昭和の鉄道模型をつくる(14) トンネル1
承前:昭和の鉄道模型をつくる(13) 土台の補強材(スチレンボード)
14:ここまで完成(~14号)
今回の附録はトンネルのパーツその1でして、完成は以前13号と変わらないので、省略します。
14:部品と工作
省略して、次号15号でまとめます。
14:鉄道模型の達人/ドナルド E.アグニ
もちろん私自身が始めてまだ数ヶ月のド素人ですから、それがどういう意味かを判定はできないのですが、感心したという点で、記しておきます。
☆金閣寺があって、そばに池もあります。その池は樹脂製なので瑞々しく見えます。気に入ったのは、その水面に金閣寺の影が映っているわけです。こういう工夫は見習いたいですね。それが、手書きなのかどうなのかは、知りません。
☆大きな山があります。ベースが360x150センチのジオラマですから、でっかいわけです。その山に、滝が見えます。滝は他の秘境ジオラマなどでも見られますが、よいですね。そして、実は「いろは坂」があって、そこの四角いコンクリート板が写真ではとてもリアルなのです。「いろは坂」の再現って、とても奥が深いと思いました。
以上の二点ですが、アグニさんは相当に古い日本を調査されたようです。私はそこまで手が回りませんが、過去を再現するというのは、時間はかかるでしょうが、ジオラマの心髄とも思いました。
14:AtoZ:池を作る:発泡スチロール
下部には表面がなめらかなスチレンボードを使い、上面はでこぼこのある発泡スチロールを使うのがコツのようです。くり抜いて出てくる水面が凸凹していたり、木目が残ったりすると調整しにくくなると思いました。
池の岸にバラストをまいたり、地表に緑や茶のパウダーをまくときは、接着にボンド原液を使う場合もあるということ。これまでボンドは水で薄めて霧吹きでまいたり、薄めて刷毛でぬるのが本道と思っていましたが、原液そのままもあるという小さな事実に気がつきました。
水面に透明感を出すメディウムは、すでに購入していますが、実はニスでもよいとわかったのです。ニスなら小学校以来工作には盛んに用いたので、気分が楽になりました。(いろいろな見知らぬカタカナ用語が多いので、めげていた。たとえばジェッソという下塗り液も、購入はしたが、正体は知らない(笑))
こういう工作はまだ一度も手がけてはいませんが、じわじわと塗料を買って、用意万端調えています。楽しみですねぇ。
14:昭和の『鉄道模型』をつくる
昭和34年、スクーターでフランスを野宿していた24歳の小澤征爾がブザンソンで「世界のオザワ」になりました。私はオザワのこのころの自伝を後日に読んでいます。
同年、週刊少年マガジンと、週刊少年サンデーが登場しました。それまでの「少年」は私、「冒険王」は兄が好きでした。アトムは「少年」に掲載されていたのです。祖母と住んでいた、極貧の私の家の天井の棚に「少年」がずらりと並んでいたのを家に来た友達がいぶかしげに見ていたのを思い出しました。週刊誌は毎週だから買えなかったので、散髪屋で読んでいました。私はどちらかといえば、少年サンデーが好みでした。理由は思い出せません。
14:未来の図書館、過去の図書館
昨年の末に、授業科目「情報図書館学」で2007年7月に出そろった「未来の図書館」の作品を紹介しました。今回は鉄道関係のテーマはゼロだったのでいささか残念ではありますが、移動する図書館という考えは多かったのです。それは空と船を使うものが主でした。地上に固定された図書館は、比較的専門的なものや、あるいは日常に使えるサラリーマンやOLをターゲットにしたものがありました。
Mu未来図書館研究所、初の「嵯峨野鉄道図書館」は、基地図書館を固定として鉄道駅を併設し、読書する空間、すなわち「閲覧室:reading room」を移動列車にしています。
鉄道で移動するということは、駅ごとに乗降ができて、利用者の利便性をまします。
しかし、「移動」は図書館の移動だけではなく、「人」の読書態勢に直接関わることがあると推測できるのです。
つまり。
移動という背景があることで、読書に不慣れな人でも読書に専念することができます。それは読書が多くの場合、導入時に「困難」を味わわせるものであり、その世界になかなかとけ込めない、文字を読んでも意味が入ってこないという、一般的な障害を、車体の移動という行為で低減することができるからです。
簡単にいいますと、読書は普通身体を静止する必要がありますが、これは一種の拘束になり、慣れない人はそこで躓きます。だから、ちょっと読んでは立ち上がったり、トイレにいったり、他の用事をおもいだしたりと、簡単に読書から逃れ、結果として読書に専念できなくなるわけです。
列車に座するのは拘束の一種ですが、これが動きだすことで、拘束感がうすまり、リズミカルな振動や車窓の変化によって、自分は静止しているのに、背後の世界が動くわけです。だから、拘束から逃れなくても、自由感があって、自然に図書のページをめくり、自らを静止できるようになります。
さらに目的地までは座席に静止しているという、社会的な刷り込みが、多くの人にはすでに備わっているので、簡単には、読書の拘束である「静止」を解くことが出来なくなります。
学習障害の一種で教室を走り回る児童がおります。この場合は、発達の障害として、学習困難な事例として、上記には当てはまりません。そういう状態にある児童や大人なら、やはり車内を走り回る可能性があります。これに対しては、移動・鉄道図書館も無力ですが、すべてを一つの方法で解決しようとするのは、無理だと考えます。
未来の図書館が、紙の図書を主として、ディジタル情報を副次的に考えるのは、ひとえに上述した人間の「身体性」を考えてのことです。
(もちろん、眼球運動とか、移動衝撃による焦点調整疲労とか、問題は背後にありますが、通勤電車や新幹線で読書する人を見かけると、現実的対応はいつか見つかると楽観しています)
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