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2008年1月26日 (土)

昭和の鉄道模型をつくる(17) タクシー営業所

承前:昭和の鉄道模型をつくる(16) バス車庫

17:タクシー営業所(三和自動車観光)

17:タクシー営業所(三和自動車観光)
 最近はこういう形態のタクシー営業所は見かけませんね。もちろん京都市での話ですが。よその警察署・模型(カトー社)についていたパトカーが、やっと二台はいるだけのスペースでした。当時の面影橋駅には、これくらいのタクシー営業所があったのでしょう。
 例によって精密なモデルでした。バス車庫と似ているのですが、古タイヤやその他細かな部品が、車庫の奥にあるのです。こういうこだわりがいつ頃からあるのか知りませんが、表だけじゃなくて、覗き込んだらさらに精密、というのがこの世界なのでしょうね(笑)。
 写真でもはっきり分かるように、「三和自動車観光」というでっかい看板が目立ちます。模型の、こういう文字種は自分で作るときは難しいでしょうね。フォントを探すか、手で書く必要があります。

17:鉄道模型の達人/平山学

17:平山学
 毎回気に入っているシリーズですが、今回、平山さんの作品「わたらせ渓谷鐵道の鉄橋」はことのほか気に入りましたよ。以前、桜のある風景で別の人(8号の市川利勝さん)の作品に感激しましたが、今回は鉄橋と川面の情景に圧倒されました。同じ台詞をはくことになりますが、こういうジオラマをつくりたくて、私は情報図書館学の科目を運営しているわけです。
 渓谷と鉄橋、これがわずかに1350x600mmの世界に、迫力ある立体感をともなって現実にあるわけです。いや、ものすごい世界です。雑誌製作用の高度なカメラで写した大きな写真で見ても、すみずみまで精巧につくられていることがよく分かります。
 後の自分自身のために要点をまとめておきます。
(1)鉄橋はプラ板(プラモ工作用の薄いプラスティック板でしょうね。ロボット制作でも使われるようです)から切り出す。実寸を1/150に縮小する。
(2)地盤は建材のスタイロフォームを重ねて削る。発泡スチロールとは仕上がりが違うのかなど、また勉強しなければなりません。
(3)渓谷の岩肌は「コルクの樹皮」を使う。そして、昆虫飼育用のコルク樹皮(ホームセンター購入)だと、価格がとても安く入手できる。
(4)川面の塗装は、やはり素人には難しくて、何度やってもうまくいかなかった。しかし美大出身の奥さんがアクリル塗料をさっと塗ると、よい仕上がりになった。要するに、こういうところは設計図よりも、アートなんでしょうね。手技ですなぁ。美大出の助手を今から探しておきましょう。

17:AtoZ:道路を作る

17:「道路」 ジオラマ/レイアウトの制作(6)道路を作る
 舗装道路と未舗装道路では作り方がだいぶ違ってきます。両方とも基盤はスチレンボードを使っていますね。そろそろスチレンボードも模型屋さんで買っておきましょうか。
 舗装道路の要点は、道路幅を一車線で25mm幅がちょうどよくて、その両側にプラ板で道路を張り込むわけです。ただし、ここが意外というか、250番の紙ヤスリ(サンドペーパーですね)を道路にするわけです。スチレンボードの上に紙ヤスリを張り込むのが舗装道路の正しい(笑)製作手法とは~、お釈迦様でもご存じあるめぇ~。いやまったくモデルの世界は奥が深いですな。
 未舗装道路、砂利道の要点は、スチレンボードにタイヤ跡(車のわだち)を等幅で深く切り込み、塗装し、その上に砂をまき、例のボンド水溶液を使うわけです。なかなかに委細を尽くすというか、こってますね。タイヤ跡だけ砂(つまり砂利みたて)が沈みこむわけです。
 読んでいても、「たまらんなぁ~」とため息がでてまいりました。

17:昭和の『鉄道模型』をつくる

17:昭和の『鉄道模型』をつくる
 この号は往時の政治的状況に頁がさかれていました。「安保闘争が列島を席巻」「浅沼稲次郎」「日本の黒い霧」
 安保は日米安全保障条約の改定について全学連とか野党、労働組合がそれに反対したようです。デモによって「国会が血に染まり死亡者も出る惨劇に」と見出しにありましたが、東大生・樺美智子(かんばみちこ)さんが圧死ないし機動隊による撲殺で死亡したわけです。原因は不明のようです。当時私は幼かったので、そういうことの意味は分かりませんでした。第一次安保改正のころは昭和35年ですから、全学連も東大生も小説の中の話のようにぼやけていたことだけが思い出せます。
 浅沼さんという人は日本社会党の委員長でして、日比谷公会堂で演説中、17歳の山口二矢(おとや)少年に刺殺されました。この事件は後日大江健三郎が「政治少年死す」にモデルとして採用しましたが、右翼との関係で雑誌は回収されました。私は大学浪人中に京都府の資料館で閲覧して複写した記憶があります。二矢少年の父親はたしか、自衛官・将校だったとぼんやりした印象があります(未調査)。
 「日本の黒い霧」は昭和35年から松本清張が連載した「下山国鉄総裁謀殺論」「帝銀事件の謎」などで、それら事件はGHQ(占領軍)が戦後の日本を表裏押さえるために起こした謀略という説です。連載内容は文春文庫で現在も新装され読まれていますね。清張には「昭和史発掘」という文庫もあって、これは私も愛読書(笑)。現代作家が数名、いまだに色あせない作品、小説よりも小説と、ほめておりました。たしかに、おもしろいです。
 小説よりも現実の方が謀略にみちているのでしょう、きっと。GHQの謀略なのかどうなのかは、分からないでしょうが、占領軍政策はLC(米国議会図書館)とか米国国防総省の地下資料室からいろいろ資料が出てくるのかもしれません。しかしやはり、霧の中でしょうね。
 そうでした、こういう政治状況にはあまり興味もないのに書いてしまいました。克己心鍛錬というか、好きでもないことを無理して飲み込もうとするレトロな求道者精神の発露なんでしょう(爆)。
 本当に書きたかったのは、蒸気機関車D51デコイチの話でした。
 しかしもう書き疲れたので、次に進みます。

17:未来の図書館、過去の図書館
 2001年だったと思うのですが岐阜で図書館の大会があったとき、なにか話したついでに明治村に立ち寄った記憶があります。帰りは新幹線じゃなくて特急でゆったり帰った記憶と重なって、「旅」はよいなぁと今でも思っています。私も昔はそれなりに、木幡村と葛野村の往還を断ち切って、そとを出歩いたこともあるのです。

 例によって情報図書館学という科目を受け持っていて、そこでは学生達の創意工夫による思いもよらない未来の図書館がわき出てきます。その中に、鉄道関係はいくつかありますが、それは後日のこととして(笑)、明治村では明治天皇の御料車が印象深かったです。勿論、あそこには実車の蒸気機関車が動くわけですが、それ以上に御料車には驚きました。

 写真は明治村のサイトにお任せするとして、当然ですが、このサイトの写真を見ていると、時には贅沢な図書館列車があってもよいのじゃなかろうか、と思ったわけです。そりゃ、図書館司書を教える教授ですから、世の中の何をみても「図書館」「図書館」と、すぐにそう考えてしまいます。温泉に入っていても、宇宙SF映画をみていても、歩いていても、京都駅を通過しても、自動車に乗っていても、京阪電車の中でも、研究者ちゅうのは24時間365日、テーマに専念しちょるわけです(なんか、嘘嘘しい話)。

 さて、そこで、明治大帝の御料車に今何を見たのでしょうか。
 手元にある図版集の精密な写真も参考にして、別の豪華図書館列車を考えてみました。

1.狭軌鉄道なら、片側にソファや閲覧机を置くのが限界。両側は無理。しかし歩行にじゃまにはならない。
2.全長20mほどの列車で、間取りは、大膳室、侍従室、天皇御座所、侍従室、御寝室、御厠となっています。
 この配分を鉄道図書館に当てはめるなら。
 大膳室とは、食堂なのか調理室なのか、ちと分かりませんが、食事関係でしょう。食堂車が別にあるのかどうかは調べないと分かりません。ともかく、カフェテラスでも置きましょう。
 侍従室は、おつきの方のスペースでしょうが、これは司書室ですね。
 天皇御座所、ここが広く写っていますから、閲覧室相当でしょう。まさか鉄道図書館に館長室を真ん中に置く必要は無いでしょう。
 さらに侍従室。ここは閲覧室拡張部分とするか、あるいは書庫相当もよろしいでしょうね。
 御寝室。うむ、ここは軽読書室、つまり新聞や雑誌をのんびり寛いで読む部屋でしょう。
 御厠。ここは、そうですね、やはり広々としたトイレにすべきです。
 そして窓には御簾(みす)。これがないと格調がなくなります。図書館列車の窓自体はステンドグラスでもなく、防弾窓でなくてもよいわけです。しかし、御簾をさげるだけで、ぐんと全体が引き締まると思うのです。
 壁面は木製もよいですが、ビロードや皮の内張でぐっと深みを付けましょう。
 機関車ですが、御料車を引っ張る動力車がなんだったのかは、調べていないので分かりません。しかし図書館列車の場合は、内装がやたらにレトロですから、せめて機関車だけはトーマス号のような、幾分明るいものが似合うでしょうね。

 ただし上記は、今考えている嵯峨野鉄道図書館のコンセプトとは異なります。嵯峨野の方は、明確に軽便鉄道、つまり屋根があるような、ないような、それでも全天候型(なんか矛盾)のしっかりしたトロッコのようなものを想像しています。ガルウィングタイプの屋根だと実現可能です。そして現実にあそこにはトロッコ列車が走っていますから、現実が想像を凌駕していますね。

 明治村の御料車に執着したのは、せんだって寝台特急カシオペアのことを知って、あれは走るホテルという雰囲気ですが、それが現実にあるのだから、御料車タイプの走る図書館があっても、誰もケチを付けないだろうという思いから、一筆啓上したわけです。

 とりとめもない話になりましたが、今度明治村を再探検することになりました。その時は、あらかじめ気持ちを整えて、明治大帝御料車を見せていただき、蒸気機関車にも乗ってみるつもりです。そうなんだ、嵯峨野鉄道図書館の萌芽は、明治村全体から得た情感、知見が大きく影響を与えていたのだと、今深く自覚いたしました。

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コメント

リキがはいってきましたね

 ジオラマの中には歴史があるのですねえ。
浅沼委員長のテロ事件やら60年安保やら御料車やら。
沢木耕太郎の(テロルの決算)は傑作だと思いました。

 図書館列車という構想(妄想?夢想?)が登場したのでビックリしました。
ちょっとおもしろいですね。
バスで(巡回図書館)みたいなのが現実にあったことを思い出します。
コンパートメント・タイプの列車でかつ2階建てにして、池波正太郎の部屋とかやったら・・・と想像がふくらみます。
2階へは天井裏へ上がるような引き下ろすタイプの階段で・・・。

 Muジオラマ(嵯峨野鉄道図書館)で一番楽しみにしているのは(トーマス号)がニヤッと笑いながら走る姿なのです。

投稿: ふうてん | 2008年1月26日 (土) 19時42分

ふうてんさん
 いやはや気恥ずかしい、お目にとまりましたか。この手の記事は、雑誌を購入している人だけがみていると思っていました。

 ただ。
 団塊世代をターゲットとした企画シリーズに、まんまと載せられてしまったと、思いながらも、この薄い一冊一冊の週刊誌に、生きてきた鏡を見る思いがしますね。

 昭和35年というと、まだ中学生程度なのですが、そのころ味わったいろいろな違和感、ぼんやりとした世間の感触、それらがグラビア、記事を読んでいると、いまさらながらの「解」を得たという、胸の落としどころがあるのです。

 ジオラマを並行して作ることと、一つ一つの町並みに、デモが走り、その十年後には三島由紀夫が自決し、我らも卒業し社会にでていったわけですね。

 このシリーズは、私の世代の一つ前の世代のものだけど、ぼんやりしたことが、それなりに分かったということです。

 さて、自動車図書館は歴史があったのですが、それは移動静止図書館ですね。バスに乗りながら読書する事例は稀です。
 わが嵯峨野鉄道図書館は、静止する駅舎図書館があって、移動閲覧(読書)が出来る、図書館列車というわけです。
 まだまだ列車を作る技量も気力もないのですが、二階建てというのは失念していました。

 階段が、忍者屋敷のように、上から降りてきて、とんとんと上がれば、そこは池波正太郎世界~。くーくくっ、痺れるような妄想設計ですなぁ。
 この企画、買いました!!

投稿: Mu→ふうてん | 2008年1月26日 (土) 23時36分

管理人様、初めまして。
この記事にも取り上げていただいた「渡良瀬第二橋梁」を作った平山です。
このブログを拝見させていただきました。

私の記事が細かく丁寧に載っているのをみて感動し、コメントさせていただきました。

http://ashiomania.choitoippuku.com/

上のアドレスに誌面に載せていただいた模型の製作記事から完成画像集まで載せてあります。

よろしければご覧ください。
このようにブログで書いていただいくと、作品を作ってよかった。と思います。

本当にありがとうございます。

P.S
先ほどコメントを書き込みしたのですが、どうやら投稿されなかったので今一度コメントを投稿させていただきます。
重複して載ってしまったらまことに申し訳ありません。

投稿: 平山学 | 2008年2月26日 (火) 23時13分

平山さん
 参照のアドレス、さっそく確認しました。

http://ashiomania.choitoippuku.com/watarasedainikyouryouseisaku.htm
(製作過程写真集)
http://pink.ap.teacup.com/hirabonodeko/
(blogでの製作解説記事)

この二つを興味深くみました。
 最近、私もレイアウトを初めて造り出したのですが、雑誌記事でみかける製作の流れや、完成品、そして平山さんのグラビア写真から得る印象とは、まるで逆の実体験に汗をかいています。

 部屋中が道具や塗料や発泡スチロールの粉雪や匂いや、レールで一杯になって、身動き出来なくなりますね。下塗り段階で、刷毛を動かす腕が痺れてきました。

 将来は、「二階建て図書館列車」という客車を自作せざるを得ないのですが、プラ板やボール紙を切る代わりに爪を切るハメになりそうです。

 この世界は、本当に奥が深いです。自分の思う世界を創るのは、まだまだ私には無理だと、感じてきました。

 完成品をみるだけとか、グラビア写真をみるだけでなく、実際に自分のジオラマを創ろうとすると、ますます平山さんの作品に、凄みを味わい出しました。ああいう岩肌とか、水面、河原の情景は、ちょっと無理です(笑)。

投稿: Mu→平山さん | 2008年2月27日 (水) 07時03分

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