NHK篤姫(13)江戸の確執:英姫と篤姫
すでに書いたことがありますが、私は宮尾さんの原作を以前読んでいます。
しかし、篤姫の江戸入りあたりの、今夜のようなミステリアスな雰囲気は全く覚えておりません。
むしろ、東海道の途中の宿で、いろいろあったような記憶が残っています。
原作で明確に残った記憶は、薩摩のこと、江戸へ向かう途中、そして徳川慶喜に対する反感、西郷さんのこと、明治維新後の生活、そういうことしか覚えていないのです。人の記憶はなんとあてにならないものでしょう。しかも、この原作全体に対して、私は非常によい印象が残っているのです。記憶が薄れた作品と思ってはいないのです。
篤姫にとっての「母」となる、一橋家から斉彬に嫁いだ英姫(ひさひめ)とは、一体何者なのでしょう。どうして顔にマスクをしているのでしょうか。どうして、意地悪く篤姫に対応したのでしょうか。斉彬とはなんとなく縁が絶たれている印象です。側室ばかり数名の名が老女から出ておりました。
島津分家の篤姫が将軍家御台所に上がるというのは最高の栄誉ですから、当時のそれに近い女性達は、篤姫に意地悪くなるのでしょうか。京都の公卿の娘ならば、いわば別世界の人だから、武家の女性にとって「しかたない」と諦められるでしょうが、篤姫に対しては「身分低き者」という思いがあるのでしょか。
篤姫が御台所になると、全国の殆どの女性は篤姫に頭を下げることになるわけですね。身分格式の厳重な時代でしたから、他の身分高き女性達にとって、それはいかんともしがたい状態だと思います。つまり、英姫ですら、篤姫に対面すら難しい状態になるわけです。おそらく、形式的には斉彬さえも。
御台所篤姫に拮抗するのは、格式としては、皇后さんでしょうか。将軍家ご正室というのは、そのくらいの重みがあったのだと想像します。
尚五郎が薩摩に留め置かれたこと。肝付の先生が琉球に派遣されること。男子にとっても、人事とは自分で決められないことだから、思惑と異なると、自分の存在意義に疑問を持ち、苦しみます。
また、西郷が江戸へ行くことに喜びを見せました。江戸詰めとはそれほどに、当時の武士にとって花形だったのでしょうか。
以上、今夜も画面から目を離せませんでした。なにかしらおっとりと進む番組のように見えて、謎がいくつも湧いてきました。それぞれが、どのように開かれるのか楽しみです。
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