嵯峨野鉄道図書館ジオラマ(04) 塗り、川と池と滝
先回は山として、愛宕山と嵐山の下地つくりを「プラスタークロス」で調えて、下塗りは正道の茶色ジェッソを使わずに、ホームセンタで入手した缶入りの「こげ茶水性アクリル絵具」を塗りたくりました。
暗いところでは真っ黒けに見えて、失敗失敗と叫んでおりましたが、今となってはそう言う方法もあると得心しております。
塗りは昔の小中学校を思い出して作業していました。現代はアクリル水性塗料という便利なものがあって、それを知らなかったので感心しました。水で薄めて、さっさと塗って、塗り重ねて、薄くしたらそれなりのグラデーション、色模様ができて、一旦乾くと水に溶けない。本当に便利になったものです。
なお、重ねてもうしますが、私はジオラマ製作は初めてで、さらに美術絵画の経験や知識もまったくありません。作法に反したことをいくつもやっていますので、制作方法を真似られる方、司書卵学生は「それなりに、Mu先生はめちゃくちゃなジオラマ製作者」であると、認識した上でご利用ください。
ただし、ジオラマ自体の立体構造は、横紙破りではありません。客観的に、TOMIXのミニカーブレールという、走行列車に制限の強い急カーブ急勾配を、「京阪特急ダブルデッカの8両編成」が高速でエンドレスに走っています。つまり、科学的に保証され、再現性のあるジオラマ・レールレイアウトを達成しております。
その意味で、現代科学の枠内で高度なシミュレーションを可能とする科学模型の意義はあると考えています。
4-1:基盤と中央台地の下塗り
写真説明ではいろいろ嘆いておりますが、今は達観しております。
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焦げ茶色の強烈さに焦って、今度は基盤部分を、白ジェッソに「焦げ茶」をまぜたら、なんとなく普通の「茶色」になるだろうと考えて、容器に2種類をどぼどぼと入れて、攪拌したら、今度はトンでもないグレーな、つまり小汚い色になってしまった。仕方ないので、そのまま塗った。それが前2枚の写真です。(後日談ですが、これが小汚いコンクリート打ちっ放しの雰囲気を出すことになりました

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これではならじと思い、再度ホームセンターにでかけ、今度はまともな茶色(チョコレートグレイ)の中缶を400円程度出費して、それを中央台地部分にぬったら、まるでココアをまいたような色合いになりました。
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これで、心の中で、「下塗り完了」としたわけです。
蛇足ですが、このような心中での納得というか、あきらめ、手放しは、どのような人生にあっても大切だと痛感しております。
4-2:水回り(川と池と滝)
嵯峨野近辺の保津峡と清滝川と空也滝らしきものをイメージしましたので、水処理が必須でした。結果は失敗だったのですが、ジオラマを知らない人には、「それらしき水」に見えることでしょう。
手法は「参考図書」上巻p66にあった、水を多用途接着剤で表す方法でした。図書ではクリアボンドでしたが、私は上掲写真左端の、クリア・セメダインを使いました。多分ボンドとセメダインとでは違いがあるのでしょう? 120mlの一本をまるまる使いました。









一般に、滝作りは細長いプラスチック板にウォータエフェクトを塗って成形し固まらせ、それを板から外して地形に曲げながら組み込むのが正道のようです。私の場合は、透明セメダインを上から流し込んだままです。
4-3:地面の色
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レールをすべて取っ払った後の山や広い地面なのて気楽でした。要するに幼児期のお絵かきですね。ただし三色を容器に入れたとき、できるだけ混ぜないようにしました。
各色を別々の筆でそれぞれ塗って、ときどき水だけで重ね塗りしましたら、近所の色と微妙に混じり合って、それらしい自然な雰囲気が出てきました。
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ええ、もちろん翌朝に屯所(工作室

4-4:まとめ
なんとか苦手な大規模塗装をこれで終えました。後は色粉をまいたり、線路に砂利を詰めたり、剥がれた所を細筆で点描するような隠居仕事があるだけです。もちろん、細密な建物や列車などに塗装するのは慮外のこと、それこそ道の達人でないと出来ないことですから。
水性アクリル塗料は私の幼児・少年期に学校で使った水彩絵の具みたいなものですね。ただし、乾くと水に溶けないのが素晴らしいです。次に別の図書館景観モデルを作るときは、まとめて各色チューブ入りのを入手するつもりです。画材屋さんにありました。数千円しますが。
要するに、ジオラマの基本手技として「お絵かき」が大切だと思いました。
下地や下塗り、塗装の時に、レールを全部取っ払った方法は、正道には反するようですが、今のところ正解だと思っています。ご存じのように、わが「嵯峨野鉄道図書館線」は相当に複雑です。これをマスキングテープを貼って保護しながら、プラスタークロス張りや全面塗装作業をするのは、気が重いですね。
なお、後でレールを敷き直したとき、地形の不自然な所は上等な粘土で補修しました。後日に記します。
まとめとして。
まったく、シュールな色調・フォルムの嵯峨野が姿をあらわしてきました。ジオラマ・レイアウトの本流からみると、いささか下手漫画です。よしとしましょう。反省点は、どこかの教科書で「地面は暗くはない」というセリフがあったのです。今のところ、全体が暗いですね。それが、ちょっと気になります。
参考図書
ゼロから創る鉄道模型レイアウト (上下)
エムシープレス、2007.7
(NHK趣味悠々「鉄道模型入門」のムック。DVD付き。監修は諸星昭弘)
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コメント
色づけに奮闘しておられるようすが
手に取るように伺えますです。
色って全体の雰囲気を決定してしまうようなところがありますから
重要ですよね。
それに西洋絵画でも、自然の中で、
水を表現するのは一番難しいそうで。
海や川、湖、池、そして滝などは
ただ塗っただけではそれらしく見えませんから
なかなか大変ですよね。
それにしてもジオラマでは
大量の接着剤で水関係を表現するとは
初めて知りました。
投稿: 伽羅 | 2008年3月 9日 (日) 13時24分
まいど伽羅さん
Muは文学は長年接してきましたが、芸術全般にはまったくの門外漢、ド素人なのです。特に、今回のようなジオラマは、多種の要素があって、造形・絵画の素養がないと、まともなものは出来ないようです。
それをおして、恥も外聞も投げ捨てて制作しているのは、「ものつくり」が好きだからだと思っています。下手の横好きというのでしょう。
しかし、ジオラマは、シェフ並の能力を必要としますね。西欧も和風も、スープ、メイン、ワイン、デザートまで、味良く手際よく色形良く作り上げていくのですから、なんとなくジオラマで要求される事と似ています。
MUの場合は、栄養がある(電車が走る)程度で満足しています。あとは、附録ですね。
水表現は、多くの事例をみていると、本当に上手にされている記事が多いです。Muの嵯峨野鉄道図書館ジオラマの水は、まあ、「水」だと考えられる、その程度でした(笑)。だれも、それを山とは誤認しないでしょう?
投稿: Mu→伽羅 | 2008年3月 9日 (日) 16時35分