嵯峨野鉄道図書館ジオラマ(07) 植樹
承前:嵯峨野鉄道図書館ジオラマ(06) 線路固めと大歩危トロッコ号
プロジェクト目次:嵯峨野鉄道図書館ジオラマ
7:はじめに(植樹)
植樹前の平面レイアウト
そのことの詳細は、「鉄道模型」という世界が堅固に確立している現状からみて、ひかえておきます。モデルをどう使うかによって、ジオラマ作成も違った対応があるということです。
この記事は、「嵯峨野鉄道図書館」、すなわち嵯峨野全域を「二階建てトロッコ図書館列車」によって結びつけるというコンセプトのために、それを表現することに目的を持ちます。
それにしても、小さなジオラマ(600X900ミリ)に複層のレールを敷き詰めた、いわゆる「うるさい」レールレイアウトなので、少し解消しようと考え、植樹に臨んだわけです。レールを木々で隠し、見た目に機械っぽさが少なくなるようにしようとしたわけです。うまくいったかどうかは、?です。
7-1:樹木の素材
これまでいろいろな所(博物館など)で、ジオラマ模型を見てきましたが、この世界に手を染めるまでは、木々などを何で作っているのか皆目、見当も付きませんでした。案の定、ジオラマ製作では、あらゆる局面で様々な方法があるようです。
木々もそうでした。
講談社の週刊誌「昭和の鉄道模型をつくる」では、針金で唐松を作っていました。
自然の中で拾った枯れ枝に、ライケン(ミズゴケの一種?)をボンドで付けていくという方法も、NHKの趣味悠々で見たことがあります。
今回は二つのキットを使いました。多少価格の面で迷うところですが、一つは少し高価な「杉の巨木」(トミーテック)、一つはKATOのシーナリー(情景)セットでした。それぞれ写真に説明を付けておきました。
どのキットも一長一短あって、さらに私の未熟さが露呈されて、よい結果は出ませんでしたが、それなりに時間をかけて落ち着いてやればよくなると思いました。事実、後日に手伝ってもらった学生二名は、丁寧に作り上げたのか、私のよりもうまくできあがっていました。
まず、接着剤ですが、私はキットに付いていた外国製のものを使って失敗しました(他に転用して、別の味わいが出ましたが)。頭の中では、瞬間接着剤の使い方だったのです。大量の樹木作りには、今後国産のクリアボンドとか、あるいは瞬間接着剤を使おうと思いました。
次に、これはめんどくさがりやの性格がもろに出たのですが、樹木の色合いも考えず、キットから出してそばにおいた葉(フォーリッジ)を、行き当たりばったりに、付けていったのです。途中で色が足りなくなったときは、別色のフォーリッジをあっけなく使いました。そのせいか、できあがりは、図書やネットで見かける上等なモデルとは全く違った物になってしまいました。それでも、誰が見ても岩には見えない(笑)、樹木らしい~という感想なので、一応、よしとした次第です。
7-2:樹木の組立
先述の、「昭和の鉄道模型をつくる」でも感じたのですが、素材だけでなく、作り方にもいろいろあるようです。二つのキットに共通なのは、プラスチックの幹枝に葉(フォーリッジ)を接着していくという点でした。写真にあげたのは、その共通に至る前の、幹や枝の扱いです。
これは価格とも関係すると思います。
トミーテックの「杉の巨木」は、中には一本分だけあって、500円前後しました。樹木(杉)ができるだけ立体的に、杉らしくみえるような作り方でした。
KATO社のは、外国のウッドランド・シーニックス社と提携したキットのようですが、樹木一本あたりですと100円前後になります。樹木は大量に使いますので、慣れてきたら、この方がよいのかもしれません。しかし幹枝がぺたんとした平面ですので、立体的に整形するには、それなりの時間と手技が必要です。
7-3:植樹
どうでしょう。樹木に見えますか? 左側の写真は、葉(フォーリッジ)が、付けても付けてもぽろぽろ崩れる様子がよく現れています。葉によっては、上からかけたボンド水溶液で白濁していますね。
右側の写真は、なんとかかんとか植樹して、レールを隠したつもりですが、まだまだ隙隙です。さらに大量の、数十本の植樹が必要なのですが、疲れました。
というわけで、これで「嵯峨野鉄道図書館ジオラマ」の第一期工程を終わることにしました。授業とか会議が一杯になってきて、心を落ち着かせて教材を作る雰囲気では無くなったのです。
細部を言い出したら切りが無いのですが、次号は「第一期ジオラマを走る列車達」という写真集と、このジオラマに必要な調整部分のリストを公開します。
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コメント
遊びには狂気が必要かも
ジオラマやるにも一種の狂気がいるのでしょうか。
自分ではやらない当方などから見ますとどう考えても不思議な世界です。
樹木も列車も線路も本物があります。
遠くて身近に見られない、とお嘆きの衆にはビデオや写真もございます。
うんにゃ、それでは我慢できない、実物ライクを手にしないと気が狂いそうになる。
昨日でしたかテレビに白川静さんの生前の映像が流れていました。
孔子さんは、第一は聖人だけれど第二は狂狷(きょうけん)だと言うてます。
狂って頑にやらんと新しい世界は拓けんのです。
そんな話をされていました。
白川さんご自身、狂狷の徒を自認しておられたフシがありますよね。
嵯峨野鉄道図書館とこの狂狷という言葉の関係を少し考えさせられた次第。
投稿: ふうてん | 2008年5月 2日 (金) 01時44分
お詫びとお礼と狂狷
ふうてんさん
貴兄のblog、ときどき眺めているのですが、最近コメントが遠のいていて、お寂しい思いをさせております(爆笑)。
ときどきふうてんワールドに良質な違和感を味わうからです。今回の男性達が別荘で楽器を触っているのをみて、そこに貴兄も溶け込んでいるのを見て、「世界が違うなぁ。上等すぎるよ」と胸が詰まって、筆が滞るわけです。
私の実人生は、同世代の男達との関係でいうと、孤立しています。MuBlogも、男達の挽歌で話題にするのは風雪梅安一家だけでしょう? 知り合いが居ないわけじゃないのだけど、私の通信手順はMuBlogしかないわけです。
……。まあ、よいでしょう(笑)
お礼。
そういう片方向通信なのに、わざわざコメントありがとう御座います。
狂狷とのこと。性狷介なので、熱心に手をかけると、そう見えてくるのでしょうね。
しかし「狂狷」を辞書でみますと、一般用例としては極めて志操の高い状態をさすようですよ?
「狂」は物狂いというか、マイナスイメージも感じられるのですが、はて孔子さんはどういうつもりだったのでしょうか。
で。わが「嵯峨野鉄道図書館ジオラマ」は、狂狷の産物であると、お褒めいただきましたが、慚愧の極み。
いつか実際に眺められると分かるのですが、「叩き工作」の産物ですね。手抜きだらけです。だから、「狂狷」の言葉をいただくと、恥じ入ります。
投稿: Mu→ふうてん | 2008年5月 2日 (金) 02時18分