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2008年4月27日 (日)

NHK篤姫(17)小松帯刀前夜

承前:NHK篤姫(15)篤姫と西郷吉之助の縁

 今夜も見終わって、物語を反芻してみました。どのエピソードも流れにそってうまく絡まっているので、さて感想を記るそうとなると、なにをどう語ればよいのか迷います。

小松帯刀(こまつ・たてわき)
 願いが叶って江戸で勉学に励む肝付尚五郎が、三ヶ月ほど経った頃、島津斉彬に呼ばれて、《琉球で先生(小松清猷:こまつきよみち)が病死した。ついては、小松家に養子に入って欲しい》と言われる。さらに先生の妹「お近」と夫婦になって欲しいとまで話が進みました。
 この時の尚五郎の気持ちを想像しながら見ていました。三男坊だからいずれ他家に養子に行く可能性は高いのですが、「お近さん」は七歳年上の女性だし、そして江戸に来てまだ最新の学問を学び始めた矢先だから、迷ったことだろうと思いました。
 しかし苦渋に満ちた斉彬の君命であることや、もともと「お近さん」に悪い印象などなく、薩摩の仲間として好感をもっていたのだから、尚五郎は素直に命に順いました。

 ここで斉彬は小松家の名門ぶりを、桓武天皇時代まで遡り言及していました。だから小松家を継いで真面目に仕事をすると、薩摩藩の家老にまで昇格することを伝えます。ここで突然桓武天皇がでてきたので、驚き調べましたら、桓武天皇の子孫が臣籍降下し平氏を名乗った一流があったようで、その流れの一つに禰寝氏(ねじめ・うじ)があって、その末に小松家があるようです。古い話なので、どこかで混乱したりしているかもしれません。
 確かに尚五郎は小松帯刀となって、27歳ころに家老になり活躍しました。これは事実です。

西郷どんの審美眼
 西郷吉之助(隆盛)は下級武士でした。その若い下っ端をわざわざ栄光の江戸詰に抜擢し、お庭方(お庭番)にするという信頼をよせ、さらに御台所となる篤姫の嫁入り道具を用意せよと命じた斉彬の胆力、英明さには脱帽します。斉彬は、西郷なら出来る、とふんだのでしょうね。

 西郷どん、はるばる都まで行って調達しても、幾島さんから「駄目じゃ、駄目じゃ。こんなお道具では、将軍家御台所、薩摩、摂関家筆頭近衛の名がすたる!」と、面罵されます。
 さらに、英姫からは、若い頃一橋家から島津斉彬に輿入れしたときのお道具をそっくり譲られて、幾島は「お下がりでよいと、見下げられた!」と悲憤し、篤姫はあっさり「有りがたいことです」という。このあたりの描写は、おもしろいですね。英姫も、ぽつりと「姫の人柄じゃ」とつぶやいていました。

 さて西郷どん、奮起して篤姫の持ち物を見せてもらい、姫の好みをしっかりたたき込んでいきます。西郷どんもこのころ必死じゃなかったでしょうか。都や江戸の一流の職人が作る道具や装身具、着物を結局自分の目で選び厖大な資金を使い、持ち帰るのですから、命が縮むような仕事です。

 最後に幾島も、篤姫も、「これこそ、薩摩のほこり」と、うっとり打ち掛けなどを眺めます。なかなか、物語の積み重ねとして、おもしろい場面でした。

次週
 番組の最後は大地震でした。お道具は潰れる、屋敷は倒れる、薩摩藩江戸屋敷でも死者がでたような雰囲気でした。さて、結果はどうなるのでしょう。大災害の後に、輿入れなどできるのでしょうかぁ~。

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承前:NHK篤姫(17)小松帯刀前夜  肝付尚五郎(きもつけ・なおごろう:後の小松帯刀)の気持ちの落としどころがよくわかった。「先生」の妹で七歳年上の病弱な女性、お近。小松家は名門で、三男坊の冷や飯食い尚五郎にとっては、小松家との養子縁組は願ってもない君命だった。しかし以前から仲間だったその「お近」さんと夫婦になるというのは、また話が別だった。「それでは、いい加減すぎやしませんか」と、大久保に自分... [続きを読む]

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