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2008年3月 2日 (日)

二階建て図書館列車考(2)大歩危トロッコ号(キクハ32-501)と外国のダブルデッカ

承前:二階建て図書館列車考(1)JR電車・サロ124形

↓機関車製作部/森博嗣.(「ダブルデッカ」)
 写真はリンク付きです、クリックして下さい。長大なページの終端近くに「ダブルデッカ」記事があります。
Mumori2kaidate
 二階建て図書館列車を考える当記事に、今回は表題の「トロッコ」(大歩危トロッコ号:おおぼけ)をあげました。これは、二階建てトロッコというタイプがもし実現できるなら、相当に快適な図書館列車になるのではないかという予測からです。
 ことの発端は作家森博嗣先生のMLAというブログを眺めていたとき、外国の2階建て路面電車の写真を見付けたわけです。車体にはフランスとか、都市電車とかの意味が書かれていました。なにかしら興味を引いたわけですが、数日前に森先生の別のサイト「浮遊工作室」で、二階建て電車の写真をまとめて発見しました。もちろん簡単な解説もありました。そこには「2階建てトロリィ」という用語があったのですが、これは当記事末で言及します。

 実はこの電車が現実にあるのかどうかは知りません。しかし、「嵯峨野鉄道図書館ジオラマ」の一つの理念を明確に表現していることに驚きました。天井のない開放空間を持ったトロッコ図書館列車の姿をまざまざとイメージ出来たのです。
 そこに、移動式・野外閲覧室という言葉が浮かんだのです。
 列車は走るばかりではありません。停車することによって、随意の景観野外の中で、読書できる環境をえられるのです。

 もちろん外国には2階建て(ダブルデッカ)の都市電車やバスがいろいろあるのですが、その現実からは図書館列車とダブルデッカが結びつかなかったのです。つまり一般にダブルデッカは輸送力の増加に重きが置かれています。嵯峨野鉄道図書館列車のように「読書を快適にしたい」からとか「楽しみたい」からという目的で作られたものは、観光用にはあるでしょうが、なかなか見つかりません。
 で、森先生の写真で最初に思ったのは当然「おお、二階建て:ダブルデッカ」であり、次に浮かんだのは「トロッコ図書館列車」だったのです。

 「トロッコ」という言葉もまた二階建てとおなじく私の思念を去らないコンセプトです。もともと嵯峨野鉄道図書館列車が、現実の京都市右京区にある「嵯峨野トロッコ列車」を引き金にしているわけですから、当たり前とも申せますが、しかしなお、なぜその現実の嵯峨野トロッコ列車に執心したかというと、トロッコのような図書館列車が原イメージとしてあったわけですし、さらにプロジェクト「嵯峨野鉄道図書館列車」ではそれをダブルデッカ(二階建て)でなければならないと、そう思っていたからなのです。

 思念が右往左往蛇行しましたが、まとめてみます。
 森博嗣先生の写真に触発されて、私は、トロッコタイプの二階建て図書館列車を、嵯峨野鉄道図書館ジオラマに、将来走らせることこそ、理想を達成する王道である、と確信したわけです。
 よって今回、現実JRのトロッコ列車として、大歩危トロッコ号を調達し、その二階建てトロッコ図書館列車の可能性を探ることにしました。

注記:もちろん現実の「嵯峨野トロッコ列車」の模型を調達すれば話はもっと簡便なのですが、これは入手が難しいです。さらに現実の嵯峨野トロッコ列車には近々乗車予定ですが、物事は現実に体験すればすべてが解けるわけではないのです。Nゲージモデルという、極めて洗練され抽象化されたモデルによってこそ、初めて事の本質を見極めることが可能になるのです。

キクハ32-501:大歩危トロッコ号:おおぼけ(マイクロエース社のNゲージモデル)

キクハ32-501:大歩危トロッコ号
 大歩危トロッコ号のトロッコ列車部分はキクハ32-501です。姉妹車のような「瀬戸大橋トロッコ号」キクハ32-502は、瀬戸大橋から海面を見るためでしょうか? 車体窓の腰板部分もガラス張りです。
 今回は、気動車のキハ185-20には言及しません。
 写真・モデルで見る限り、窓枠の間隔が約3mほどあって、広々とした吹きさらしの空間を保っています。快適だとは思うのですが、天候に左右される宿命はあります。たとえば現実の嵯峨野トロッコ列車は冬期(年末~2月末)は休暇に入ります。大歩危トロッコ号も、冬期には窓蓋(不明)があるようです。

車体の詳細と色(キクハ32-501)

キクハ32-501:車体横
キクハ32-501:車体色
 トロッコ車(キクハ)自体にも運転席というか制御室があるようですが、今のところメカ部分にまでは注意が向かないので、それは後日とします。
 森先生の写真と比べますと、もしこのキクハに二階部分を増設すると、雰囲気がよく似てまいります。しかし一般に列車の車高は4m強なので、もしこのまま二階部分を増設するとトンネルなんかで問題が生じることでしょう。架線タイプの電車ですと、二階建て部分の開放というのは不可能になります。かといって、京阪ダブルデッカの様に、台車間の床を下に降ろす方法は、本当の意味で新造特別車になり、噂に聞くところの無蓋車を改造した嵯峨野トロッコ列車のような簡便性がなくなります(要するに、極端な資金投下を避けたい)。
 そこで、たとえNゲージジオラマであっても、どのような実現を図るべきかについて、以下にまとめます。

 一つは、キクハ32-501をそのままの形で、たとえば嵯峨野鉄道図書館列車のメンバーにすることです。これは後日、ジオラマでレールが完全敷設された折にお見せできます。機関車はトーマス号ですが、煤煙を考えるとやはり、まともな気動車も調達する必要がでてきます。

 一つは以前記したことですが、中二階仕立てで、列車の片面だけを(重心・バランスの点でブロック単位で交互に)中二階併設・下部書庫にする方法です。おそらく、Nゲージモデルとして私が製作しなければならないのは、このタイプだと思います。
☆以下、■を書庫+中二階、◎を単純席とします。
  ■■■◎◎◎■■■◎◎◎
  ◎◎◎■■■◎◎◎■■■

 上記のような方法は、いずれしっかり図書や乗員の加重を計算しなければなりません。たとえ低速走行でも安全性は必須だと思うからです。渓谷を走る場面がありますから、手を抜くわけにはまいりません。
 さらに、トロッコまでは人びと、読書人に求められても、上述のようにそこまでして中二階ないしダブルデッカを求めるのは何故かと言う疑問です。この理由は、いや屁理屈はいくらでも考えられるのですが、その真意は二つに収斂します。

 一つは、新しいコンセプトを既存の方法でおざなりにせず、冒険であっても試してみる、そこに道が開ける可能性があるということです。しかしこの点は論が紛糾するでしょうし、水掛け論になるので、保留します。

 一つは、絶対的、圧倒的な異空間を図書館の為に作るということです。人間は脳と身体を持った生命体なのです。読書というと、すぐに机に向かって沈思黙考するタイプを想像される方が多いのですが、そうじゃないと思います。身体全体で風を空気を味わい、全身を異空間の中に漂わせ、そしてさらに視神経と脳とをフルにつかって、読書という「他人」との関わりを持つことが肝要なのです。
 列車という束縛空間と、外界景観という解放空間との狭間にたって、人は心を発動させる可能性を持つと思うのです。つまり、あまり経験したことのない読書空間を創設することに、二階建ての意義があると考えております。

大歩危トロッコ号の走る四国

(徳島県三好市西祖谷山村徳善西)

トロッコとトロリー(トロリィ)「2階建てトロリィ」考
 森博嗣先生は、ダブルデッカの小見出しの後で、「2階建てトロリィ」という言葉で説明されていました。そこで、このトロリィ、さらにはトロッコという日本での用法に私は混乱してきたのです。
 辞書によると、トロッコとはTruckの訛りで主に軽便軌道を走る運搬車のことらしいです。そしてトロリィとは、トロリーバスの省略名として使われる事例が多いのですが、そのバスとは屋根に集電用の棒(ポール)を一本たてて走るバスです。大昔京都市右京区の西院あたりでトロリーバスを見ております。
 ところが、屋根に一本の集電装置ですと、バスだけではなく京都市市電もそうでした。昔の嵐電(京福電鉄嵐山線)もそうでした。嵯峨幼稚園へ通うのに車折(くるまざき)駅から、毎日嵐山まで通ったのですが、車掌さんがロープを操ってポールを操作していたのを、今でもはっきり思い出せます。
 このTrolleyは辞書をいろいろ見ましたが、大抵はトロリーバスの意味で使われ、英語をたどるとトロッコと同じく、運搬車とかワゴン(手押し車)に行き着きます。これ以上の調査は中止しましたが、要するに軽便な列車ということで、トロッコとかトロリーを理解しておきます。
 今後MuBlogで、トロリィとかトロッコと使うときは「普通ではない(笑)軽便な列車」としておきます。しかし、どう普通ではないのかというと、なんとなく解放感、開放感のある、吹きさらしのオープンな列車、と定義しましょうか? 貨車で言うと無蓋車、車でいうとオープンカーとなりますね。だんだん言葉が拡散していきます。

 いやしかし、トロッコを使っていきます。父が昔土建業でして、山奥の飯場で遊んだとき、そばにトロッコがあったのを明瞭に記憶しているのです。大人が三人ほど乗れる木製のトロッコでした。線路はいつも錆びていました。

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コメント

森先生から簡単なコメントをいただいたので代わって記録しておきます。

 もともとトロリィ(ポールなど)は集電器で、転じて「電車」とか「路面電車」の意味になったようです。

 だから、多分バスの場合はわざわざトロリーバスと、直訳意訳すれば、「電車バス」になるのだと、私は思いました。

 また、「電車」とは駆動する「客車」の事らしいです。
 私はいまだにJRに乗ることを「汽車に乗る」と言いますが、言葉も変化していくようですね。

 ちなみに、気動車とは、おそらくディーゼルタイプの機関車なのだと思いますが、またしても用語の森に迷いそうなので、これくらいにしておきます。

投稿: Mu:トロリィについての情報 | 2008年3月 4日 (火) 17時28分

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