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2008年3月12日 (水)

二階建て図書館列車考(3)京阪特急ダブルデッカー(8000系)

承前:二階建て図書館列車考(2)大歩危トロッコ号(キクハ32-501)と外国のダブルデッカ

実車:京阪特急ダブルデッカー車

京阪特急ダブルデッカ:実車1・ホーム位置
京阪特急ダブルデッカ:実車2・車体8807側面
京阪特急ダブルデッカ:実車3・車体8807連結の様子

 日頃見慣れていた京阪特急が、そして以前なんとなく狭い印象を持ってしまっていた二階建て(ダブルデッカー)車両が、この写真を撮ったときは宝物に見えました。灯台もと暗し。それまでも、私の人生の大きな時間帯を京阪電車は占めていたのに、写真を撮る気になったのは、「二階建て図書館列車」を考えだしてからなのです。

 二階建て図書館列車自体の発想は、畏友のふうてんさんからヒントをえました。図書館列車の階段をとんとんと上がるとそこは作家池波正太郎世界を思わせる和風の書斎、……。最近では、二階建てのオープンテラス、木漏れ日の中で停車して、漱石の坊ちゃんをぱらぱら読む、……。二階建て+トロッコタイプは、森博嗣先生のblogにあった西欧の「2階建てトロリィ」写真で印象が深まりました。

 ところで、上記の流れの中で、京阪特急ダブルデッカを一つの確固とした「書庫付き図書館列車」としたのは、未知の方(伽羅さん)からのコメントでした。
「雨の日や、好きな本を集中して読みたい時は、ダブルデッカー下で、移動半地下室の雰囲気を味わいますw。」
 晴耕雨読と申しますが、開放型二階建てトロッコ図書館と密室型二階建て半地下図書館とを併せ持つ様式こそが、ディジタル情報世界を遙か下界に見下ろして、輝くようなアナログ移動図書館世界の復権を果たすのではないでしょうか。

実車:ダブルデッカー車両(床の落とし込み)とテレビカー

京阪特急ダブルデッカ:実車4・車体8807床の落とし込み
京阪特急ダブルデッカ:実車5・車体8757テレビカー
 人は見たいものだけを見る、というのは本当だと思いました。私はこれまで、京阪特急ダブルデッカーに乗っても、この床部分が落とし込まれた様子を想像することさえ出来なかったのです。まだ実車も模型もどのくらいの深さがあるかは計算していませんが、少なくとも先頭車両のスカートの丈に近い深さです。要するに線路にすれすれと考えて良いでしょう。車軸よりも下に底辺があるように見えます。

 以前の記事写真、JR電車・サロ124形に比べてみると、現代の車両で二階建てにすると、ほぼ似た形状になるとは分かっても、京阪の方は実車しているので、一旦気がつくと印象が深くなります。

 ここで、新造「二階建てトロッコ図書館列車」を考える場合、上階はオープンカフェ方式で天井が無くてもよいし、中二階方式で背丈を抑えられるにしても、一階(半地下)部分を相当に落とし込まないと、急勾配急カーブの多い深山幽谷を廻遊する嵯峨野鉄道図書館列車の安全走行は望めないということです。実質的にも重心を低くし、また見た目にも、ノッポよりも背の低い足腰丈夫な、重厚な安定性をだしたほうが、利用者にとって芳しいと思いました。

 と言う意味で今後、二階建て図書館列車を考えるときには、あらゆる意味で京阪特急ダブルデッカーの、この「床の落とし込み」写真が私の基調イメージの、柱となります。

模型:マイクロエース社のNゲージ 京阪特急8000系ダブルデッカー

京阪特急ダブルデッカ:模型1・車体8807時代祭行列
京阪特急ダブルデッカ:模型2・車体8807の連結前後
京阪特急ダブルデッカ:模型3・8000系8両編成

 今回の「考」は、すでに実車を経験しているので、Nゲージモデルの解説考は不要と思われるかも知れませんが、実は実車では分からなかったいくつかのことが、このモデルによって理解出来たのです。
 一つは、天井高、その出っ張りの具合が実車よりもはっきり分かりました。一般に実車を上方から眺める機会は少ないわけです。
 もう一つは、実車以上に一階部分の落とし込みが、相当に低いことの実感でした。逆に、この模型ダブルデッカーが嵯峨野鉄道図書館線を走りきるなら、そういう設計を基本にして、もう少し背丈の低い列車をモデル化する目途が立ったわけです。

 そしてまた、90センチX60センチの小さな嵯峨野鉄道図書館ジオラマの中に8両編成の車両を置いたとき、実車スケールと模型スケールの落差を明確に意識しました。内周レールの殆どが、列車で埋まってしまったのです。
 模型教材として「未来の図書館」を示すなら、せいぜい15m級の列車1~3両編成でないと図書館列車教材のコンセプトが薄まると実感しました。
(もちろん、ジオラマ実作者としては8両編成でも走る適切な小型レール・レイアウトという実績は残ったわけです)

模型:嵯峨野鉄道図書館線を走る京阪特急ダブルデッカー

京阪特急ダブルデッカ:模型4・嵯峨野鉄道図書館線を疾走するダブルデッカ
京阪特急ダブルデッカ:模型5・嵯峨野鉄道図書館線(遠景)
 京阪特急ダブルデッカ「考」のまとめとして、マイクロエース社のNゲージ8両編成が小型ジオラマを疾走する情景を愉しんでください。

 現実の教材としては、この情景を公開する予定はありません。ある意味でシュール過ぎるわけです。電車が嵯峨野という地域全景を覆い尽くすイメージは妥当ではありません。二階建てトロッコ図書館列車は、旧来の移動分館システムの発展改良を企図しています。景観をポストの数ほど図書館分館で埋め尽くす意図はないのです。
 ただしバスなどの移動図書館と比べると、走行中も停車中も読書を楽しめて、移動列車中の密室感特有の読書体験と、風光明媚な、川のせせらぎを聞きながらの定点静止読書という二方向を味わえることに未来図書館の希望を託しています。
 とはいうもののこの写真は、マイクロエース社の模型車両が相当な厳しい条件下にあるレールレイアウトでも、あっけなく走りきるという、別の望外の「良さ」を発見した走行風景でした。

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コメント

未知の方、伽羅でございます(笑)

開放型二階建てトロッコ図書館と、
密室型二階建て半地下図書館とを併せ持つ
アナログ移動図書館。
写真をクリックして拡大すると、
その雄姿がよくわかりますね~。
すばらしいですwww


ところで実際の京阪特急、ダブルデッカー、
1階部分は確かにかなり低い位置に確保されてますね。
ホーム側の座席に座っていると、
プラットホームを歩く人たちの足が、とてもよく見えます。
わたしなど、かなりミニスカのお姉さんが
ホームを歩いていたりすると、
同性ながらも気になってしょうがありません。
駅に着くたびに、高尚な読書が出来なくなって
しまうかもしれませんね・・・・


投稿: 伽羅 | 2008年3月14日 (金) 20時21分

未知伽羅さん
1.二階建てトロッコ図書館列車の自作
 Nゲージというのは線路幅が9ミリなので、車体はものすごく小さいです。
 この大きさで、天井開放型トロッコ風2階と密閉型半地下を持つ移動図書館を設計するのですから、今から汗がでます。
 おそらくPCで書いて色塗ってそのまま紙に印刷して組み上げると思いますが、それにしても小さいです。
 この件は秋にお披露目でしょうね。

2.ミニスカについて
 それは事実です。だから不用意にカメラも出せませんね。最近はペアの亜・美人局的・痴漢仕立て人も横行していますから。
 ただしかし、下から見上げる風習がないからどぎまぎするだけで、全国津々浦々半地下図書館列車が快走すれば、ただの日常風景になりますね。
 女性であれ男性であれ、異性が素肌を見せすぎるのは異様だし、見苦しい場合もあります。(男性Muから言うなら、みんなが女優やモデルじゃないから)ほほほ。
 Muなど、ときどきこんな風に嫌みを云いますね、独り言で。
「余も、ステテコに腹巻きで講義したら、新ファッションで受けるやろなぁ~」と。

投稿: Mu→未知伽羅 | 2008年3月14日 (金) 20時49分

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