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2008年2月26日 (火)

小説木幡記:2008/02/26(火)226とかイージス艦

 この数日、時々世間を気にしていたのだが、イージス艦の事故についての別の視点が聞こえてこない。

 海上自衛隊という美称があっても、海軍に変わりはない。昔のように戦艦とかいう名称が使われないので分かりにくいが、イージス艦は戦艦に高機能の電子的防空・対戦システムを積んだ艦と、なんとなく思っている。まさか潜水艦とは思わない。

 さて。
 漁船の親子のことは、悲しすぎるので言及しないでおこう。漁船、漁師、なかなか危険な仕事だと、以前から思っていたが、戦艦にぶち当てられるとは、目も当てられない。
 イージス艦を多くの人びとが批判しているし、当然批判されて当たり前だ。国はメンツにかけてご家族に厚い手当をすべきだ。

 決着がついたら、防衛大臣は更迭されるだろう。今の防衛大臣は、優れた方とおもっているが、大臣の首がとぶくらい、それくらい内包する意味は深く重い。
 野党が、例によって防衛大臣にケチをつけているが、余の申すこととは意味が全く異なる。
 あれは、日本の防衛がないがしろにされた事件なのだ。
 となると、更迭もやむを得ない。

 あの漁船がもしも、外国の、無国籍の、危ない漁船だったらどうだったんだろう。イージス艦が沈没して、多数の乗組員が死亡する戦後まれな大惨事が起こっていたかも知れない。
 日本の海防、制海権なんか、無いのと同じだ。
 爆雷か魚雷か、なにかしら高性能爆薬を搭載した漁船が、日本国の漁船のふりをしてイージス艦に近寄っても、「小さい漁船か。向こうがよけるだろう」と、うそぶいていたのだと思う。そして、1500億円前後の艦は、300人前後の乗員もろとも、房総の海の底に沈むのだろう。

 その程度の操船なら、素人の余でもできる。自動操縦させて、ときどきレーダーを眺めて、「ぽつぽつ、いるなぁ」「ねむいな」「よけてくれるだろう」なら、小学生でも言えるセリフだ。
 いまさらだが。
 兵器をあやつるとは、軍事なのだ。訓練と緊張のない軍が、敵に遭遇すれば赤子に等しいのは、戦史を少しひもとけば誰でもわかる。

 消防士は火事がなくても訓練する。
 警察官は訓練する暇がないほど忙しい。
 海の守りは、きっとだれも訓練せずとも、自動操縦でこなせる世界のようだ。

 日本は幸せなことに、ずっと長く直接戦争のない世界にいた。しかし大多数の国民の考えと、おりおりの政府の考えとのすりあわせで、それなりの戦力を持っている。
 これは戦争を仕掛けるためではない。
 厖大な国防費を、わかりやすくいうと、日本国の保険金として、支払っている。

 火事を消せない消防士。犯人みても居眠りしている警察官。それはあんまり聞かない。
 しかし、数キロ先の船をながめるだけで、眼前に来ても避けられない海軍って、カス。そんなんでいいなら、余ひとりで全イージス艦を操船できそうだ。

 今日は、226事件の日だ。
 日本は過去にいろいろあった。どれもこれも、過去の苦い経験は、きっちり服用すれば現在の良薬になる。
 現代は、苦い薬が厭な時代なのだろう。

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コメント

(イージス)って何でしたっけ?

 イージス艦という言葉は比較的新しく耳にしたように思います。
10年前には知らなかった言葉のようで・・・。
それでウィキペディアに聴きました。

 なお、「イージス」とは、ギリシャ神話の中で最高神ゼウスが娘アテナに与えたという盾(胸当)アイギスが語源である。この盾(胸当)はあらゆる邪悪を払うとされている。

とか、

イージス戦闘システムのなかで、レーダーやソナーなどのセンサー・システム、コンピューターによる情報処理システム、ミサイルとその発射機などの攻撃システム、そして他の部隊と連絡するためのデータリンク装置などが連結され、対空・対水上・対潜のあらゆる局面において、目標の捜索から識別、判断から攻撃に至るまでを、迅速に行なうことができる。

 とか出てきます。
そういう名誉あり歴史の重みを名に背負ったお船の艦長どのは、その時刻、白川夜船だったという噂もございます。

 Mu大兄のお嘆き、お怒り、もっともな事だと同感いたします。
コンピュータはじめ、あらゆるテクノロジーは、そも何のためのものでございましたろうか?

投稿: ふうてん | 2008年2月27日 (水) 00時19分

ふうてんさん、おはよう
 私は自動車しか運転しないけど(笑)、ルールとか実情の上では、大型バスとかダンプと、狭い道で鉢合わせをしたら、私が譲って、曲がるかバックします。時には腹立たしいけど、しかたないし、大型のバスや船はなかなか巨体故に舵が切りにくいし。
 巨船が蛇行しだしたら、燃費も悪くなるだろうし。

 ただ。こう思っています。ダンプが悪かろうが、自分が悪かろうが、道路交通法規が悪かろうが、事故を起こしたら場合によってはお互いに死亡、重傷、良いことはなにもない。

 今度のイージス艦と漁船の事故も、後日法的解釈とか海難審判とか、いろいろ結果がでるでしょう。
 亡くなった方の補償もされるでしょう。

それとは別に。
軍事は、失敗したときは言い訳が効かないという事実を、艦長さんや、当直士官や兵卒は理解しているのだろうか? という疑問と、憤懣なんです。

「自分は戦艦だから舵は切りにくい。相手はちっこいから避けてくれるだろう」→民間人の発想ですよ。

「新手のゲリラかもしれない。センサーに登録されていないかもしれない。船首に爆雷受けたら、何分で沈むか。上官の判断を仰ごう。」→プロの発想ですよ。

 プロは、素人とは異なる発想を常に持つべきです。

投稿: Mu→ふうてん | 2008年2月27日 (水) 06時34分

国防は大丈夫か?

 Muさん、ふうてんさんの言う通りです。軍の基本が忘れられている。司馬さんが、戦車部隊で日本に帰国し、北関東に布陣した時に上官から聞いた言葉に唖然とした話を思い出しました。

 首都決戦の時に戦車部隊は首都に南下するが、その時に避難民が北に向い逃げる、戦車隊は南下出来るのか?上官は引き殺せと言った。

 司馬さんは茫然とした、これが国民を守る軍隊か?

イージス艦の機密漏洩事件があったばかりですよね、ホンマ自国を海外の軍隊に守られている結果がこれですよ。

 私はイージス艦は移動するミサイル基地なんだと思う、軍事衛星だって撃ち落とす事が出来るミサイル基地なんですよね。移動する時は無事に移動できるように、引率する艦船が必要ですよ。

投稿: jo | 2008年2月27日 (水) 07時36分

JOさん、おはよう
 長屋のご隠居・国防談議になってきましたね。

 こないだの社保庁のこともありますが、組織の経年変化は熟成よりも劣性化がほとんどで、ときどき立て直したり修築しないと、スカスカの穴だらけになっているものです。これは社会生活を十年くらい経験し、ふと客観視すると、誰でもわかってくることです。

 組織は人です。そして人はだれでもその場限り通り抜ければよしとする、宮仕えの悪しき習性にたやすく染まるものです。

 最近の立て続けの防衛省関係失策は、その多くが結果として国がひっくり返るほどの大惨事には至っていないですが、よほど気持を引き締めて一刀研ぎ澄まし、交代でもよいから臨戦態勢の気持にならないと、なにか有事、それは他国が攻めてくると言うような古典的な分かりやすい有事じゃなくて、もっと現代的な、国籍不明の武装ゲリラとか、想像していない有事に直面すると、多分おそらく壊滅状態になるような気がするのです。

 昔の戦争は、たとえばヨーロッパ史や、わが国戦国時代なら、他国を占有して領土をぶんどって、そこの生産物や人間や宝物を自国の物にする、つまり強盗殺人が主だったわけです。なにしろ海賊国家が世界に覇をしめしていた時代ですから。

 現代はだいぶ様相が異なると思います。
 海軍なら、偽装漂流物・筏ひとつが命取りになるかも知れない。陸軍なら原子炉一個占領が恫喝のネタになるかもしれない。空軍なら渡り鳥が兵器に用いられるかも知れない。

 そして、それを行う敵対国は、つい最近まではご近所と考えていれば良かったけど、これからは誰が敵になるかわからない。つまり、国じゃなくなるかもしれない。サリンまいた集団は、漫画のような日本占領を考えていたわけです。

 そして漫画のような世界が、現実に起こりうる世界です。イージス艦や原子炉を占拠されるような武装ゲリラ有事に、警察の火力だけでは対処できないでしょうね。ミサイルを装備した小型船舶が、東京湾をモーターボートみたいに走り回るかも知れない。

 と、いろいろ考えてみましたが、人は事件が間近に起こらなければ対岸の火事。プロだけが自家の火事と見なす想定訓練をしているわけなんですが~。
 あてになりませんね。

投稿: Mu→Jo | 2008年2月27日 (水) 08時26分

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