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2008年2月19日 (火)

昭和の鉄道模型をつくる(20) 魚屋(魚政)

承前:昭和の鉄道模型をつくる(19) 喫茶店(ラメール)

20:ここまで完成(~20)

20:ここまで完成(~20)
 今回の付属建物は写真左下の魚屋さんです。こうやって、まいどまいど建物が増えていって、ジオラマ全体が建物とレールと道路で埋まるわけです。昭和の東京の風景ですから、レトロな建物が多数必要になり、これを個人レベルで最初からすべてモデル化するのは並大抵の努力では、できないことでしょう。もちろんそういう方もおられますが、初心者にとっては、組み立てキットで作って並べていくのが最良だと思いました。

20:部品と工作(魚屋:魚政)

20:魚屋(魚政)

20:駅前の魚政
 組み立て自体の難しさはなかったです。いつも通りでした。それよりも、写真でみると冷蔵庫や、水桶やら、魚箱が丁寧に組み込まれています。若くて目が丈夫な人には私の気持ちがわかりにくいでしょうが、こういった細部は写真に写して拡大して、はじめてその緻密さに驚いているのです。組み立て中は、普通のメガネでは、細かい部品とまでは分かるのですが、それが魚であるとか、色が他に比していかにもそれらしいとか、細部は分からなかったのです。現代のキットは成熟した一品ですね。

20:鉄道模型の達人/市川彰雄

20:市川彰雄
 紹介文を読んでいると市川彰雄(64歳)さんは定年まで蒸気機関車(ライブスチーム)とか、鉄道模型とは無縁の方だったようです。それがインターネットで、軽自動車よりもやや高価な組み立てキットをみつけ、ネジ止めだけで約一ヶ月後には動き出したとのこと。
 水を入れて石炭を入れて、蒸気の圧力を気にかけて、ちゃんと動かすのは組み立てるのと同じくらいに難しいと想像しています。私は本物の蒸気機関車には中学生くらいまでは乗っていましたが、庭園鉄道のライブスチームに乗るのは未経験です。ただし庭園鉄道の電気機関車に乗ってビデオを写した経験はあります。一体どう違うのでしょう。多分、薪炭・水が入ると現実感がぐっと増すのかもしれません。お湯を沸かせて走らすなんて、電気のスイッチ一つに比べれべ、ものすごい違いがあるでしょうね。
 ミニサイズのSLですと、HOゲージで組み立てキットが6万円ほどであるようです。
 国鉄の蒸気機関車キットが申込時に100万円前後の価格のようです。
 大型の西部劇風の機関車ですと、200万円を越えるようですね。
↑いやはや、おどろきました、びっくりしましたぁ~。

20:AtoZ:「田んぼ」 ジオラマ/レイアウトの制作(9)田んぼを作る

20:「田んぼ」 ジオラマ/レイアウトの制作(9)田んぼを作る
 ここでの田んぼは初夏の水田です。水は、「メディウム」という乾くと透明になってぬれたような光沢を出す塗料を、稲(人工芝)の間に、極細筆で塗るだけのようです。
 1.薄めのスチレンボードを田んぼの全体にあわせて二枚切り抜き、一枚は周囲を一センチ程度残してくりぬく。この一センチがあぜ道になります。
 2.二枚を重ね合わせて、あぜ道部分は斜めにカットしてそれらしく。
 3.全体に下塗りする。茶色のジエッソを使うと書いてありました。
 4.全体に水溶ボンド(ボンド:水=1:3~5)を塗って、あぜ道や田んぼの底にパウダーをまく(緑、茶)
 5.人工芝を芝目に注意して、くりぬいた長さより短めに、何本も細長く切る(数ミリの幅でしょうね)。
 6.スチロール糊(?)で、5を間隔を空けながら並べて田んぼに貼る。
 7.植えた人工芝の間にメディウムを塗る。乾くと透明になって水田のように見える。
↑という、楽しそうな工作です。しかし人工芝がてもとにありません。代用品を考えたのですが、うむ。やはりDIYに走った方が良さそうですね。

20:昭和の『鉄道模型』をつくる

20:昭和の『鉄道模型』をつくる
 今週号は気になる記事がいくつかありました。
1.今時は、夜行列車で普通の座席車両は滅多にないようです。
 つまり寝台車になっているわけ。でも私の幼い頃は、汽車といえば夜行、夜行といえば向かい合わせの座席、朝になって下車したら真っ先にずらりとならんだホームの洗面台で顔を洗う、でした。
 青森→←札幌を、「はまなす」という急行が走っているようで、座席客車が自由席とのこと。
 実はそれよりも、青函トンネルといえば、青函連絡船。未知ですが、私は幼い頃、連絡船と陸との、レールの接合部が気になって、気になって、眠れない夜を幾夜もすごしました。一体、レールのジョイント機構はどんなだったのでしょう! Nゲージで実現している人がいるかもしれませんね。想像するだけでわくわくします。
2.これも未知ですが、「横川駅」とくれば峠の釜飯、とくれば、アプト式碓氷峠。
 ラック・レールと、ピニオン・ギア。模型工作でラックピニオンギアは経験したことがあるのですが? 鉄道模型では未経験です。ドイツの登山鉄道の技術を明治時代に取り入れて、明治26年に開通、しかしトンネル煤煙に悩まされて明治45年に横川駅~軽井沢駅が電化されたとのこと。横川駅で機関車を入れ替えていたから、その待ち時間に「峠の釜めし」が飛ぶように売れたようです(笑)。それにしても、明治45年に我が国に、電気機関車が走っていたとは、驚き話ですね。
3.洋酒の寿屋といえばサントリーといえばアンクルトリス。
 無料の小冊子「洋酒天国」の初代編集長は、開高健さん。昭和31年だったとのこと。さらに<トリスを飲んでハワイへ行こう!>の二代目編集長は山口瞳さん。昭和39年頃のことだったようです。私は、高校生だったのかなぁ?
4.黒澤明。
 トリス、黒澤明と続きますと、私の脳裏には畏友の一人がはっきり浮かんでくるのですが、私事ですからカット! 次に話をクランクイン。
 「度肝を抜かれた殺陣シーン。映画『用心棒』のヒットで世界のクロサワに」
 たしかに。用心棒や椿三十浪は、そして七人の侍も、別の様式美を作ったわけでしょうね。目を閉じなくても、ザクッと刀が肉に食い込み、侍が泥の中に突っ伏すイメージが鮮明に見えるのです。それがCGとか、特撮には見えず、ただ現実の闘争が眼前でくりひろげられたのです。それに小汚い着物で一杯でしたね。古着というよりもっと、臭うような、臨場感ですよ。でしかし、意外に赤ひげなんかで私はほろりとした記憶もあるのです。いずれにしても、このころの黒澤さんは、たしかに一級の映画技師長さんだったわけです。
↑以上で、今週号のクランクアップ

20:未来の図書館、過去の図書館
 「情報図書館学」という、図書館学・司書の初級科目を担当しています。毎年、前期の課題を「未来の図書館を作る」にしています。受講生が80人前後なので、毎年10のグループを作って課題を出してもらってきました。受講生年令は2年~3年生が中心で、19歳~20歳です。まだ、脳は柔らかいですね(笑)。その分、斬新な企画が数多く生まれました。

 追補:ついでながら、後期は各受講生が「自分達の作った図書館を評価する」となっています。作ったものを評価するといっても、単純な自己評価ではありません。夏休みを挟んで一息ついて、やおら図書館評論家の客観的な目をもって、前期の仮想的図書館を自ら見学し、調査し、アンケートをとって、改善策をだすわけです。もちろん、見学といっても、ものすごい想像力をはたらかせないと、リアルな評価はできません。アンケートを採るのも、10名以上の現実の友人知人に頼む受講生もいますが、大抵は20名前後のキャラクターを創造して、答えさせます。すべては仮想現実の中で、評価していただくわけです。脳が活性化しますねぇ。

 さて、「作る」ということの意味は、現代や過去の図書館や博物館をよく観察して、機能を確認し、設計要件を絞り込み、全てにおいて「魔法」を使わないというたった一つの制限の中で、「新しい図書館の設計書」を作成することです。また、どんなサービスを行うのかが、評価の重点項目になっています。
 (適切な施工業者に手渡せば、建築できることを目指していますが、~(爆笑))

 この授業で受講生が得られる成果は、図書館への理解が深まることです。少なくとも「図書館」というものを自分が作る気持で観察する必要があります。利用者の立場だけだと、外面のカウンター業務程度しか見えてきません。ここから調査、検討が始まり、「わがこと」として図書館を把握する機会が増えます。知識を受動的に消化することから、その知識を活性化し、智慧をはたらかせ、創造する必要があります。

 授業趣旨は、当記事はFD(大学教育の改善?)の報告書ではないので、これで終わり。
 それよりも。
 これまで、「鉄道」に関係する報告書がいくつかありました。記憶では、もっとあったのですが、幸運にも上位に入った作品を、簡単に紹介しておきます。そのことで、わが「嵯峨野鉄道図書館」プロジェクトへのご理解が深まるのでは無かろうかと、思うところです。
 なお、今回はいくつかの概略にふれ、次回以降は特徴的な作品の詳細を説明するつもりです。

 「FAST BOOK LIBRARY」 平成17(2005) 一位
 平成12「駅に図書館を!」の子孫にあたり、この場合の駅とは新幹線駅に重点を置いています。ここでは移動しながら読書するための特別な列車という考えではなくて、各新幹線駅に付設する駅図書館が、どういうものであれば、利用者の関心を惹き、また書店等との摩擦を少なくするのかという点に腐心した作品です。
 【注:この班の副班長は、後に葛野図書倶楽部2001の局長2007として、君臨しました】

 「★じどうとしょかん ながれぼし」 平成15(2003) 一位
 この作品は、「ながれぼし」という平仮名のタイトルにぞっこんまいったというのが本心です。しかし、なんとなく私のプロジェクトの要点は、すでにこの作品の設計図、概念図などで語られていたのじゃなかろうか、と思いました。このながれぼし号が嵯峨野や保津峡を走ると思えば分かりやすくなります。

 「島図書館」 平成15(2003) 二位
 この場合はトロッコ列車ですが、私が鉄道というものを強烈に意識した報告書でした。瀬戸内海に小さな島があって、その島にトロッコ列車が走っていて、住んで見たくなるような図書館があるのです。風光明媚な瀬戸内海の島全体が図書館ですから、この点において「嵯峨野鉄道図書館」の「景観全体が図書館」というコンセプトが生まれた所以でもあるのです。図書館は、そこにある図書、建物だけにとどまらず、ある地域全体が図書館の中にある、という考えはこうした基本的なアイデアから、成長したものです。
【注:この班の班長は、後に葛野図書倶楽部2001の局長2004として、君臨しました。】

 「駅に図書館を!」 平成12(2000) 一位
 これは平成17年度「Fast Book Library」のご先祖にあたります。津々浦々のJR駅に図書館を作って貸出、どこでも返却という形式を取っています。ですから、電車の中で読書をすることも出来ますが、おもに通勤途上の人達を対象にした図書館です。現代図書館の開館時間というネックを解消することに比重が大きい駅図書館でした。
 列車図書館ではないのですが、しかしイラストをみてみると、「鉄道駅図書館基地」というコンセプトが濃厚にあります。私は、この駅をさらにイメージして、「嵯峨野鉄道図書館」全景モデルに借用する予定です。

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受信: 2008年2月28日 (木) 08時20分

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