昭和の鉄道模型をつくる(12) パネルボード4枚(レール、建物配置図)
承前:昭和の鉄道模型をつくる(11) ポイントマシン(電動化の磁石)とDCフィーダー(送電線)
12:番外(トーマス号)
実は、このトーマス号は今回の講談社シリーズやMu未来図書館研究所の嵯峨野鉄道図書館ジオラマに、ぴったりの試験走行列車キットだったのです。つまり、ミニカーブレールでも、三両編成の列車が高速で走るわけです。車輪の間隔が狭いからなのでしょうが、これは快適です。
今の気持では、長々しい現代的な列車編成よりも、ちょっとナローな雰囲気のトーマス君が好みです。
「ベーシックセットSDきかんしゃトーマス」というTOMIX社の製品でした。電源やレールや列車が全部そろっているので、速攻で走らせるには最適でした。お店での価格も抑えてありました。昭和の鉄道模型は大いに満足なのですが、パワーユニットやモータや車輪がくるまで、来年まで待つ必要があります。待ちきれなかったのが真相でしょうね。
そして、なんと、このトーマスに付いていたレールセットは、ほとんど全部「嵯峨野鉄道図書館ジオラマ」に、すでに転用してしまったのです!
12:ここまで完成(~12)
それにしても、ジオラマは木製のボードを多用するようですが、ここでは4枚のスチレンボードを接続して45センチX60センチの土台を作っています。これは独特なんでしょうね。A4判よりちょっと大きい雑誌を4冊ならべた大きさになります。
12:部品と工作(休載)
パネルボードを貼り合わせて土台を完成させるのは、次号13号の部品とまとめて掲載します。
12:鉄道模型の達人/いのうえ・こーいち
ナローの写真をみていると、たしかにアンバランスな可愛らしさがあります。
漫画チックという古い用法で話すのが今の私の気分をよく表しています。現実にはあり得ないような機関車で一杯なのです。なのに、現実の狭軌(ナロー)列車にはそういうものが多数あるとのこと。こりゃ、おもしろいはずですね。
ところで、いつになったら、私は9ミリ・ナローのことを胸張って「わかった、9ミリ・ナローなんですね」と言えるようになるのでしょうか? 多分Nゲージの線路とか車輪を使っていても、車体などの縮尺がNゲージの1/150ではなくて、もっと大きなものなのだと想像しています。TTゲージ規格はそれが1/120とはっきりしました~。
そうそう「いのうえ・こーいち」さんの職業はモデラー兼写真家とのこと。うむ。
12:AtoZ:岩を作る:発泡スチロール
今週の目玉は、まずカッターナイフは大小、用意する。つまり小ナイフは、丁寧に細かく発泡スチロールに傷や切り込みを入れていく、となりましょうか。仰天したのはカッターナイフの峰打ちでしたね。刃の背中でより細かな溝をいれていく、ああ、この道も奥が深い。
ジエッソという下塗り塗料(茶、灰、白)は画材屋で入手とのことですが、すぐに思いつかなくて先般ドールハウス道にはげむM氏にうかがったところ、京都では河原町西入るのロフトとかいう所の上階にあるとのこと。一度行ってみたいのですが、このビルは10~20代でないと出入りできないような雰囲気なので、困っております。うむ。
下塗り手法は、灰色ジエッソを、凸凹にした(岩のような)発泡スチロールの基本色とする。岩の上部には岩肌が土砂で変色した様子を茶色ジェッソで表現。さらに白ジェッソは、ドライブラシ(歯ブラシみたいなものかな)で、凸部を叩き塗ると雰囲気が出る、らしいです。
なんとなく、む、難しい雰囲気ですねぇ。本編の「昭和の鉄道模型」は、すべて完成した色調なので楽ですが、自作するとなると、上述のような様々なテクニック、手順が必要なんです。
つまるところ、ウェザリング(古色、古調化)の技術をマスターすると、それらしく出来上がるのだと得心しました。
12:昭和の『鉄道模型』をつくる
石炭と水の蒸気機関と、重油のディーゼル機関では、当然後者が馬力強いと思っていたのですが、そうでもなかったようですね。あるいは、わが国の蒸気機関車は技術の極北まで磨き上げられたのかもしれません。とはいうものの、石炭と水を二つ必要とするのは維持保守に大変だったのでしょう。
だから蒸気機関車→ディーゼル機関車→電気機関車、と変遷を続けたのでしょうね?
12:未来の図書館、過去の図書館
以前つとめていた図書館の大昔話です。
その図書館、というよりも建築規模では図書室の話です。すでに40年近くも昔のことですが、今もありありと覚えています。
「どんな仕様の部屋が、先生方の気持ちにそうものでしょうか」
「研究室があるのにわざわざ図書室にくるのだから、ひと味違った快適さ」
「具体的には」
「床は靴音のしない、そうだな、絨毯が敷いてあるとよい」(当時は贅沢品だった)
「空調は快適な方がよい」(冷暖房完備は贅沢品だった)
「出入りは、資料をもったりすることもあるので、自動ドアがよい」(贅沢品だった)
「景色のよいところで、ねっころがって本を読みたい」
「ここは京都でも絶景ですから、はい、考えてみましょう。ただ、絨毯や畳を敷くことは可能ですが、寝っ転がるのは他の教授によっては不快感を持つ先生もおられますが?」
「それなら、ゆったりしたロッキングチェアがよい」
「そういたしましょう」
「ところで、図書館はわけのわからない十進分類とかいうのを使っているようだが、なにか意味があるのか? 世界や研究内容が、10ずつで細分されるとは思わないが」
「はい。それなりに、公共図書館などでは重宝しております」
「我々には、役にたたない。図書は著者で選ぶ。凡百の解説本を求めてはいない。世界各地の、数名の先端研究者が、現在何をまとめたかを読みたくなることがある。キーは著者名。著者が研究内容を語っているのだから」
「そこまで考えが及びませんでした。わかりました。この図書室では全ての図書を、著者名で並べることにします」
「そうしてくれると、ありがたい」
「他になにか?」
「最先端の研究内容は図書よりも、雑誌、それも速報誌のようなものや、講義録や刊行前のプレプリントであり、我々の本当に必要な情報は、評価の定まった図書ではない」
「そうでしたか。それなら、そういう資料情報を組織的に収集し、コンピュータを使って短時間で整理していきましょう」
「そうしてくれると本当にありがたい。秘書や助手の手を煩わせずに、いつでもそれらにアクセスできれば研究がはかどる」
この話は私が直接耳にしたことではなく、そこが図書室を開設する前の、国際的にも有名な理数系教授達と図書館関係者の対話内容を簡略にまとめたものです。昭和30年代の末頃の話です。
現在なら当然のことでも(空調など)、当時だと随分思い切った仕様だったと思います。そこは本当に未来的な図書館・室だったのです。
現在でも、近未来的な要素はあります。たとえば、利用者ごとに資料や情報へのアクセス方法が異なることへの、はっきりした自覚でしょうね。その自覚を図書館が持てば、将来も図書館は人びとに大切に扱われるかもしれません。
それと、公共の場でありながら、利用者(この場合は研究者)の気持や性向に合わせた点でしょうね。ねっころがって論文を読むのが一番よい、こういう利用者の「わがまま」と取られかねない要求を、ある程度まで満足するように、工夫する。
わが、嵯峨野鉄道図書館も移動部分(客車)は、半分ねっころがって読書が出来る、ゴットンゴットンという心地好い振動のリズムの中での読書空間をもちたいです。
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コメント
おけいはん の京阪電鉄には、
機関車トーマス仕様の電車が、時々走っています。
Muさん鉄道にもトーマスが走るんですね~。
投稿: 伽羅 | 2007年12月 8日 (土) 21時38分
まいど、伽羅さん
Muは京阪沿線なので気をつけて観ていますが、京阪トーマス号は未見です。
この列車とは相性がよいので、嵯峨野鉄道図書館でも、工夫して走らせるつもりです。
投稿: Mu→伽羅 | 2007年12月 8日 (土) 23時19分