道模型関係のデザイナーという、つまり本職なのですが、「鉄道ファンの御法度」破りが信条のようで、意表をつく、作品です。
 ありとあらゆる既製品の電車や建物やレール(Nゲージ)は、なにもかもぶった切りにして、新世界の生贄にするようですね()。たとえばNゲージ電車を真っ二つにして、二両編成にしてしまう。レールの曲率も自由自在に変えてしまいます。
 もしも、この直径13センチの円柱ジオラマを「昭和の鉄道模型」と並べますと、昭和の方は巨大都市に見えてきそうです。さらに、写真で一部わかると思いますが、細部が、デザイナー感覚にあふれています。なにげなく置いた小物が、どれも生きていますね。写真右側の、踏切の間を走る自転車なんか、感動ものですよ。

30:ジオラマ/レイアウトの制作(18)雪景色を作る

302:ジオラマ/レイアウトの制作(18)雪景色を作る
 この鉄道模型AtoZだけを切り離して、事項索引を付ければ、完全な「ジオラマ製作大鑑」ハンドブックになるでしょう。見開き2ページに分かりやすい写真と記事、要を得た筆致ですね。
 雪景色の要素は、(1)重曹(ふくらし粉の事でしたっけ?)、(2)霧吹き水、(3)ボンド水溶液、(4)茶こしや刷毛。この4項目です。
 そして情景毎に重曹のまぶし方が異なります。
 (a)河原や平地(満遍なく重曹を茶こしでまぶす。川にはつもらないが、池は氷との関係があるな?)
 (b)岩や山の頂(普通は頂だけに多量につもる)
 (c)岩肌や山肌(傾斜によっては、くぼみ部分くらいしか雪はつもらない)
 まぶした重曹は、刷毛でならす。

 つまり、自然(や対象)をよく観察して、それを再現するのが要諦ですね。写真も参考にしたら? と書いてありました。

 最後に作業手順ですが、これが分かりやすくまとまっています。
 ◎霧吹き水で湿らす→重曹をまぶす→刷毛で整形→霧吹き水で湿らす→ボンド水溶液で定着→◎
 ◎から◎を数度繰り返して完全にしていくとのこと。
 手間がかかりまする

30:昭和の『鉄道模型』をつくる

303:昭和の『鉄道模型』をつくる
 昭和39(1964)年に、映画「砂の女」(安部公房原作)が勅使河原宏(てしがわらひろし)の脚本・監督で上映された。砂丘の未亡人が岸田今日子、昆虫採集にきた教師が岡田英二。カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞。未亡人の大胆な演技が話題になった、と。
 DVDをインターネットで捜したら、製作されていました。半世紀前の映画でも、見たい人はいるようです。と書くと、映画ファンに笑われますね。
 もちろん、私もこの映画を見てみたいです。当時「見なかった」という記憶が明確にあるからです。見たい、観るべき、観なければと想ったのに、結局生涯観ていない映画や小説の多いこと!
 もちろん私は、昭和40年代から、原作者・安部公房のファンでした。だから原作は覚えております。これはいつでも再読できる状態なのです。おそらく、色あせていない、数少ない小説の一つでしょう。

 これを記していて再認識しました。この週刊誌は、明確に昭和30年代専用のタイムマシン機能を持っていますね。ごく自然に、その当時の雰囲気を点描し、読み終わるとその時代を一巡したような想いにおそわれるのです。クリネックスティシューが出始めた頃、巨人軍の長嶋、王のふたり「ON時代」が始まった頃。そして藤子不二雄の「オバQ」の連載が少年サンデーで始まった頃。私は、そのころ多分高校生だったようです。

30:未来の図書館、過去の図書館
A:図書の重さ?
 図書の重さについて考えてみました。手頃な小説やノンフィクションがあったので、計ってみると600ページで600グラム(0.6キログラム)ありました。図書といっても、紙質やページ数、アルバム類、新書や文庫と多様なので一概には言えないのですが。
 たとえば、小さな大学の蔵書冊数ですと、20万冊程度です。国立国会図書館ですと1000万冊、東京大学図書館ですと900万冊、京都大学だと700万冊程度でしょうね。大きな都市の中央公共図書館ですと、100万冊前後でしょうか。

 切りのよいところで、100万冊の重さを計算しました。100万x0.6キログラム→60万キロ
 たしか1トンは1000キログラムでしたね(笑)
 だとすると、600トンでしょうか? 4トントラックですと計算上、150台分!
 重いですね。

 さて。列車一台に乗る人はどのくらいでしょうか。通勤電車なんて、150%くらいになるので計算しにくいですが、おおよそ25m級の二階建て列車ですと100人程度のようです。一人あたり60キログラムとすると、100人で6000キログラム、つまり6トンくらいまでなら十分大丈夫、と思えます。実際はその倍でも、壊れはしないでしょうが。椅子も外せば、もっと多量の乗員に耐えることでしょう。

 さて、列車一台で6トンの荷重に耐えられるとすると、図書に換算して、6000キログラム÷0.6キログラム→10000冊、となります。
 つまり、列車一両には、10000冊程度の図書を積んでも、十分実用的安全性は計れるわけです。

B:図書の幅
 重さは一車輌1万冊が確実ですから、通常列車なら余裕です。しかし面積ではどうでしょう。
 一般に図書のかさ高さを図書館で計測するとき、一番簡便な方法は書棚の棚数ではかります。これだと、一般の家でも分かりやすいですね。

 棚一つに20~25冊の図書が収められると言われていますので、余裕を持って20冊としましょう。次に書架(本箱)はどのくらいの棚数でしょうか。これは、高さによりますね。6段くらいだと手を伸ばせば届きます。
 計算してみると、書架一台片面に、20冊x6=120冊入ります。これだと、空き空きですがね。
 すると、10000冊に対して、本箱はどれだけ必要でしょうか?
 10000÷120冊→83台です。(ちょっと越えますが)

 さて、83台の書架は、横に並べるとどうなるでしょう。ここは、単純に一台1m必要とすると、83mも必要です。困りました。列車は大体25m長と考えていくと、4両も必要になります。
 ちょっと、お待ち下さい。
 書架を左右窓の両側に片面でならべ、中央に両面で並べるとどうでしょう? つまり、4列になります。

窓側  -------- 片面書架
中央  ======== 両面書架
窓側  -------- 片面書架

 すると! 25m級の列車で、もろもろ考えて20m使えるとしても、80台セットできます。棚一段にところどころ25冊収納されるとすると、余裕をもってこの80台の書架で、1万冊収納し、それは列車一両に収まるではありませんか!

C:列車と図書収納冊数
 ここで、やっと目安ができてきました。
 25m級の列車ですと、1万冊の図書の荷重に耐え、そして収納が可能になるということです。
 1万冊の図書・蔵書というとですね、大体中学校の学校図書館蔵書冊数レベルでしょうか?

 それが、多い少ないは別にして、一定のめどが今回たちました。
 勿論、列車用の図書格納方法に斬新なものが生まれれば、話は違ってきますね。

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承前:昭和の鉄道模型をつくる(30) 音羽書店 著者Mu注: 先回の30号掲載が7月4日で今日は28日、3週間以上間隔が空きました。実は先々週あたりに、この週刊誌「昭和の鉄道模型をつくる」は全50巻、無事完結していて、講談社に祝電を送って、祝いでもしないとならないところだったのですが、その頃は葛野も木幡も激動の学期末と、怒濤の会議に襲われまして、どうにもならなかった次第です。  漸く復帰できそうな... [続きを読む]

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