小説木幡記:2008/03/26(水)夕方から雨の雑記帳
1.教授の休日のこと
久しぶりに会議も締切もなかった。
束の間の春休みが余にもめぐってきおった。
ぼんやりとPCを眺めていたら、学内メルがピーンと鳴って入ってきた。添付も熟読。締切が四月半ばだった。関係者に転送した。
部屋をかたづけた。いくらやっても片づかないという諦めはあったが、どんどん棄てた。棄てられないものを片隅に分類もせずに積み上げていった。棄てるものより、山が大きくなったとき、止めた。
馬鹿臭い午前だった。
2.日本史を学んだ倶楽部員達
屯所に人が来ていた。この春休み、二人連れで、葛野図書倶楽部2001の重責を果たしにきたようだ。
昼になって、不憫に思って「どうだ、100円寿司でもたべるか?」
「あ、ありがとう御座います」と、よい返事だった。
躊躇したら、それで終わりにするつもりだった。
しかし、100円寿司では如何にも貧乏くさい(近所の寿司屋さん、これは言葉の綾ですよ)。
ちょっと遠くの、わずかに、よりうまい所に格上げした。
帰り道、一人が京都を知らない様子だったので嵯峨野を一周して戻った。
途中「ここが大覚寺だ」と言ったら、「はい、日本史で習いました」
ほお、秀才! と思ったが口にはださなかった。
話がもりあがって、
「じゃ、今度は倶楽部で、日本史を高校履修した者だけで、嵯峨野でも行くか」
「はい」「ええ」
「あそこには、歴史が詰まっている」
と、調子に乗って言ってしまってから(しまった!)と、ほぞをかんだ。
思い出したが、何人もの幹部達が、日本史を履修していないはずだ。
これでは、倶楽部が分裂してしまう。
うむ。倶楽部経営はむつかしい脳。
(別途、「日本史を履修していない人、100円寿司でも食べるか?」という方法もある)
3.佐野桜
帰り道、桜が咲いていた。佐野さんのお庭だ。
ただ、ほんの数本だけだったので、まだまだ~だねぇ。
(桜の森:佐野藤右衛門邸の桜)
4.アップルPC
最近MacBookにせっせと、Winのパワーポイントで作った講義要綱を入れ直している。
Windowsですませておいても良いのだが、気分返しと別の事情があって。
とは言っても、MacBookにwinXPを入れたり、MS社の高価なMacアプリを入れたのではない。
もう、資金は枯渇しておるから。
MacBookにとても安価なソフトを一式入れていて、その中にパワポに似たプレゼンテーション用アプリケーションが入っているからだ。名称は思い出せない。最近は、昔のようにアプリケーションや言語の、ヴァージョンや諸機能や名称に全く拘らなくなってきた。動けば、よろし! その一言につきる脳。
まあ、それはよい。数日前に幹部に、
「どうじゃ、先年度のパワポ授業は?」と聞いたら、
「えっと、図をもっと入れてください。字、ばっかりじゃ眠くなります」とのことだった。
なにもこの歳になって、からくりを使って授業をする義理もないのだが、逆にカラクリを使って電気紙芝居にすると、声量も使わず、暗いからパフォーマンスも不要で、部屋も薄暗くて、みんな眠いのか静かだし、重宝している。
しかし正面切って「眠くなりまする!」と、言われればちょっと気が引けて。
というわけで、別機種に移植することで、仕様をあげようと思った次第。
絵を入れよう、動画も入れよう~
そこが問題だった。
5.MacBookで動画が見られない! (mpeg-2)
MacBook触っていて、以前に採取したいろいろな動画を組み込もうとしたら、なんと、QuickTimeではまったく描写してくれない。「このファイルは使えません!」の一点ばり。
それでようやく思い出した。
昨年、MacG5-PCで、QuickTimeにMpeg対応ソフトウェアを追加したり、音声がでないことに対応したりして、多くの動画を格納したことを思い出した。余の動画は、ディジタルビデオの仕様からファイルがMpeg-2という規格なのだ。それが、アップル標準の動画アプリ・QuickTimeでは見られない。
要するに、どういう理由かは存ぜぬが、現代のMacPCは、特別な調整をしないかぎり、MPEG-2仕様の動画をみられない。なのに、昨年一体どういう調整をしたのか、余はころっと忘れてしまっていた。
その上、途中で涼夏PC自作や、嵯峨野鉄道模型プロジェクトや、学内会議もろもろで、記憶が飛んでしまったようなのだ。全く方法論を思い出せなくなっていた。
困り果てました、今日の午後。途中いろいろあって、そして夕方になって諦めた。人間の経験も、記憶も、あてにならないなぁ。
6.ジオラマ教材に手を入れて
我が「嵯峨野鉄道図書館ジオラマ」は、すでに第一期を終了している。
あとは、ジオラマに「愛宕山上図書館駅」とかのラベルを貼ったり、聖トーマス号牽引するところの二階建てトロッコ図書館列車の疾走をビデオ化したり、プレゼンテーション文書を作るだけなのだが。
四月初頭の授業には間に合う。
それでも時々気になる所がある。
(修正追加箇所は100程度もあるが、これらは第二期、第三期~)
本日は、9mmナロー規格のハーヴィー君の、ちょっと出っ張ったところをニッパーで削り落とした。これで、相当な距離を走り出した(これまでは、直ぐに引っかかって脱線転覆)。
倶楽部内では、余の鉄道図書館・コンセプトよりも、このへんてこりんな機関車が、圧倒的に気に入られている。
川に流木を固定した。
木々の根元に、茶色や緑のスポンジの固まりを押し込んだ。
自動電源切断の線路終端停止装置を、回線の工夫で機能させることに成功した。汽車が線路終端にくると、スイッチを反転するまでの間、電源が自動切断されるという、優れた機能だ。
それぞれは、5~10分の作業だったが、まずまず。
7.ということで、「教授の休日」は、儚く過ぎ去った
疲れもなく、良い一日であった。
ただし、夜になって部屋を出るときの独り言は、「今日は、一日、一体何をしていたのだろう?」だった。
重い会議が日に数回続き、締切が一挙に重なり、怒号の演習がないと、仕事をした気にならなくなったようだ。これは、職業病だな。
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