昭和の鉄道模型をつくる(13) 土台の補強材(スチレンボード)
承前:昭和の鉄道模型をつくる(12) パネルボード4枚(レール、建物配置図)
13:ここまで完成(~13号)
しかもその面には建物やレールやレール規格番号があって、完全な設計図の役割もはたしています。
写真で白くなっている部分には将来いろいろな建物が配置されて、町並みが完成するわけです。ここまで来ると、もう途中で放棄することはできなくなりますね(笑)。
13:部品と工作
こういう手法が他で採られているかどうかは分かりませんが、最近ずっと土台は木製で作るものと思っていた私には、驚きでした。
次の三枚の写真は、まず4枚のパネルボードの表と裏を、細いシールで貼り合わせ、次に裏の四隅や要所に補強材を貼っていく一連の工作です。
13:特別編:パネルボードの組み立て&模型の仮貼り
(いつものAtoZは休載でした)
要点は、パネルボードが完成したら、ポイントとレールとそして建物を仮貼りすることです。接着剤は使わず、すべて両面テープでした。特に建物の前後方向はよく確認しないと、店先が道路と反対になったりします。少し間違いやすいところです。建物自体がとても精巧で前後左右どこからみても完成された良品ですから、作成者の視点を意識しすぎるとかえって方向を間違います。(わかりにくい日本語ですね)
ただし、私は両面テープで留めること自体を今回しておりません。おそらく完成させる直前にすると思います。その理由は、両面テープの粘着が「普通」と書いてあるにもかかわらず、一旦接触させると二度と剥がせない(笑)、そういう事実に気がついたのです。ボンドと変わりがないですね。
13:鉄道模型の達人/青木保雄
青木さんはすでに昭和30年代にHOゲージで、自動運転付きのレイアウト・白雪姫鉄道を制作し、この世界の有名人になられた超ベテランらしい。自動とは、連結や切り離しの自動化とか、電動ターンテーブルでの機関車や列車編成の変更などが含まれているのでしょう。想像するだけで、難しそうです。
ところで。
少しでもこの世界をかじると、単純に列車を円周レールの上に走らせる、と思ったようなことが、実は奥深く難しい内容をはらんでいると気づき始めました。もちろんそういうやさしい走り方も出来るのですが。
最近も、別のジオラマで試験走行するたびに、ちょっとしたレールの勾配で脱線転覆したりするので、甘く見てはならないと思いました。カーブは地盤を整形して、サーキット場のようにバンク(レールの内側への傾き)を作らないと安定走行できない、と考え出したのです。ミニカーブレールで最高速度にすると、曲線部分で外へ飛ばされそうな姿になるのです。(この、昭和の鉄道模型話には、脇道ですね)
13:昭和の『鉄道模型』をつくる
函館市電:京都市電のことを思い出して。
出雲大社前駅:出雲に行ったのに自動車だったからか、気がつかなかった昭和モダン駅。
メートル法実施で大混乱:いまだに私の脳の一部は尺貫法で動いているから。
長嶋茂雄:「わが巨人軍は永久に不滅です」:これ、TVで観ていました!
オリンパスペン:持ってはいなかったですが、いまだにオリンパス一眼レフの前では立ち止まります。36枚撮りフィルムをハーフサイズで72枚だなんて、ものすごいアイデアでした。
屋久島の安房森林軌道:ナローな森林軌道が背景になっていたミステリが好きだから。レールが落ち葉に隠れているような情景、よいですねぇ~。
しかし、この記事全部に解説を記すのはむつかしくって、一つ選んでおきましょう。
函館市電。
都市内を車両がゆっくり走る雰囲気は、以前サンフランシスコでケーブルカーに乗ったとき、充分味わいました。私は20代ころまでせっかく京都の市電に恵まれながら、それを有効利用せずに、車やバイクばかりに走ったのが、未だに悔いが残ります。当時、道をふさぐ市電を呪って廃止を当たり前と思った自分が恥ずかしいですね。
市内を走る電車は京都では嵐電(京福電車)だけ。ところが、函館には今も市電があって、町並みを観ることができるようです。函館、行ってみたくなりますね。
13:未来の図書館、過去の図書館
Mu未来図書館研究所、初の「嵯峨野鉄道図書館ジオラマ・プロジェクト」の要目は、二つあると考えます。
1.鉄道図書館とは何なのか?
一つは、鉄道図書館の意味づけです。文脈からご理解願えるように、鉄道関係の資料情報を持つ専門図書館ではありません。そうではなくて、館として「鉄道列車」をサブシステムに持つ近未来の図書館なのです。これには以前から学生達の涙と汗の賜「過去作品」が数点ありますので、精査することによって、鉄道図書館の多用なアイデアを発掘することができるでしょう。
現実の公共図書館では、自動車図書館という、バスを改造した移動図書館があります。これは地域を巡回して、住民に貸出をするのが主です。巡回日時が決まっているので、利用者にとっては遠い図書館まで行かなくても、近所である程度の満足を得られるシステムです。
しかし、「鉄道列車」図書館の場合、定点に留まってサービスをするのではなくて、乗車中に読書や調べ物をすることに意義を見出すものです。
この点で、さまざまな利点や欠点が、すでに私の脳内を去来しています。
もっとも気がかりなのは、移動中の読書と眼球の動き、その疲労です。この問題は最後まで残りそうです。にもかかわらず、列車乗車中の読書に、私は大きな利点をいろいろ想像しています。
2.図書館の中に地域がある?
もう一つは、単館としての図書館機能に重きをおくのではなくて、景観全体、その地域全体を含めた図書館構想にあります。これも様々なアイデアが学生達の過去労作にひそんでいます。それを精査することで、思いもよらないアイデアを得られると考えています。
差し迫った問題としては、鉄道列車図書室というサブシステムと、本館システムとを、どのような物語で関係づけるのかという点です。イメージとしては、本館の厖大な資料情報を手にし、ゆるゆると鉄道列車図書室に乗り込む、そんな映像が目に浮かびます。それを継ぎ目無く利用者に、自然なこととしてサービスするには、如何なる方法があるのでしょうか。
このサブシステムと本館システムとの関係は、地域全体に溶け込んだ図書館システムの関係に止揚しなければなりません。地域の図書館ではなくて、嵯峨野鉄道図書館の中の嵐山であり、嵯峨野であるという高みにまで達せないと、人びとの賛同を得ないことでしょう。
すると、都市論・田舎論・環境論と、問題は深く多岐にわたり、私の手に余る危険性がつきまといます。
どうするのか? おりおりに考えることにいたします。
上記の二つの主要な点を、現実のジオラマ製作の中で、手を動かしながら考えていきたいです。
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